社会保険
国民健康保険料が高い市・安い市を比較(令和8年度)。所得600万円で年24.6万円差
結論
事業所得600万円・単身なら、収録63市区で最も高い大阪市は年80.8万円、最も安い富山市は年56.2万円で、年24.6万円の差があります。ただし所得1,000万円まで上がるとほとんどの自治体が賦課限度額に達するため、差は年10.0万円まで縮まります(最も安いのは那覇市)。
- 政令指定都市20市・東京23区と、県庁所在地・中核市など42市(計63市区)の令和8年度の公表料率で計算(40歳未満・単身・介護分を含まない)
- 令和8年度から「子ども・子育て支援金分」が加わり、保険料は4区分になった
- 料率のために住民票だけを移すことはできない。国民健康保険は住民票のある市区町村で加入する
国民健康保険料は市区町村ごとに決まるため、同じ所得でも住む場所で金額が変わります。
どれくらい変わるのか。令和8年度の実際の料率を使って、政令指定都市と東京23区、県庁所在地・中核市など63市区で計算しました。事業所得600万円の単身なら、最も高い大阪市と最も安い富山市で年24.6万円の差があります。
保険料の決まり方
国民健康保険料は、次の4区分をそれぞれ計算して合算します。令和8年度から「子ども・子育て支援金分」が加わり、3区分から4区分になりました。
| 区分 | 誰が払うか |
|---|---|
| 医療分 | 加入者全員 |
| 後期高齢者支援金分 | 加入者全員 |
| 子ども・子育て支援金分 | 加入者全員(令和8年度新設) |
| 介護分 | 40歳以上65歳未満のみ |
そして各区分が、次の3つの組み合わせで計算されます。
- 所得割:旧ただし書所得(総所得金額等 − 基礎控除43万円)× 料率
- 均等割:加入者1人あたりの定額
- 平等割:1世帯あたりの定額(採用していない自治体もある)
この3つの配分が自治体ごとに違うため、同じ所得でも金額が変わります。
1つの自治体について最後まで計算する手順は、東京23区の国民健康保険料の計算方法と、上限が4段階で来る理由で示しています。
所得別の比較
所得別の年間保険料(単身・40歳未満)
| 自治体 | 事業所得300万円 | 事業所得600万円 | 事業所得1,000万円 |
|---|---|---|---|
| 大阪市 | 42.3万円 | 80.8万円 | 94.9万円 |
| 堺市 | 42.3万円 | 80.8万円 | 94.9万円 |
| 長崎市 | 39.8万円 | 78.6万円 | 96.0万円 |
| 高松市 | 39.8万円 | 78.1万円 | 95.9万円 |
| 山口市 | 39.0万円 | 76.9万円 | 96.0万円 |
| 山形市 | 38.8万円 | 76.3万円 | 96.0万円 |
| 佐賀市 | 39.4万円 | 75.7万円 | 95.1万円 |
| 和歌山市 | 38.6万円 | 75.2万円 | 96.0万円 |
| 金沢市 | 38.1万円 | 74.4万円 | 95.0万円 |
| 北九州市 | 38.0万円 | 74.0万円 | 95.9万円 |
| 秋田市 | 37.7万円 | 73.7万円 | 95.3万円 |
| 青森市 | 37.2万円 | 73.7万円 | 94.9万円 |
| 宮崎市 | 37.3万円 | 73.4万円 | 96.0万円 |
| 大分市 | 37.5万円 | 72.5万円 | 96.0万円 |
| 鹿児島市 | 37.5万円 | 72.0万円 | 96.0万円 |
| 名古屋市 | 36.8万円 | 71.8万円 | 95.7万円 |
| 徳島市 | 36.8万円 | 71.1万円 | 94.3万円 |
| 札幌市 | 36.6万円 | 71.0万円 | 96.0万円 |
| 岡山市 | 36.1万円 | 70.3万円 | 96.0万円 |
| 仙台市 | 36.5万円 | 70.2万円 | 95.8万円 |
