社会保険

岐阜市の国民健康保険料(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,263万円

結論

岐阜市の令和8年度の国民健康保険料は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年64万2,031円で、東京23区(65万6,379円)より1.4万円、名古屋市(71万8,257円)より7.6万円安い水準です。医療分の所得割を8.00%から7.55%に下げたため、新設の子ども分を足しても令和7年度の料率で計算した65万3,089円より1.1万円安くなります。介護分の所得割1.62%は収録63市区で那覇市に次いで低く、40歳になったときの増加は600万円で年10.4万円(23区は15.3万円)です。単身・40歳未満なら、法人化の損益分岐は売上−経費1,263万円です。

  • 40歳未満の料率は所得割10.13%・均等割38,790円(18歳以上の110円を含む)・平等割39,000円
  • 前年度より安くなるのは単身なら事業所得817万円の手前まで(最大は796万円で1.6万円安い)。上限に届く人は上限の引き上げで高くなる
  • 協会けんぽ岐阜支部の健康保険料率は9.80%で、法人化の損益分岐は1,263万円。令和7年度の料率なら1,285万円だった

岐阜市の国保は、令和8年度に多くの人で前年度より安くなりました。医療分の所得割を8.00%から7.55%に0.45ポイント下げたためで、新しく加わった子ども・子育て支援金分を足しても、単身なら事業所得800万円くらいまでは前年度より安くなります。もう1つの特徴は介護分で、所得割1.62%は当サイトが収録する63市区の中で那覇市(1.56%)に次いで低い率です。

以下は、岐阜市の令和8年度の公表料率を当サイトの計算エンジンに入れた結果です。他の自治体との比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。

令和8年度の料率と、前年度からの変化

区分所得割均等割(1人)平等割(1世帯)賦課限度額
医療分7.55%(8.00%)28,580円(28,200円)28,800円(29,280円)67万円(66万円)
後期高齢者支援金分2.26%(2.37%)8,920円(8,760円)9,000円(9,240円)26万円
介護分(40〜64歳)1.62%(1.68%)7,980円(7,920円)6,100円(6,120円)17万円
子ども分(新設)0.32%1,180円+18歳以上110円1,200円3万円

※ 岐阜市 令和8年度の岐阜市国民健康保険料率が決まりました。カッコ内は令和7年度。子ども分は「子ども・子育て支援金分」

40歳未満の3区分を合わせると、所得割10.13%、均等割は大人1人38,790円、平等割は1世帯39,000円です。所得割は3区分とも下がり、均等割は少し上がりました。平等割の合計3万9,000円は、収録63市区の中では大阪市・堺市・札幌市・佐賀市・広島市に次ぐ高さです。

単身・事業所得600万円で年64.2万円

旧ただし書所得は600万円−43万円=557万円です。

区分所得割均等割平等割小計
医療分420,535円28,580円28,800円477,915円
後期分125,881円8,920円9,000円143,802円
子ども分17,824円1,290円1,200円20,314円
合計642,031円

年64万2,031円です。東京23区(65万6,379円)より1万4,348円安くなります。国民年金(年21万5,040円)を足すと85万7,071円です。

前年度より安くなる人、高くなる人

同じ所得の人を、令和7年度と令和8年度の料率で計算し直しました。

事業所得令和7年度令和8年度増減うち子ども分
300万円34.2万円33.8万円−0.4万円1.1万円
500万円54.9万円54.1万円−0.9万円1.7万円
600万円65.3万円64.2万円−1.1万円2.0万円
700万円75.7万円74.3万円−1.3万円2.4万円
800万円85.7万円84.5万円−1.3万円2.7万円
900万円88.1万円91.2万円+3.0万円3.0万円
1,200万円92.0万円96.0万円+4.0万円3.0万円

※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。所得が低く法定軽減(7割・5割・2割)に当たる世帯は、この表より安くなる

子ども分を除いた料率の改定だけを見ると、単身・事業所得600万円で3.1万円の引き下げです。そこに子ども分2.0万円が加わり、差し引き1.1万円安くなります。最も下がるのは事業所得796万円で、令和7年度の料率で医療分が上限に届く所得です。

前年度より高くなるのは単身なら事業所得817万円からです。令和7年度にすでに上限(医療66万円+後期26万円=92万円)に近かった人には所得割の引き下げが効かず、上限の引き上げと子ども分の上限3万円の新設だけが効くためです。家族がいると均等割の引き上げが人数分効くので、夫婦と子2人(小学生)では事業所得500万円で0.6万円の減少にとどまります。

介護分は収録63市区で那覇市に次いで低い

事業所得40歳未満40〜64歳増加東京23区の増加
300万円33.8万円39.4万円+5.6万円+8.0万円
500万円54.1万円62.9万円+8.8万円+12.9万円
600万円64.2万円74.6万円+10.4万円+15.3万円
700万円74.3万円86.4万円+12.1万円+17.0万円

