社会保険
熊本市の国民健康保険料(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,276万円
結論
熊本市の令和8年度の国民健康保険料は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年60万3,049円で、収録63市区の中で安いほうから8番目の水準です。ただし介護分(40〜64歳)は所得割2.94%・均等割20,300円と高く、40歳になったときの増加は事業所得300万円で年9.6万円(収録63市区で尼崎市に次いで2番目)、500万円で15.5万円(4番目)と大きくなります。単身・40歳未満なら、法人化の損益分岐は売上−経費1,276万円です。
- 40歳未満の所得割の合計は9.57%、均等割は大人1人43,400円、平等割は1世帯26,600円。医療分の所得割6.34%が低い
- 単身・40歳未満で上限の年96万円に届くのは事業所得1,175万円。介護分は553万円で上限の17万円に達する
- 法人化の損益分岐は熊本市・協会けんぽ熊本支部で1,276万円。熊本支部の料率10.08%が東京支部より高い
このテーマの全体像 国民健康保険料の自治体別比較
熊本市の国保は、当サイトが実データを持つ63市区の中で安いほうから8番目の水準です。単身・事業所得600万円で東京23区より5.3万円安くなります。ただし40歳を過ぎると話が変わります。介護分の均等割と所得割が高く、40歳になったときの保険料の上がり幅は、事業所得300万円で収録63市区の中で尼崎市に次いで2番目、500万円でも4番目に大きいからです。
以下は、熊本市の令和8年度の公表料率を当サイトの計算エンジンに入れた結果です。市区ごとの比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。
令和8年度の料率
| 区分 | 所得割 | 均等割(1人) | 平等割(1世帯) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 6.34% | 28,400円 | 18,100円 | 67万円 |
| 後期支援分 | 2.98% | 13,300円 | 8,500円 | 26万円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.94% | 20,300円 | なし | 17万円 |
| 子ども分 | 0.25% | 1,700円(18歳以上) | なし | 3万円 |
※ 熊本市 国民健康保険 保険料について。子ども分は「子ども・子育て支援金分」(令和8年度に新設)。子ども分の均等割は18歳以上1人1,700円、18歳未満は0円
40歳未満の3区分を合わせると、所得割9.57%、均等割は大人1人43,400円、平等割は1世帯26,600円です。医療分の所得割6.34%は、福岡市(5.58%)・福井市(6.15%)・福島市(6.20%)に次いで低い率です。
所得割は、前年の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた「基準総所得金額」に掛けます。扶養控除や社会保険料控除などは入りません。個人事業主なら、青色申告特別控除を引いた後の事業所得が出発点です。
単身・事業所得600万円で年60.3万円
基準総所得金額は600万円−43万円=557万円です。
| 区分 | 所得割 | 均等割 | 平等割 | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 353,138円 | 28,400円 | 18,100円 | 399,638円 |
| 後期支援分 | 165,986円 | 13,300円 | 8,500円 | 187,786円 |
| 子ども分 | 13,925円 | 1,700円 | — | 15,625円 |
| 合計 | 603,049円 |
年60万3,049円です。国民年金(年21万5,040円)を足すと81万8,089円になります。東京23区(65万6,379円)より5万3,330円安い計算です。
40歳になると、上がり幅は収録63市区で上位に入る
介護分は40〜64歳の加入者にかかります。熊本市の介護分は所得割2.94%・均等割20,300円で、収録63市区の中では、均等割は最も高く、所得割は尼崎市(3.11%)・山口市(3.10%)・奈良市(3.03%)に次いで4番目に高い水準です(東京23区は2.43%・17,800円)。
| 事業所得 | 40歳未満 | 40〜64歳 | 40歳での増加 | 東京23区の増加 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 31.6万円 | 41.2万円 | +9.6万円 | +8.0万円 |
| 500万円 | 50.7万円 | 66.2万円 | +15.5万円 | +12.9万円 |
| 600万円 | 60.3万円 | 77.3万円 | +17.0万円 | +15.3万円 |
| 700万円 | 69.9万円 | 86.9万円 | +17.0万円 | +17.0万円 |
※ 熊本市・単身・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準
事業所得300万円では、40歳での増加が収録63市区の中で尼崎市に次いで2番目に大きくなりました。500万円では尼崎市・山口市・奈良市に次いで4番目です。熊本市は介護分の所得割が高いので、介護分が上限の17万円に届くのも早く、事業所得553万円で頭打ちです。そこから先は、どの市も上限の17万円で並びます。
その結果、40歳未満では東京23区より4.3万円安かった事業所得500万円の保険料が、40〜64歳では66.2万円と、東京23区(67.9万円)より1.7万円安いだけになります。**40代・50代の個人事業主にとって、熊本市の国保の安さは半分以下に縮みます。**介護分の市ごとの差は40歳で国保はいくら上がる?介護分を市区別に比較にまとめています。
所得別では、872万円で東京23区との差が最大