| 広島市 | 36.9万円 | 70.2万円 | 95.8万円 |
| 川崎市 | 35.5万円 | 69.9万円 | 96.0万円 |
| 那覇市 | 35.2万円 | 69.9万円 | 86.0万円 |
| 盛岡市 | 35.4万円 | 69.6万円 | 96.0万円 |
| 奈良市 | 35.8万円 | 69.4万円 | 95.0万円 |
| 津市 | 35.8万円 | 69.2万円 | 95.7万円 |
| 水戸市 | 34.5万円 | 69.2万円 | 95.4万円 |
| 高知市 | 35.4万円 | 69.0万円 | 95.8万円 |
| 横浜市 | 34.6万円 | 68.5万円 | 96.0万円 |
| 長野市 | 34.4万円 | 68.3万円 | 96.0万円 |
| 尼崎市 | 35.3万円 | 68.2万円 | 95.9万円 |
| 松山市 | 34.7万円 | 67.8万円 | 95.3万円 |
| 松江市 | 35.1万円 | 67.7万円 | 95.9万円 |
| 京都市 | 34.6万円 | 67.2万円 | 95.9万円 |
| 神戸市 | 35.3万円 | 67.1万円 | 95.7万円 |
| 西宮市 | 34.8万円 | 66.6万円 | 95.9万円 |
| 松戸市 | 33.9万円 | 66.3万円 | 96.0万円 |
| 姫路市 | 34.2万円 | 65.7万円 | 96.0万円 |
| 東京23区 | 33.9万円 | 65.6万円 | 95.8万円 |
| さいたま市 | 33.3万円 | 65.2万円 | 95.7万円 |
| 新潟市 | 32.8万円 | 65.2万円 | 95.7万円 |
| 倉敷市 | 33.7万円 | 65.2万円 | 96.0万円 |
| 八王子市 | 33.4万円 | 65.1万円 | 96.0万円 |
| 前橋市 | 33.9万円 | 65.1万円 | 96.0万円 |
| 千葉市 | 33.7万円 | 64.9万円 | 96.0万円 |
| 川口市 | 33.1万円 | 64.6万円 | 94.7万円 |
| 岐阜市 | 33.8万円 | 64.2万円 | 93.4万円 |
| 藤沢市 | 33.2万円 | 64.0万円 | 96.0万円 |
| 柏市 | 32.2万円 | 62.6万円 | 95.8万円 |
| 宇都宮市 | 32.3万円 | 62.3万円 | 95.0万円 |
| 大津市 | 32.3万円 | 61.9万円 | 95.3万円 |
| 浜松市 | 32.2万円 | 61.8万円 | 94.4万円 |
| 船橋市 | 31.2万円 | 61.4万円 | 95.8万円 |
| 相模原市 | 32.0万円 | 61.4万円 | 95.9万円 |
| 静岡市 | 31.7万円 | 60.4万円 | 95.9万円 |
| 熊本市 | 31.6万円 | 60.3万円 | 93.9万円 |
| 豊田市 | 31.5万円 | 60.1万円 | 95.1万円 |
| 市川市 | 29.1万円 | 58.0万円 | 88.5万円 |
| 町田市 | 29.7万円 | 57.9万円 | 93.7万円 |
| 福島市 | 29.8万円 | 57.7万円 | 92.2万円 |
| 福井市 | 29.4万円 | 56.7万円 | 90.7万円 |
| 福岡市 | 29.2万円 | 56.2万円 | 86.1万円 |
| 富山市 | 29.2万円 | 56.2万円 | 92.0万円 |
※ 40歳未満・単身・青色申告(e-Tax)/2026年(令和8年)分基準 ※ 介護分(40〜64歳のみ)は含まない
この比較のもとになった計算は、自治体別 国民健康保険料データでCSV・JSONとして公開しています。63市区と全国平均×所得6水準の全384行に、医療分・後期高齢者支援金分・子ども子育て支援金分の内訳と、各自治体の料率の出典URLを付けています。
