社会保険

40歳で国保はいくら上がる?介護分を63市区で比べると年7.1万円差

結論

40歳になると国民健康保険料に介護分が加わり、事業所得600万円・単身なら、収録63市区のうち横浜市・神戸市・尼崎市など9市で上限の年17.0万円、最も低い那覇市で年9.9万円です。上限17万円に達する事業所得は尼崎市の531万円から那覇市の1,054万円まで開きがあり、それより上の所得ではどの市でも年17万円になります。

  • 東京23区の介護分は所得割2.43%・均等割1万7,800円で、事業所得300万円なら年8.0万円、670万円で上限17万円に達する
  • 所得が0円でも、均等割(と市によっては平等割)だけで年1.2万〜2.1万円の介護分がかかる
  • 法人化した場合の介護保険料は標準報酬月額の1.62%(労使折半)。役員報酬月54万円で労使計年10万3,032円、本人負担は5万1,516円

40歳の誕生日を迎えると、国民健康保険料が一段上がります。介護保険の保険料(介護分)が上乗せされるためです。上乗せの額は住んでいる市によって違い、同じ事業所得600万円でも年6万円を超える差が出ます。

40歳から加わる「介護分」とは

国民健康保険料は、医療分・後期高齢者支援金分・子ども子育て支援金分の3つに、40〜64歳の人だけ介護分を加えて計算します。

介護保険法第9条は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者を介護保険の第2号被保険者と定めています。国保に入っている個人事業主は、40歳に達すると第2号被保険者になり、その保険料を国保料と一緒に払う仕組みです。65歳以上は第1号被保険者になり、介護保険料は国保とは別に市区町村へ納めます。

介護分も、医療分と同じく3つの要素でできています。

  • 所得割:国保の算定に使う所得(事業所得から43万円を引いた額)×料率
  • 均等割:加入者1人ごとの定額
  • 平等割:1世帯ごとの定額(市によっては、ない)

