社会保険

福井市の国民健康保険税(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,265万円

結論

福井市は令和8年度、令和4年度から据え置いていた医療分の所得割を7.2%から6.15%に、介護分を3.0%から2.72%に下げました。子ども・子育て支援金分が加わっても、単身・40歳未満・事業所得600万円の税額は年56万7,470円と、令和7年度の税率で計算した61万5,799円より4.8万円安くなります。収録63市区で3番目に安く、東京23区より安い状態がどの所得でも続きます。法人化の損益分岐(協会けんぽ福井支部)は1,265万円です。

  • 40歳未満の税率は所得割9.10%・均等割37,600円(18歳以上の40円を含む)・平等割23,000円
  • 市の仮計算シートの年度別税率では、医療分は令和3年度8.1%→令和4〜7年度7.2%→令和8年度6.15%
  • 子ども分の均等割600円は収録63市区で最も低く、所得割0.15%も徳島市に次いで低い。医療分は単身で事業所得1,062万円まで上限に届かない

福井市は令和8年度、国保税の税率を大きく動かしました。市が公開している仮計算シート(Excel)には令和3年度からの税率が並んでいて、医療分の所得割は令和4〜7年度の4年間7.2%のまま据え置かれ、令和8年度に**6.15%**へ下がっています。

子ども・子育て支援金分が加わって保険料が上がる市が多い中、福井市は前年度より安くなった数少ない市です。他の自治体との比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。

令和8年度の税率

区分所得割均等割(1人)平等割(1世帯)限度額
医療分6.15%27,000円16,400円67万円
支援分2.80%10,000円6,200円26万円
介護分(40〜64歳)2.72%11,400円6,000円17万円
子ども分0.15%600円(18歳以上40円を含む)400円3万円

※ 福井市 国民健康保険税について。支援分は後期高齢者支援金分、子ども分は子ども・子育て支援金分

40歳未満の3区分を合わせると、所得割9.10%、均等割は大人1人37,600円、平等割は1世帯23,000円です。所得割の合計は、当サイトが収録する63市区で富山市・福岡市に次いで3番目に低い値です。

4年据え置きの後、医療分を1.05ポイント下げた

区分令和3年度令和4〜7年度令和8年度
医療分の所得割8.1%7.2%6.15%
医療分の均等割・平等割29,600円・17,400円27,000円・16,200円27,000円・16,400円
支援分の所得割2.91%2.8%2.8%
支援分の均等割・平等割8,900円・5,600円9,600円・6,000円10,000円・6,200円
介護分の所得割2.55%3.0%2.72%

※ 福井市 国民健康保険税の仮計算シート(karikeisan.xlsx)の年度別税率表

令和8年度は、所得割を大きく下げる一方で、均等割と平等割を少しずつ上げています。所得のある世帯ほど下がり幅が大きくなる改定です。

単身・40歳未満令和7年度令和8年度増減うち子ども分
事業所得300万円31.6万円29.4万円−2.1万円0.5万円
600万円61.6万円56.7万円−4.8万円0.9万円
900万円91.6万円84.0万円−7.5万円1.4万円
1,000万円92.0万円90.7万円−1.3万円1.5万円
1,200万円92.0万円94.8万円+2.8万円1.8万円

※ 計算エンジンに令和7年度の税率を入れた比較(scripts/kokuho-zennendo-hikaku.mjs)。令和7年度に子ども分はない

事業所得900万円までは、子ども分を足しても前年度より安くなります。上がるのは、令和7年度でも上限92万円に届いていた高所得の層だけで、上限が4万円上がったためです。

単身・事業所得600万円で年56.7万円

旧ただし書所得は600万円−43万円=557万円です。

区分所得割均等割平等割小計
医療分342,555円27,000円16,400円385,955円
支援分155,960円10,000円6,200円172,160円
子ども分8,355円600円400円9,355円
合計567,470円

年56万7,470円で、東京23区(65万6,379円)より8万8,909円安く、収録63市区で富山市・福岡市に次ぐ3番目の安さです。国民年金(年21万5,040円)を足すと78万2,510円です。40〜64歳なら介護分16万8,904円が加わり、73万6,374円になります。

事業所得福井市金沢市東京23区東京23区との差
300万円29.4万円38.1万円33.9万円−4.5万円
500万円47.6万円62.3万円55.1万円−7.4万円
700万円65.8万円86.6万円76.2万円−10.4万円
800万円74.9万円91.0万円86.8万円−11.9万円
900万円84.0万円94.0万円95.3万円−11.2万円
1,000万円90.7万円95.0万円95.8万円−5.0万円

※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。所得が低く法定軽減(7割・5割・2割)に当たる世帯は、この表より安くなる

23区との差は事業所得871万円で最大の12.9万円です。医療分が上限に届くのは単身で1,062万円と遅く、100万〜1,500万円のどの所得でも23区より安くなります。北隣の金沢市は所得割の合計12.11%で、事業所得600万円なら福井市より17.7万円高くなります(金沢市の国民健康保険料)。

家族が増えたときの増加は、配偶者(無収入)で年3.8万円、小学生の子1人で3.7万円、未就学児1人で1.9万円です(事業所得500万円)。40歳になって介護分が加わると、600万円で16.9万円増えます。

法人化の分岐点は1,265万円

条件損益分岐(売上−経費)
東京23区・協会けんぽ東京支部(単身)1,266万円
福井市の国保のみ(協会けんぽは東京支部・単身)1,272万円
福井市・協会けんぽ福井支部(単身)1,265万円
福井市・配偶者(無収入)あり1,016万円
福井市・単身・40〜64歳1,243万円
参考:令和7年度の税率で計算した場合(単身)1,281万円

※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準

福井市の国保は分岐点の付近(青色申告特別控除後で1,200万円前後)でもまだ上限96万円に届いておらず、23区より少し安いぶん、国保だけを入れ替えると分岐点は6万円上がります。協会けんぽ福井支部の健康保険料率9.71%が東京支部(9.85%)より低く、7万円押し戻して1,265万円になります。

令和7年度の税率で計算すると分岐点は1,281万円でした。令和8年度は中所得の国保が下がった一方、上限が上がって高所得の国保が増えたので、分岐点は16万円下がっています。

まとめ

  • 福井市は令和8年度、医療分の所得割を7.2%から6.15%に、介護分を3.0%から2.72%に下げた
  • 単身・事業所得600万円で年56万7,470円。前年度の税率より4.8万円安く、63市区で3番目に安い
  • 900万円までは前年度より安い。上がるのは上限に届いていた高所得の層だけ
  • どの所得でも東京23区より安く、差は871万円で最大12.9万円
  • 法人化の分岐点は1,265万円で、令和7年度の税率より16万円低い

福井市の国保は、事業所得のある個人事業主にとって軽い水準にあります。法人化の判断は、国保の軽さも含めて自分の売上と経費で確かめてください。

よくある質問

福井市の国民健康保険税は令和8年度に下がりましたか?

税率は下がりました。医療分の所得割が7.2%から6.15%、介護分の所得割が3.0%から2.72%になりました。一方で均等割・平等割の一部は上がり、子ども・子育て支援金分が新設されています。事業所得のある世帯では、多くの所得帯で前年度より税額が下がります。

福井市の子ども・子育て支援金分はいくらですか?

所得割0.15%、均等割600円(18歳以上均等割40円を含む)、平等割400円、限度額3万円です。

福井市の国民健康保険税の限度額はいくらですか?

令和8年度は医療分67万円、支援分26万円、介護分17万円、子ども分3万円です。令和7年度は医療分が66万円でした。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。