最も安い市は所得帯で入れ替わります。 事業所得300万円では市川市、400万〜700万円では富山市、800万〜990万円では福岡市、1,000万円以上では那覇市が最も安くなります。富山市と福岡市は所得割の合計がほぼ同じ(9.01%と9.00%)で、600万円での差は162円しかありません。事業所得600万円では、最も高い大阪市と最も安い富山市で24.6万円の差です。
一方で所得1,000万円の行を見ると、那覇市・福岡市・市川市・福井市・富山市・福島市を除く57市区が93.4万〜96.0万円の範囲に収まっています。高所得帯では差がほとんど消えます。理由は後述します。
なぜ差が出るのか
料率の内訳を見ると、構造の違いがはっきりします。
料率の内訳(医療分+後期高齢者支援金分+子ども子育て支援金分の合計。介護分は除く)
| 自治体 | 所得割の合計 | 均等割の合計(1人) | 平等割(1世帯) |
|---|---|---|---|
| 東京23区(特別区統一保険料率) | 10.58% | 67,073円 | なし |
| 横浜市 | 11.29% | 55,940円 | なし |
| 大阪市 | 12.84% | 47,926円 | 44,753円 |
| 名古屋市 | 11.67% | 68,146円 | なし |
| 札幌市 | 11.46% | 27,980円 | 43,550円 |
| 福岡市 | 9.00% | 31,287円 | 29,413円 |
| 神戸市 | 10.61% | 48,490円 | 31,370円 |
| 京都市 | 10.88% | 41,550円 | 24,770円 |
| さいたま市 | 10.63% | 59,900円 | なし |
| 長崎市 | 12.92% | 38,530円 | 27,407円 |
| 富山市 | 9.01% | 34,540円 | 25,360円 |
| 市川市 | 9.63% | 22,800円 | 20,400円 |
| 那覇市 | 11.57% | 22,753円 | 31,519円 |
※ 医療分・後期高齢者支援金分・子ども子育て支援金分の合計。介護分は含まない。均等割は18歳以上だけにかかる加算を含まない。収録63市区の全料率は自治体別 国民健康保険料データの出典欄からたどれる
所得割は福岡市の9.00%から長崎市の12.92%まで、3.92ポイントの開きがあります。所得600万円なら約22万円の差です。福岡市・富山市の安さは、ほぼこの所得割の低さで説明できます。
均等割と平等割の配分も自治体ごとに違います。 那覇市(22,753円)と市川市(22,800円)は均等割が特に低く、札幌市は27,980円と低い代わりに平等割を43,550円取っています。逆に名古屋市・東京23区・さいたま市は平等割がなく、そのぶん均等割が高くなっています。
この違いは、世帯の人数によって有利不利が入れ替わることを意味します。
世帯人数で順位が変わる
配偶者と子ども2人、計4人世帯で同じ所得600万円を計算すると、順位が動きます。
| 自治体 | 単身 | 4人世帯 | 順位の変化 |
|---|---|---|---|
| 大阪市 | 80.8万円 | 90.9万円 | 1位 → 1位 |
| 堺市 | 80.8万円 | 90.9万円 | 2位 → 2位 |
| 長崎市 | 78.6万円 | 90.1万円 | 3位 → 3位 |
| 名古屋市 | 71.8万円 | 89.9万円 | 16位 → 4位 |
| 佐賀市 | 75.7万円 | 88.2万円 | 7位 → 5位 |
| 川崎市 | 69.9万円 | 88.0万円 | 22位 → 6位 |
| 和歌山市 | 75.2万円 | 87.8万円 | 8位 → 7位 |
| 高松市 | 78.1万円 | 87.7万円 | 4位 → 8位 |
| 山口市 | 76.9万円 | 87.0万円 | 5位 → 9位 |
| 鹿児島市 | 72.0万円 | 86.4万円 | 15位 → 10位 |
| 東京23区 | 65.6万円 | 85.8万円 | 39位 → 11位 |