※ 単身・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準

介護分の所得割は岐阜市1.62%、東京23区2.43%で、均等割も岐阜市7,980円、23区17,800円と大きく違います。40歳になったときの増加は、事業所得600万円で岐阜市10.4万円、23区15.3万円です。単身・事業所得600万円で比べた40歳からの増加は、収録63市区の中で那覇市に次いで岐阜市が小さくなります。

40〜64歳の単身・事業所得600万円なら、岐阜市は74.6万円、23区は80.9万円で、40歳未満のときの差1.4万円が6.3万円に広がります。

名古屋市より7.6万円安い

事業所得岐阜市名古屋市東京23区東京23区との差
200万円23.7万円25.1万円23.3万円+0.4万円
300万円33.8万円36.8万円33.9万円−0.1万円
500万円54.1万円60.2万円55.1万円−1.0万円
600万円64.2万円71.8万円65.6万円−1.4万円
700万円74.3万円83.5万円76.2万円−1.9万円
800万円84.5万円90.3万円86.8万円−2.3万円
900万円91.2万円93.1万円95.3万円−4.1万円
1,000万円93.4万円95.7万円95.8万円−2.4万円

※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準

名古屋市とは事業所得106万円より上で岐阜市のほうが安く、600万円で7.6万円、700万円で9.2万円の差です。名古屋市の内訳は名古屋市の国民健康保険料にあります。23区とは事業所得282万円より上で岐阜市が安くなり、差は909万円で最大の4.2万円です。収録63市区の中では、単身・事業所得600万円で47番目(高い順)です。

家族の保険料

世帯(40歳未満)岐阜市東京23区東京23区との差
夫婦・事業所得500万円58.0万円61.8万円−3.8万円
夫婦+子2人(小学生)・300万円45.2万円53.6万円−8.5万円
夫婦+子2人(小学生)・500万円65.5万円74.8万円−9.4万円
夫婦+子2人(小学生)・700万円85.7万円94.6万円−8.9万円

※ 配偶者・子は無収入。青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準

平等割が高いぶん均等割は23区の6割弱で、無収入の配偶者が加わったときの増加は年3.9万円です(23区は6.7万円)。家族が多いほど23区との差が開きます。

上限は1,115万円で届く

単身・40歳未満で区分ごとに上限に届く所得は次のとおりです。

  • 医療分(67万円):事業所得855万円
  • 後期分(26万円):1,115万円
  • 全区分の合計(96万円):1,115万円

後期分の所得割が2.26%と低いため、後期分の上限にはなかなか届きません。事業所得900万〜1,100万円では、医療分が頭打ちでも後期分と子ども分が増え続けます。

法人化の分岐点は1,263万円

条件損益分岐(売上−経費)
東京23区・協会けんぽ東京支部(単身)1,266万円
岐阜市の国保のみ(協会けんぽは東京支部・単身)1,266万円
岐阜市・協会けんぽ岐阜支部(単身)1,263万円
岐阜市・配偶者(無収入)あり1,016万円
岐阜市・単身・40〜64歳1,241万円
参考:令和7年度の岐阜市の料率(岐阜支部・単身)1,285万円

※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準

分岐点の付近(青色申告特別控除後で1,200万円前後)では岐阜市の国保も上限の96万円に届いているので、国保だけを置き換えても分岐点は23区と同じ1,266万円です。協会けんぽ岐阜支部の健康保険料率9.80%(東京支部9.85%)で3万円下がり、1,263万円になります。

多くの人の国保が前年度より安くなったのに、分岐点は令和7年度の料率より22万円下がっています。分岐点の付近の人は、上限が92万円から96万円に上がったことで、前年度より負担が増える側にいるからです。

まとめ

  • 岐阜市の令和8年度の国保料は、所得割10.13%・均等割38,790円・平等割39,000円(40歳未満)
  • 単身・事業所得600万円で年64万2,031円。東京23区より1.4万円、名古屋市より7.6万円安い
  • 医療分の所得割を8.00%→7.55%に下げ、子ども分を足しても単身・600万円で前年度より1.1万円安い
  • 介護分の所得割1.62%は収録63市区で那覇市に次いで低く、40歳からの増加は600万円で10.4万円
  • 法人化の分岐点は1,263万円(令和7年度の料率なら1,285万円)

岐阜市の国保は、40代以降の個人事業主にとって特に軽い作りです。法人化の判断は、年齢と家族構成を入れたうえで自分の売上と経費で確かめてください。

よくある質問

岐阜市の国民健康保険料率はいつ決まりますか?

令和8年度の料率は令和8年6月1日に告示されました。市は毎年度、料率が決まった時点でホームページに公表しています。

岐阜市の子ども・子育て支援金分の18歳以上均等割はいくらですか?

18歳以上の加入者1人につき110円です。均等割1,180円と合わせて1人1,290円になります。18歳未満の加入者は子ども・子育て支援金分の均等割が全額軽減されます。

岐阜市の未就学児の均等割は軽減されますか?

未就学児の医療分と後期高齢者支援金分の均等割が半額になります。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。