合計には**年17万円の上限(賦課限度額)**があります。これは収録63市区で同じでした。

63市区の介護分:事業所得600万円で9.9万〜17.0万円

当サイトが令和8年度の料率を確認している63市区で、介護分を計算しました。単身・40〜64歳です。事業所得は青色申告特別控除を引いた後の額です。

自治体所得割率均等割平等割事業所得300万円600万円1,000万円上限17万円に達する事業所得
横浜市2.84%16,200円なし8.9万円17.0万円17.0万円585万円
神戸市2.78%13,970円6,880円9.2万円17.0万円17.0万円580万円
北九州市2.90%9,550円8,220円9.2万円17.0万円17.0万円568万円
熊本市2.94%20,300円なし9.6万円17.0万円17.0万円553万円
尼崎市3.11%12,391円6,026円9.8万円17.0万円17.0万円531万円
秋田市2.88%8,950円8,570円9.2万円17.0万円17.0万円573万円
津市2.90%12,500円6,000円9.3万円17.0万円17.0万円566万円
奈良市3.03%16,900円なし9.5万円17.0万円17.0万円549万円
山口市3.10%9,200円6,100円9.5万円17.0万円17.0万円543万円
姫路市2.70%12,930円6,390円8.9万円17.0万円17.0万円602万円
福井市2.72%11,400円6,000円8.7万円16.9万円17.0万円605万円
西宮市2.66%13,080円6,720円8.8万円16.8万円17.0万円608万円
青森市2.74%9,260円4,540円8.4万円16.6万円17.0万円614万円
松山市2.70%9,960円5,880円8.5万円16.6万円17.0万円614万円
長崎市2.70%9,500円5,400円8.4万円16.5万円17.0万円618万円
川崎市2.67%15,828円なし8.4万円16.5万円17.0万円621万円
和歌山市2.65%10,800円5,760円8.5万円16.4万円17.0万円623万円
徳島市2.60%12,500円6,400円8.6万円16.4万円17.0万円625万円
大阪市2.60%18,682円なし8.6万円16.4万円17.0万円625万円
堺市2.60%18,682円なし8.6万円16.4万円17.0万円625万円
福岡市2.61%10,160円7,751円8.5万円16.3万円17.0万円626万円
岡山市2.60%10,920円5,280円8.3万円16.1万円17.0万円635万円
長野市2.60%8,760円7,080円8.3万円16.1万円17.0万円636万円
藤沢市2.57%12,120円4,920円8.3万円16.0万円17.0万円639万円
千葉市2.57%16,560円なし8.3万円16.0万円17.0万円641万円
広島市2.52%10,443円7,860円8.3万円15.9万円17.0万円645万円
前橋市2.50%12,200円6,200円8.3万円15.8万円17.0万円650万円
京都市2.51%11,090円5,370円8.1万円15.6万円17.0万円655万円
高知市2.54%14,400円なし8.0万円15.6万円17.0万円656万円
鹿児島市2.47%12,000円6,100円8.2万円15.6万円17.0万円658万円
大分市2.48%10,100円6,000円8.0万円15.4万円17.0万円664万円
新潟市2.50%14,100円なし7.8万円15.3万円17.0万円667万円
金沢市2.42%12,360円6,000円8.1万円15.3万円17.0万円670万円
東京23区2.43%17,800円なし8.0万円15.3万円17.0万円670万円
仙台市2.44%9,440円7,070円7.9万円15.2万円17.0万円673万円
盛岡市2.50%6,400円6,700円7.7万円15.2万円17.0万円671万円
八王子市2.41%18,000円なし8.0万円15.2万円17.0万円674万円
大津市2.40%11,100円5,400円7.8万円15.0万円17.0万円683万円
福島市2.40%10,400円5,800円7.8万円15.0万円17.0万円684万円
松江市2.38%11,280円5,640円7.8万円14.9万円17.0万円687万円
川口市2.36%17,000円なし7.8万円14.8万円17.0万円692万円
水戸市2.37%16,300円なし7.7万円14.8万円17.0万円692万円
静岡市2.33%18,400円なし7.8万円14.8万円17.0万円694万円
さいたま市2.37%16,100円なし7.7万円14.8万円17.0万円693万円
相模原市2.32%12,000円6,000円7.8万円14.7万円17.0万円699万円
名古屋市2.34%16,120円なし7.6万円14.6万円17.0万円701万円
富山市2.30%9,500円6,500円7.5万円14.4万円17.0万円713万円
松戸市2.26%18,000円なし7.6万円14.4万円17.0万円716万円
札幌市2.33%6,020円7,550円7.3万円14.3万円17.0万円715万円
倉敷市2.30%9,470円5,380円7.4万円14.3万円17.0万円718万円
豊田市2.24%11,800円5,800円7.5万円14.2万円17.0万円724万円
宇都宮市2.24%10,800円6,600円7.5万円14.2万円17.0万円725万円
柏市2.17%16,260円なし7.2万円13.7万円17.0万円752万円
宮崎市2.20%9,100円5,000円7.1万円13.7万円17.0万円752万円
高松市2.16%9,400円4,600円7.0万円13.4万円17.0万円766万円
佐賀市2.10%10,700円5,500円7.0万円13.3万円17.0万円776万円
町田市2.08%15,500円なし6.9万円13.1万円17.0万円786万円
山形市2.08%13,600円なし6.7万円12.9万円17.0万円795万円
市川市2.05%13,600円なし6.6万円12.8万円17.0万円806万円
浜松市1.90%14,500円なし6.3万円12.0万円17.0万円862万円
船橋市1.88%13,900円なし6.2万円11.9万円17.0万円874万円
岐阜市1.62%7,980円6,100円5.6万円10.4万円16.9万円1,006万円
那覇市1.56%7,700円4,600円5.2万円9.9万円16.2万円1,054万円

※ 単身・40〜64歳・令和8年度。600万円の列の高い順。上限に達する事業所得は1万円刻みで計算。姫路市の600万円は169,710円で、表示は17.0万円でも上限の手前です

事業所得600万円の列で見ると、横浜市・神戸市・北九州市・熊本市・尼崎市・秋田市・津市・奈良市・山口市の9市はすでに上限の17.0万円です。最も低い那覇市は9.9万円で、差は年7.1万円あります。所得割率は尼崎市の3.11%が最も高く、那覇市の1.56%が最も低くなっています。那覇市に次いで低いのは岐阜市の1.62%と船橋市の1.88%です。