| 山形市 | 76.3万円 | 85.5万円 | 6位 → 12位 |
| 金沢市 | 74.4万円 | 85.4万円 | 9位 → 13位 |
| 横浜市 | 68.5万円 | 85.3万円 | 29位 → 14位 |
| 大分市 | 72.5万円 | 84.9万円 | 14位 → 15位 |
| 徳島市 | 71.1万円 | 84.6万円 | 17位 → 16位 |
| 宮崎市 | 73.4万円 | 84.6万円 | 13位 → 17位 |
| 北九州市 | 74.0万円 | 84.2万円 | 10位 → 18位 |
| 八王子市 | 65.1万円 | 83.7万円 | 43位 → 19位 |
| 水戸市 | 69.2万円 | 83.3万円 | 27位 → 20位 |
| さいたま市 | 65.2万円 | 83.2万円 | 40位 → 21位 |
| 川口市 | 64.6万円 | 83.1万円 | 46位 → 22位 |
| 秋田市 | 73.7万円 | 83.0万円 | 11位 → 23位 |
| 広島市 | 70.2万円 | 83.0万円 | 21位 → 24位 |
| 岡山市 | 70.3万円 | 82.2万円 | 19位 → 25位 |
| 仙台市 | 70.2万円 | 82.0万円 | 20位 → 26位 |
| 奈良市 | 69.4万円 | 81.7万円 | 25位 → 27位 |
| 神戸市 | 67.1万円 | 81.6万円 | 35位 → 28位 |
| 青森市 | 73.7万円 | 81.6万円 | 12位 → 29位 |
| 津市 | 69.2万円 | 81.5万円 | 26位 → 30位 |
| 尼崎市 | 68.2万円 | 81.3万円 | 31位 → 31位 |
| 松江市 | 67.7万円 | 81.0万円 | 33位 → 32位 |
| 西宮市 | 66.6万円 | 80.6万円 | 36位 → 33位 |
| 京都市 | 67.2万円 | 79.7万円 | 34位 → 34位 |
| 松戸市 | 66.3万円 | 79.5万円 | 37位 → 35位 |
| 札幌市 | 71.0万円 | 79.4万円 | 18位 → 36位 |
| 姫路市 | 65.7万円 | 78.9万円 | 38位 → 37位 |
| 高知市 | 69.0万円 | 78.8万円 | 28位 → 38位 |
| 松山市 | 67.8万円 | 78.5万円 | 32位 → 39位 |
| 盛岡市 | 69.6万円 | 78.5万円 | 24位 → 40位 |
| 前橋市 | 65.1万円 | 77.9万円 | 44位 → 41位 |
| 船橋市 | 61.4万円 | 77.6万円 | 53位 → 42位 |
| 藤沢市 | 64.0万円 | 77.3万円 | 48位 → 43位 |
| 那覇市 | 69.9万円 | 76.7万円 | 23位 → 44位 |
| 柏市 | 62.6万円 | 76.5万円 | 49位 → 45位 |
| 倉敷市 | 65.2万円 | 76.3万円 | 42位 → 46位 |
| 長野市 | 68.3万円 | 76.0万円 | 30位 → 47位 |
| 岐阜市 | 64.2万円 | 75.8万円 | 47位 → 48位 |
| 千葉市 | 64.9万円 | 75.0万円 | 45位 → 49位 |
| 大津市 | 61.9万円 | 74.9万円 | 51位 → 50位 |
| 町田市 | 57.9万円 | 74.7万円 | 59位 → 51位 |
| 相模原市 | 61.4万円 | 74.0万円 | 54位 → 52位 |
| 宇都宮市 | 62.3万円 | 73.7万円 | 50位 → 53位 |
| 熊本市 | 60.3万円 | 73.3万円 | 56位 → 54位 |
| 浜松市 | 61.8万円 | 73.2万円 | 52位 → 55位 |
| 静岡市 | 60.4万円 | 72.9万円 | 55位 → 56位 |
