設立の手続き
e-Tax番号を二重取得すると旧番号は廃止。法人の受信通知も見えなくなる
結論
法人がe-Taxの利用者識別番号を二重取得すると、最後に取得した番号だけが有効となり、先に取得した番号は廃止されます。旧番号のメッセージボックスも確認できなくなるため、番号や暗証番号を忘れた場合は新規の開始届出書を出さず、法人用の変更等届出書で復旧します。
- 利用者識別番号は半角16桁。二重取得時は最後に取得した番号が有効になり、旧番号は廃止される
- 旧番号で提出した申告等の内容とメッセージボックスは、新番号から確認できない
- 番号・暗証番号を忘れた場合は変更等届出書を送信し、後日郵送される通知書を待つ。番号自体は変わらない
e-Taxへログインできないとき、開始届出書をもう一度出して新しい利用者識別番号を取ると、復旧ではなく「二重取得」になります。
二重取得では最後の番号だけが有効になり、古い番号は廃止されます。さらに、旧番号へ届いた受信通知や、旧番号で提出した申告等の内容を新番号から確認できません。法人が番号を忘れた場合に選ぶべき手続と、すでに二重取得した後の対応を分けます。
結論:忘れたら新規取得ではなく変更等届出
状況ごとの手続は次のとおりです。
| 状況 | 選ぶ手続・対応 | 番号の扱い | 通知・影響 |
|---|---|---|---|
| 初めてe-Taxを使う | 開始届出書(法人用・新規) | 新規発行 | オンラインなら即時通知 |
| 番号・暗証番号を忘れた | 変更等届出(法人用・失念) | 番号は変更しない | 後日、書面で郵送 |
| 開始届出書を再提出した | 最後の番号でログイン | 旧番号は廃止 | 旧メッセージは確認不可 |
| 利用取りやめ済み | 開始届出書を再提出 | 新規発行 | 新番号で再開 |
この分岐表は node scripts/etax-identifier-recovery.mjs で再生成できます。
「ログインできない」と「e-Taxを初めて使う」は別の状態です。過去に電子申告、電子納税、納税証明書のオンライン請求をしたことがある法人は、まず既存番号の確認・復旧へ進みます。
利用者識別番号は16桁、二重取得なら旧番号が廃止
利用者識別番号は、e-Taxへログインするための半角16桁の番号です。開始届出書をオンライン提出すると、通常は利用者識別番号と暗証番号が即時通知されます。
すでに番号がある法人がもう一度開始届出書を提出すると、最後に取得した番号が有効になります。先に取得した番号でログインしようとすると、「入力した利用者識別番号は廃止されています」と表示される場合があります。
この表示が出たら、次の3点を順に確認します。
- 16桁の入力誤りがないか
- 過去に開始届出書を再提出していないか
- e-Taxの「利用取りやめ」を届け出ていないか
二重取得なら最も新しい番号を使います。利用取りやめ済みなら、改めて開始届出書を出して新しい番号を取得します。同じエラー表示でも、原因により手続が異なります。
新番号から旧メッセージボックスは見えない
二重取得の実害は、ログイン番号が変わるだけではありません。古い利用者識別番号のメッセージボックスを確認できなくなります。
旧番号側には、過去の受信通知、申告のお知らせ、納付情報、通知書等が格納されています。新番号は旧番号の後継アカウントとして履歴を統合する仕組みではないため、新番号でログインしても過去分は一覧に現れません。
受信通知には、受付日時、受付番号、提出先、税目等が記載されます。旧番号で提出した申告書の到達を後日説明したい場面では、受信通知と送信データを保存していない影響が出ます。
通常の受信通知にもシステム上の保存期限がありますが、二重取得では期限を待たずアクセスできなくなる点が違います。e-Tax受信通知の4つの保存期限と混同せず、番号を作り直す前に外部保存を確認してください。
番号を忘れた法人が選ぶ画面
番号または暗証番号を忘れた法人は、e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーから、次の画面を選びます。
変更等届出(法人用)利用者識別番号・暗証番号をお忘れになった方
法人名称、法人番号、代表者、本店所在地等を画面に沿って入力して送信します。ここで「開始届出書(法人用)新規」を選ばないことが重要です。
送信後の画面には受付番号が表示されます。この時点で利用者識別番号や新しい暗証番号は画面表示されません。受付番号は、処理状況を税務署へ問い合わせる場合に必要となるため、PDF保存または印刷します。
後日、税務署から「利用者識別番号等の通知書」が書面で郵送されます。オンライン申請だから即時に復旧するわけではありません。申告期限の直前に失念へ気づくと、郵送を待つ時間がないため、所轄税務署へ早めに相談します。
失念手続では番号は変わらず、暗証番号等が初期化