| 事業所得 | 熊本市 | 福岡市 | 東京23区 | 東京23区との差 |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 12.5万円 | 11.2万円 | 12.7万円 | −0.3万円 |
| 300万円 | 31.6万円 | 29.2万円 | 33.9万円 | −2.3万円 |
| 500万円 | 50.7万円 | 47.2万円 | 55.1万円 | −4.3万円 |
| 600万円 | 60.3万円 | 56.2万円 | 65.6万円 | −5.3万円 |
| 700万円 | 69.9万円 | 65.2万円 | 76.2万円 | −6.3万円 |
| 800万円 | 79.4万円 | 74.2万円 | 86.8万円 | −7.4万円 |
| 900万円 | 87.3万円 | 80.3万円 | 95.3万円 | −8.0万円 |
| 1,000万円 | 93.9万円 | 86.1万円 | 95.8万円 | −1.9万円 |
※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準
40歳未満の単身なら、どの所得でも東京23区より安く、差は事業所得872万円で最大の8.9万円です。872万円は東京23区の医療分が上限に届く所得で、そこからは東京23区が頭打ちになり、熊本市はまだ伸びるので差が縮みます。収録63市区の中では、事業所得300万円と1,000万円で55番目、600万円で56番目(安いほうから9番目・8番目)です。福岡市とは、どの所得でも熊本市が少し高く、事業所得600万円で4.1万円の差です。
家族1人の増加は年4.3万円
| 世帯 | 事業所得300万円 | 500万円 | 700万円 | 1,000万円 |
|---|---|---|---|---|
| 単身・40歳未満 | 31.6万円 | 50.7万円 | 69.9万円 | 93.9万円 |
| 夫婦・40歳未満 | 35.9万円 | 55.1万円 | 74.2万円 | 95.7万円 |
| 夫婦+子2人(小学生) | 44.3万円 | 63.4万円 | 82.6万円 | 95.7万円 |
| 単身・40〜64歳 | 41.2万円 | 66.2万円 | 86.9万円 | 110.9万円 |
※ 熊本市・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。介護分は本人のみで計算
無収入の配偶者が加わると、事業所得500万円で年4.3万円増えます(東京23区は6.7万円)。子どもは小学生なら1人4.2万円、未就学児なら均等割が5割減額されて2.1万円です。夫婦と子2人・事業所得500万円では年63.4万円で、東京23区(74.8万円)より11.4万円安くなります。
なお、配偶者が40〜64歳なら配偶者の介護分の均等割もかかります。当サイトの計算は本人の介護分だけを数えているので、夫婦とも40代以上の世帯では、熊本市の保険料は表より高くなります。
上限に届くのは単身で1,175万円
単身・40歳未満の場合、後期支援分は843万円、医療分は1,027万円で上限に達し、全区分の合計が年96万円に届くのは1,175万円です。医療分の所得割が低いぶん、全区分の上限に届く所得は福岡市と並び、収録63市区の中で9番目に遅い水準です(最も遅いのは子ども分の所得割が低い徳島市の2,455万円)。40〜64歳の上限は年113万円です。
法人化の分岐点は1,276万円
| 条件 | 損益分岐(売上−経費) |
|---|---|
| 東京23区・協会けんぽ東京支部(単身) | 1,266万円 |
| 熊本市の国保のみ(協会けんぽは東京支部・単身) | 1,266万円 |
| 熊本市・協会けんぽ熊本支部(単身) | 1,276万円 |
| 熊本市・配偶者(無収入)あり | 1,016万円 |
| 熊本市・単身・40〜64歳 | 1,252万円 |
※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準
国保の部分だけを熊本市に置き換えても、分岐点は東京23区と同じ1,266万円です。分岐点の付近(青色申告特別控除後で1,200万円前後)では、熊本市の国保も上限に届いているためです。
10万円上がるのは、協会けんぽ熊本支部の令和8年度の健康保険料率が**10.08%**と、東京支部(9.85%)より0.23ポイント高いからです。国保が安い市でも、法人化した後の健康保険料は県の協会けんぽの料率で決まります。都道府県別の料率は協会けんぽの健康保険料率、都道府県で年9万円違うにまとめています。
同じ南九州の鹿児島市は所得割が11.49%と高く、単身・事業所得600万円なら熊本市より年11.7万円高くなります(鹿児島市の国民健康保険税)。
まとめ
- 熊本市の令和8年度の国保は、所得割9.57%・均等割43,400円・平等割26,600円(40歳未満)
- 単身・事業所得600万円で年60万3,049円。収録63市区で8番目に安く、東京23区より5.3万円安い
- 介護分は所得割2.94%・均等割20,300円と高く、40歳での上がり幅は事業所得300万円で尼崎市に次いで収録63市区の2番目、500万円で4番目
- 40〜64歳の単身・事業所得500万円では、東京23区との差は1.7万円まで縮む
- 法人化の分岐点は1,276万円。協会けんぽ熊本支部の料率10.08%が効く
国保の安さは、年齢によって大きく変わります。法人化の判断は、年齢と家族構成を入れて、自分の売上と経費で確かめてください。
よくある質問
熊本市の国保は区で違いますか?
違いません。料率は市内5区で共通です。加入・計算・軽減の手続きは区役所区民課で行います。
熊本市で子どもがいる世帯の軽減はありますか?
未就学児の均等割が5割減額され、法定軽減と合わせると7割軽減世帯は8.5割、5割軽減世帯は7.5割、2割軽減世帯は6割の減額になります。18歳未満の子どもは子ども分の均等割が10割軽減されます。子どもの人数を理由とする減免は、市の減免の一覧にはありません。
熊本市の「1割減免」とは何ですか?
国保の加入者が3人以上で、世帯の基準総所得金額が100万円以下の場合に、保険料の1割相当額を減免する熊本市の制度です。対象世帯には申請書が郵送されます。
出典
本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。