| 豊田市 | 60.1万円 | 72.4万円 | 57位 → 57位 |
| 新潟市 | 65.2万円 | 72.2万円 | 41位 → 58位 |
| 福井市 | 56.7万円 | 68.0万円 | 61位 → 59位 |
| 福島市 | 57.7万円 | 67.7万円 | 60位 → 60位 |
| 富山市 | 56.2万円 | 66.6万円 | 63位 → 61位 |
| 福岡市 | 56.2万円 | 65.6万円 | 62位 → 62位 |
| 市川市 | 58.0万円 | 64.8万円 | 58位 → 63位 |
※ 事業所得600万円・40歳未満・配偶者と子2人(いずれも無収入)/2026年(令和8年)分基準。横浜市・川崎市・神戸市・名古屋市・鹿児島市・福岡市・福島市・水戸市などにある子どもや扶養家族に対する市独自の減額は含まない(各市の記事で計算している)
札幌市は単身では18番目に高いのに、4人世帯では36番目まで下がります。新潟市も41位から58位へ、那覇市も23位から44位へ落ちます。 いずれも均等割が安く平等割が高い構成なので、人数が増えても保険料の伸びが小さいためです。市川市は単身でも58番目と安い側ですが、4人世帯では63市区で最も安くなります。
逆に東京23区(39位→11位)とさいたま市(40位→21位)は、平等割がないぶん均等割が高く、人数が増えると順位が上がります。八王子市も43位から19位へ、川崎市も22位から6位へ、町田市も59位から51位へ上がります。いずれも平等割を採用せず、均等割で1人あたり5万〜6万円台を取る構成です。
住んでいる自治体の保険料を「高い・安い」で語るときは、世帯構成とセットで見る必要があるということです。
なお国民健康保険には扶養という考え方がなく、配偶者や子どもの分も人数に応じてかかります。この点は配偶者がいると法人化の分岐点は250万円下がるで詳しく扱っています。
高所得だと差が消える理由
各区分には賦課限度額があり、所得がいくら高くてもそれ以上は増えません。医療分は67万円(大阪市・堺市・川口市・宇都宮市・金沢市・奈良市は66万円)、後期高齢者支援金分は26万円、子ども・子育て支援金分は3万円です。
限度額に到達する事業所得を計算すると、こうなります。
| 自治体 | 医療分が限度額に達する事業所得 |
|---|---|
| 大阪市 | 670万円 |
| 堺市 | 670万円 |
| 高松市 | 670万円 |
| 那覇市 | 690万円 |
| 山形市 | 705万円 |
| 佐賀市 | 705万円 |
| 青森市 | 710万円 |
| 長崎市 | 715万円 |
| 秋田市 | 715万円 |
| 山口市 | 715万円 |
| 金沢市 | 720万円 |
| 和歌山市 | 730万円 |
| 名古屋市 | 745万円 |
| 大分市 | 755万円 |
| 札幌市 | 760万円 |
| 宮崎市 | 760万円 |
| 鹿児島市 | 785万円 |
| 北九州市 | 790万円 |
| 盛岡市 | 790万円 |
| 広島市 | 790万円 |
| 徳島市 | 790万円 |
| 横浜市 | 800万円 |
| 川崎市 | 805万円 |
| 岡山市 | 805万円 |
| 長野市 | 815万円 |
| 高知市 | 815万円 |
| 仙台市 | 820万円 |
| 津市 | 820万円 |
| 松江市 | 820万円 |
| 京都市 | 830万円 |
| 奈良市 | 845万円 |
| 岐阜市 | 855万円 |
| 水戸市 | 860万円 |
| さいたま市 | 865万円 |
| 松戸市 | 865万円 |
| 尼崎市 | 865万円 |
| 川口市 | 870万円 |
| 松山市 | 870万円 |
| 東京23区 | 875万円 |
| 倉敷市 | 875万円 |
| 神戸市 | 880万円 |
| 西宮市 | 885万円 |
| 八王子市 | 890万円 |
| 市川市 | 895万円 |