変更等届出書で失念手続をした場合、既存の利用者識別番号自体は変更されません。一方、暗証番号は初期化され、事前登録した電子証明書は消去されます。
通知書が届いた後は、次の順で復旧します。
- 通知書の利用者識別番号と仮の暗証番号を確認する
- 仮の暗証番号でログインする
- 自社で管理する新しい暗証番号へ変更する
- 法人の電子証明書を再登録する
- メッセージボックスと過去の受信通知を確認する
- 会計・申告ソフトに保存した番号を確認する
番号が変わらないため、旧メッセージボックスの履歴を維持したまま復旧できます。ただし、電子証明書を再登録するまで電子署名が必要な送信を完了できない可能性があります。通知書を受け取っただけで復旧完了としないでください。
すでに二重取得したときの確認順
すでに新しい番号を取った場合は、古い番号を何度も入力してロック対応を繰り返すのではなく、最も新しい番号を確定します。
確認対象は次のとおりです。
- 新しい開始届出書の送信結果または通知書
- 税理士・会計ソフト会社が保管する利用者情報
- 新番号のメッセージボックスにある開始届出の通知
- 旧番号で送信した申告書PDF、送信データ、受信通知の社内保存
- ダイレクト納付や口座振替等、番号にひもづく登録状況
旧番号の履歴が必要でも、新番号から自動移行することは期待できません。法人の手元、税理士、利用していた申告ソフトの保存データを先に確認し、不足資料について所轄税務署へ相談します。
過去申告書の内容確認が目的なら、e-Tax以外の手段もあります。法人の過去申告書を無料閲覧する手順で、窓口閲覧と写しの請求を分けて確認できます。
税理士へ依頼している法人も自社番号を管理する
税理士が開始届出書を代理送信した場合、利用者識別番号等の通知は税理士側と関与先法人側の双方のメッセージボックスへ格納されます。一方、失念時の変更等届出書を代理送信しても、書面の通知先は関与先法人です。
法人側で通知書を受け取ったら、税理士へ番号と復旧状況を安全な方法で共有します。メール本文へ暗証番号を平文で残すのではなく、事務所の指定する共有方法を使います。
税理士を変更するときは、利用者識別番号、法人側のログイン手段、最終申告の受信通知、送信データの引継ぎ項目を一覧にします。利用者識別番号は税理士の番号ではなく法人自身の番号です。
社内で保存する5点
二重取得を防ぐには、担当者個人の記憶に頼らず、次の5点を法人の管理台帳へ残します。
| 保存項目 | 目的 |
|---|---|
| 利用者識別番号 | 新規取得の重複防止 |
| 開始・変更等届出の受付番号 | 税務署への照会 |
| 通知書の保管場所 | 番号と手続履歴の確認 |
| 登録メールアドレス | 暗証番号再設定の可否確認 |
| 受信通知・送信データの保存先 | メッセージボックス外で提出事実を維持 |
暗証番号そのものは、閲覧権限を絞ったパスワード管理手段で保存します。通知書のPDFと同じ共有フォルダへ暗証番号を平文で置くと、番号と認証情報を一度に失うため避けます。
担当者の退職、税理士変更、会計ソフト変更、本店移転は、番号を新規取得する理由ではありません。登録内容の変更や暗証番号の再設定で対応できるかを先に確認します。
まとめ
- 二重取得すると最後の利用者識別番号だけが有効になり、旧番号は廃止される
- 新番号から旧番号のメッセージボックスや申告等の内容は確認できない
- 番号・暗証番号を忘れた場合は、法人用の変更等届出書を使う
- 失念手続は即時通知ではなく、番号と仮暗証番号が後日書面で届く
- 番号自体は維持されるが、暗証番号の変更と電子証明書の再登録が必要
ログインできないときほど、新規開始届出書を送る前に過去の利用者識別番号を探してください。復旧のための再発行と、新しい番号の取得は同じ手続ではありません。
よくある質問
e-Taxの利用者識別番号を法人が2つ持つことはできますか?
同じ法人が誤って複数取得した場合、最後に取得した番号が有効となり、先に取得した番号は廃止されます。2つを用途別に使い続ける運用にはできません。
古い利用者識別番号の受信通知を新しい番号で見られますか?
見られません。国税庁は、再度開始届出書を提出すると、これまでe-Taxで提出した申告等の内容を確認できなくなると案内しています。
利用者識別番号を忘れたら新しく取り直しますか?
取り直しません。「変更等届出(法人用)利用者識別番号・暗証番号をお忘れになった方」を送信します。後日、番号と仮の暗証番号が書面で郵送されます。
変更等届出書を送れば番号は画面にすぐ表示されますか?
表示されません。送信結果には受付番号が表示されますが、利用者識別番号等は後日郵送です。受付番号は問い合わせに備えて保存してください。
出典
本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。