一方、事業所得1,000万円の列は、那覇市(16.2万円)と岐阜市(16.9万円)を除いてすべて17.0万円です。上限に達する所得は尼崎市の531万円から那覇市の1,054万円までばらつきますが、それを超えれば、どこに住んでいても40歳からの上乗せは年17万円で同じになります。

所得が低い人でも介護分はゼロになりません。均等割と平等割は所得に関係なくかかるため、事業所得0円でも年1.2万〜2.1万円です。

法人化した場合の介護保険料と比べる

法人化して役員報酬を受けると、健康保険(協会けんぽ)の被保険者として介護保険料を払います。率は全国一律の1.62%(令和8年度)で、会社と本人が半分ずつ負担します。

役員報酬(月)介護保険料(労使計・年)うち本人負担(年)
月20万円38,880円19,440円
月30万円58,320円29,160円
月40万円79,704円39,852円
月54万円103,032円51,516円
月70万円138,024円69,012円
月100万円190,512円95,256円

※ 協会けんぽ東京支部。賞与なし

協会けんぽの介護保険料には、国保のような年17万円の上限がありません(標準報酬月額の上限で止まるだけです)。それでも、役員報酬月54万円なら労使計で年10.3万円、本人負担は5.2万円です。

国保の介護分が上限の17万円に達する所得帯の人が法人化すると、40歳からの上乗せ分だけで見れば、負担はむしろ軽くなります。法人化の損益分岐で見ると、当サイトの基本条件(東京23区・単身)では、40歳未満の事業所得1,266万円に対して40〜59歳は1,243万円で、23万円低くなります。法人側の介護保険料の増え方と手取りへの影響は40歳で法人化すると介護保険料はいくら増えるで詳しく計算しています。

住む市で、40歳の負担増はここまで違う

介護分の差が大きく出るのは、事業所得がおおむね300万〜1,000万円の人です。この帯では、所得割率の違いがそのまま保険料の差になります。

  • 事業所得300万円:最も高い尼崎市9.8万円、最も低い那覇市5.2万円
  • 事業所得600万円:上限の9市17.0万円、最も低い那覇市9.9万円
  • 事業所得1,000万円:那覇市16.2万円、岐阜市16.9万円、ほかの61市区は17.0万円

40歳になる前後で法人化を考えている人は、国保の側で介護分がいくら増えるかを、自分の市の料率で確かめておくと比較がぶれません。医療分・支援金分を含めた国保料全体の市ごとの差は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にまとめています。

判定ツールでは、年齢区分を「40〜64歳」にすると、国保の介護分と協会けんぽの介護保険料の両方が計算に入ります。自分の売上と経費で確かめてください。

まとめ

  • 40歳に達すると介護保険の第2号被保険者になり、国保料に介護分(所得割・均等割・平等割)が加わる。上限は年17万円
  • 事業所得600万円・単身の介護分は、収録63市区で那覇市の9.9万円から上限の17.0万円まで、年7.1万円の差
  • 上限に達する事業所得は尼崎市531万円〜那覇市1,054万円。東京23区は670万円
  • 所得0円でも均等割・平等割で年1.2万〜2.1万円かかる
  • 法人化後の介護保険料は1.62%(労使折半)で、役員報酬月54万円なら本人負担は年5万1,516円

よくある質問

国保の介護分はいつから払いますか。

介護保険法第9条・第10条により、医療保険に加入している人は40歳に達したときに介護保険の第2号被保険者になり、国民健康保険料に介護分が加わります。65歳になると第1号被保険者になり、介護保険料は国保とは別に市区町村へ納めます。

配偶者も40歳以上なら、介護分は2人分かかりますか。

40〜64歳の家族が国保に加入していれば、その人数分の均等割がかかります。介護分の所得割は、世帯の中の40〜64歳の加入者の所得にかかり、上限は世帯全体で年17万円です。この記事の数字は単身で計算しています。

法人化すると40歳からの介護保険料は増えますか、減りますか。

個人事業主のままでも国保に介護分が加わるため、法人側だけが増えるわけではありません。どちらが重いかは所得と役員報酬で変わり、所得が高く国保の介護分が上限に達する人ほど、法人化した場合の介護保険料が相対的に軽くなります。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。