| 千葉市 | 905万円 |
| 新潟市 | 905万円 |
| 浜松市 | 910万円 |
| 柏市 | 915万円 |
| 姫路市 | 920万円 |
| 大津市 | 920万円 |
| 宇都宮市 | 930万円 |
| 前橋市 | 935万円 |
| 船橋市 | 940万円 |
| 藤沢市 | 940万円 |
| 豊田市 | 960万円 |
| 静岡市 | 965万円 |
| 相模原市 | 970万円 |
| 町田市 | 975万円 |
| 富山市 | 1,025万円 |
| 熊本市 | 1,030万円 |
| 福島市 | 1,065万円 |
| 福井市 | 1,065万円 |
| 福岡市 | 1,175万円 |
※ 40歳未満・単身/2026年(令和8年)分基準
所得割が高い自治体ほど、早く限度額に到達します。 大阪市・堺市・高松市は670万円で頭打ちになる一方、福岡市は1,175万円まで上がり続けます。
その結果、所得1,100万円を超えたあたりから、ほとんどの市区が上限まで1万円未満の横並びになります。例外は医療分の上限が遅い福岡市、後期高齢者支援金分の所得割が低く後期分の上限に届くのが遅い那覇市(1.59%・1,625万円)と市川市(1.90%・1,366万円)、子ども・子育て支援金分の所得割が低い福井市と徳島市です。「大阪の国保は高い」という感覚は所得600万円前後では正しいのですが、所得1,000万円では成立しません。
法人化の分岐点は自治体でどう変わるか
ここが本題です。国保料が高い自治体ほど法人化が有利になりそうですが、実際は逆です。
| 自治体 | 損益分岐となる事業所得 | 協会けんぽの健康保険料率 |
|---|---|---|
| 佐賀市 | 1,299万円 | 10.55% |
| 徳島市 | 1,291万円 | 10.24% |
| 札幌市 | 1,284万円 | 10.28% |
| 大阪市 | 1,283万円 | 10.13% |
| 堺市 | 1,283万円 | 10.13% |
| 那覇市 | 1,283万円 | 9.44% |
| 神戸市 | 1,279万円 | 10.12% |
| 山口市 | 1,278万円 | 10.15% |
| 福岡市 | 1,277万円 | 10.11% |
| 仙台市 | 1,277万円 | 10.10% |
| 北九州市 | 1,277万円 | 10.11% |
| 鹿児島市 | 1,277万円 | 10.13% |
| 市川市 | 1,277万円 | 9.73% |
| 姫路市 | 1,277万円 | 10.12% |
| 西宮市 | 1,277万円 | 10.12% |
| 尼崎市 | 1,277万円 | 10.12% |
| 熊本市 | 1,276万円 | 10.08% |
| 大分市 | 1,276万円 | 10.08% |
| 岡山市 | 1,274万円 | 10.05% |
| 倉敷市 | 1,274万円 | 10.05% |
| 長崎市 | 1,274万円 | 10.06% |
| 和歌山市 | 1,274万円 | 10.06% |
| 高知市 | 1,274万円 | 10.05% |
| 松山市 | 1,273万円 | 9.98% |
| 高松市 | 1,273万円 | 10.02% |
| 秋田市 | 1,273万円 | 10.01% |
| 奈良市 | 1,273万円 | 9.91% |
| 横浜市 | 1,272万円 | 9.92% |
| 名古屋市 | 1,270万円 | 9.93% |
| 宇都宮市 | 1,270万円 | 9.82% |
| 松江市 | 1,270万円 | 9.94% |
| 川崎市 | 1,269万円 | 9.92% |
| 相模原市 | 1,269万円 | 9.92% |
| 藤沢市 | 1,269万円 | 9.92% |
| 豊田市 | 1,269万円 | 9.93% |
| 東京23区 | 1,266万円 | 9.85% |
| 京都市 | 1,266万円 | 9.89% |
| 八王子市 | 1,266万円 | 9.85% |
| 町田市 | 1,266万円 | 9.85% |
| 青森市 | 1,266万円 | 9.85% |
| 大津市 | 1,266万円 | 9.88% |
| 福井市 | 1,265万円 | 9.71% |
| 金沢市 | 1,264万円 | 9.70% |
| 川口市 | 1,263万円 | 9.67% |
| 岐阜市 | 1,263万円 | 9.80% |
| 宮崎市 | 1,262万円 | 9.77% |
| 津市 | 1,262万円 | 9.77% |
| 広島市 | 1,262万円 | 9.78% |
| 山形市 | 1,261万円 | 9.75% |
| 千葉市 | 1,260万円 | 9.73% |
| 船橋市 | 1,260万円 | 9.73% |
| 松戸市 | 1,260万円 | 9.73% |
| 柏市 | 1,260万円 | 9.73% |
| 前橋市 | 1,258万円 | 9.68% |
| さいたま市 | 1,257万円 | 9.67% |
| 静岡市 | 1,255万円 | 9.61% |
| 浜松市 | 1,255万円 | 9.61% |
| 長野市 | 1,255万円 | 9.63% |
| 富山市 | 1,253万円 | 9.59% |
| 水戸市 | 1,252万円 | 9.52% |
| 盛岡市 | 1,250万円 | 9.51% |
| 福島市 | 1,249万円 | 9.50% |
| 新潟市 | 1,237万円 | 9.21% |
※ 経費200万円・40歳未満・独身・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社/2026年(令和8年)分基準
分岐点の順位が、協会けんぽの料率の順位とほぼ一致しています。 横浜市と名古屋市、東京23区と京都市のように前後が入れ替わっている組み合わせはありますが、いずれも差は数万円です。入れ替わりは健康保険ではなく法人住民税の均等割の超過課税や、医療分の上限が66万円の市(金沢市・川口市・宇都宮市・奈良市など)の国保の上限の違いによるものです。
大きな例外は那覇市と市川市です。那覇市は協会けんぽ沖縄支部(9.44%)と料率が低い側なのに、分岐点は1,283万円で大阪市と並びます。後期分の上限に1,625万円まで届かないため、分岐点の付近でも個人の国保が上限より約6.5万円安く、法人化の利点が小さくなるからです。市川市も協会けんぽ千葉支部(9.73%)なのに分岐点は1,277万円で、同じ千葉支部の千葉市・船橋市・松戸市・柏市(1,260万円)より17万円高くなります。後期分の上限に1,366万円まで届かないためです。徳島市(1,291万円)も子ども・子育て支援金分を市独自に半額にしていて上限に届かず、料率が少し高い札幌市(1,284万円)より7万円高くなります。
国保料が最高の大阪市(1,283万円)と、600万円で最安の富山市(1,253万円)の差30万円は、ほぼ協会けんぽの料率の差(10.13%と9.59%)で説明できます。国保の部分だけを入れ替えると、大阪市1,270万円、富山市1,266万円で、差は4万円しかありません。協会けんぽの料率が最も低い新潟市が1,237万円で最も法人化しやすく、最も高い佐賀市の1,299万円とは62万円離れています。
理由は2つです。
第一に、分岐点は1,270万円前後にあり、そこでは国保がすでに限度額に張り付いています。 個人事業主側の自治体差は、この所得帯では(那覇市・市川市のような例外を除いて)消えています。
第二に、協会けんぽの料率には限度額のような頭打ちがありません。 法人側の負担差だけが最後まで残ります。
つまり法人化の判断に効くのは、住んでいる市区町村の国保料ではなく、事業所を置く都道府県の協会けんぽ料率だということです。都道府県別の料率は協会けんぽの健康保険料率、都道府県で年9万円違うで全47都道府県を掲載しています。
国保と法人化の関係については国民健康保険が高いから法人化、は所得次第で逆効果になるもあわせてご覧ください。
引っ越しで保険料は変わるか
変わります。国民健康保険料は住民票のある市区町村で決まります。
年度の途中で引っ越した場合は月割で精算されます。転出した月の前月分までが旧自治体、転入した月分からが新自治体です。二重に払うことはありません。
ただし保険料の安さだけを理由に引っ越す判断は現実的ではありません。事業所得600万円で最大24.6万円の差は確かに大きいのですが、引っ越し費用と生活の変化を考えると、他の理由と重なったときに検討する程度でしょう。
自治体ごとの計算過程は、東京23区の国民健康保険料の計算方法と大阪市の国民健康保険料はなぜ高いのかのほか、横浜市・川崎市・相模原市・さいたま市・千葉市・札幌市・仙台市・新潟市・静岡市・浜松市・名古屋市・京都市・神戸市・岡山市・北九州市・福岡市・熊本市・八王子市・船橋市・鹿児島市・川口市・松戸市・市川市・柏市・町田市・藤沢市・宇都宮市・豊田市・岐阜市・富山市・金沢市・姫路市・西宮市・尼崎市・倉敷市・松山市・高松市・大分市・長崎市・宮崎市・青森市・盛岡市・秋田市・山形市・福島市・水戸市・前橋市・長野市・福井市・津市・大津市・奈良市・和歌山市・松江市・広島市・山口市・徳島市・高知市・佐賀市・那覇市でも1市ずつ追っています(堺市は大阪府の統一保険料率で大阪市と同じ)。子どもがいる世帯の市独自の減額は子どもがいる世帯の国保は市で年27万円違うで比べています。
なお、住民票を移さずに料率の安い自治体の保険に入ることはできません。実際に居住していない自治体に住民票だけを置くことは住民基本台帳法に反します。
まとめ
- 国民健康保険料は市区町村ごとに決まる。令和8年度から子ども・子育て支援金分が加わり4区分になった
- 事業所得600万円の単身で、最高の大阪市80.8万円と最安の富山市56.2万円で年24.6万円の差。最安の市は所得帯で市川市・富山市・福岡市・那覇市が入れ替わる
- 差の主因は所得割の料率。福岡市9.00%〜長崎市12.92%で3.92ポイントの開き
- 世帯人数で順位が入れ替わる。 平等割が高く均等割が安い札幌市は、単身18位→4人世帯36位まで下がる
- 賦課限度額があるため、所得1,000万円では那覇市・福岡市・市川市・福井市・富山市・福島市を除く57市区が93.4万〜96.0万円に収まる
- 法人化の分岐点は国保料ではなく協会けんぽの料率でほぼ決まる。 分岐点の順位が協会けんぽ料率の順位とほぼ一致する
- 保険料は住民票のある自治体で決まる。引っ越せば月割で切り替わる
自分の自治体を選んで、法人化の損得がどう変わるか確かめてください。63市区は実データ、それ以外は東京23区と政令指定都市19市(広島市を除く)の料率の平均による概算で計算します。
よくある質問
引っ越すと保険料はいつから変わりますか?
転出した月の前月分までが旧自治体、転入した月分からが新自治体の保険料になります。月割で精算されるため、二重に払うことはありません。年度の途中で引っ越した場合、旧自治体から精算の通知が届き、新自治体からは残りの期間分の通知が届きます。
住民票を移さずに料率の安い自治体の保険に入れますか?
できません。国民健康保険は住民票のある市区町村で加入します。実際に居住していない自治体に住民票だけを置くことは住民基本台帳法に反します。保険料のために住所を偽ることは想定しないでください。
保険料が高すぎて払えない場合はどうすればよいですか?
まず市区町村の窓口に相談してください。前年より所得が大きく減った場合の減免、災害や失業による減免、分割納付など、自治体ごとに制度があります。放置すると延滞金が付き、保険証が短期証や資格証明書に切り替わることがあります。連絡すること自体に不利益はありません。
出典
本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。