社会保険

高知市の国民健康保険料(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,274万円

結論

高知市は令和8年度、医療分の所得割を8.62%から8.08%、支援分を3.50%から2.84%に下げました。子ども・子育て支援金分が加わっても、単身・40歳未満・事業所得600万円の保険料は年68万9,672円と、令和7年度の料率で計算した73万9,284円より5.0万円安くなります。東京23区より3.3万円高く、収録63市区で28番目です。介護分は平等割を廃止し、均等割を8,400円から14,400円に上げました。法人化の損益分岐(協会けんぽ高知支部)は1,274万円です。

  • 40歳未満の料率は所得割11.20%・均等割32,832円(18歳以上の72円を含む)・平等割33,000円
  • 事業所得700万円までは前年度より安く、上限に届いていた800万円超の層は上限の引き上げで増える
  • 介護分は平等割6,600円をやめて均等割を14,400円に。40〜64歳が1人の世帯は600円下がり、2人の世帯は5,400円上がる

高知市は令和8年度、国保料の所得割を大きく下げました。医療分は8.62%から8.08%、支援分は3.50%から2.84%です。子ども・子育て支援金分が新しく加わっても、事業所得のある世帯の多くは前年度より安くなっています。

前年度の料率は、市の「令和7年度版 国保料のしおり」(現在は削除され、Internet Archive の保存で確認)によります。他の自治体との比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。

令和8年度の料率と前年度からの変化

区分令和7年度令和8年度
医療分8.62%・24,000円・25,200円8.08%・22,800円・24,000円
支援分3.50%・7,200円・7,800円2.84%・8,400円・9,000円
介護分(40〜64歳)2.76%・8,400円・6,600円2.54%・14,400円・なし
子ども分—0.28%・1,560円+18歳以上72円・なし
医療分の限度額66万円67万円

※ 所得割・均等割・平等割の順。高知市 国民健康保険料について、令和7年度版・令和8年度版 国保料のしおり。支援分は後期高齢者支援金分、子ども分は子ども・子育て支援金分

40歳未満の3区分を合わせると、所得割11.20%、均等割は大人1人32,832円、平等割は1世帯33,000円です。医療分は所得割・均等割・平等割のすべてを下げ、支援分は所得割を下げて均等割・平等割を上げています。

700万円までは前年度より安い

単身・40歳未満令和7年度令和8年度増減うち子ども分
事業所得300万円37.6万円35.4万円−2.2万円0.9万円
500万円61.8万円57.8万円−4.0万円1.4万円
600万円73.9万円69.0万円−5.0万円1.7万円
700万円86.0万円80.2万円−5.9万円2.0万円
800万円92.0万円91.4万円−0.6万円2.3万円
900万円92.0万円95.6万円+3.6万円2.6万円
1,000万円92.0万円95.8万円+3.8万円2.8万円

※ 計算エンジンに令和7年度の料率を入れた比較(scripts/kokuho-zennendo-hikaku.mjs)。令和7年度に子ども分はない

事業所得600万円では、子ども分の1.7万円を足しても5.0万円安くなります。子ども分を除けば6.7万円の引き下げです。一方、令和7年度の料率で上限92万円に届いていた事業所得800万円超の層は、上限の引き上げ(医療分1万円・子ども分3万円)で増えます。

夫婦と小学生の子2人の世帯でも、事業所得600万円で4.8万円安くなります(83.3万円→78.5万円)。

介護分は平等割をやめて均等割に寄せた

介護分は、平等割6,600円を廃止し、均等割を8,400円から14,400円に上げました。所得割も2.76%から2.54%に下がっています。定額部分だけを比べると、40〜64歳の人数によって増減が分かれます。

世帯の40〜64歳の人数令和7年度の定額部分令和8年度の定額部分増減
1人15,000円14,400円−600円
2人23,400円28,800円+5,400円

※ 介護分の均等割×人数+平等割。所得割は別

40〜64歳の単身なら、介護分も含めて事業所得600万円で6.2万円安くなります(90.8万円→84.6万円)。夫婦がともに40〜64歳の世帯では、介護分の定額部分は5,400円増えます。医療分・支援分・介護分の所得割の引き下げと合わせた増減は、世帯の所得で変わります。

単身・事業所得600万円で年69.0万円

旧ただし書所得は600万円−43万円=557万円です。

区分所得割均等割平等割小計
医療分450,056円22,800円24,000円496,856円
支援分158,188円8,400円9,000円175,588円
子ども分15,596円1,632円—17,228円
合計689,672円

年68万9,672円で、東京23区(65万6,379円)より3万3,293円高くなります。国民年金(年21万5,040円)を足すと90万4,712円です。

事業所得高知市松山市東京23区東京23区との差
300万円35.4万円34.7万円33.9万円+1.5万円
500万円57.8万円56.8万円55.1万円+2.7万円
700万円80.2万円78.8万円76.2万円+3.9万円
800万円91.4万円89.8万円86.8万円+4.6万円
900万円95.6万円95.0万円95.3万円+0.3万円
1,000万円95.8万円95.3万円95.8万円+0.1万円

※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。所得が低く法定軽減(7割・5割・2割)に当たる世帯は、この表より安くなる

前年度より下がっても、23区より安くなる所得はありません。差は事業所得814万円で最大の4.7万円です。医療分は815万円、全区分の合計96万円は1,057万円で上限に届きます。同じ四国の松山市とは857万円まで高知市のほうが少し高く、差は1.6万円以内です(松山市の国民健康保険料)。

家族が増えたときの増加は、配偶者(無収入)で年3.3万円、小学生の子1人で3.1万円、未就学児1人で1.6万円です(事業所得500万円)。

法人化の分岐点は1,274万円

条件損益分岐(売上−経費)
東京23区・協会けんぽ東京支部(単身)1,266万円
高知市の国保のみ(協会けんぽは東京支部・単身)1,266万円
高知市・協会けんぽ高知支部(単身)1,274万円
高知市・配偶者(無収入)あり1,016万円
高知市・単身・40〜64歳1,252万円
参考:令和7年度の料率で計算した場合(単身)1,296万円

※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準

協会けんぽ高知支部の健康保険料率10.05%が東京支部(9.85%)より高いぶん、分岐点は23区より8万円高くなります。国保だけを令和7年度の料率に戻すと1,296万円でした。中所得の国保は下がりましたが、分岐点の付近(青色申告特別控除後で1,200万円前後)では上限が4万円上がったことのほうが効き、分岐点は22万円下がっています。

まとめ

  • 高知市は令和8年度、医療分の所得割を8.62%→8.08%、支援分を3.50%→2.84%に下げた
  • 単身・事業所得600万円で年68万9,672円。前年度の料率より5.0万円安く、東京23区より3.3万円高い
  • 700万円までは前年度より安く、上限に届く800万円超の層は増える
  • 介護分は平等割をやめて均等割に寄せた。40〜64歳が2人の世帯は定額部分が5,400円増える
  • 法人化の分岐点は1,274万円で、令和7年度の料率より22万円低い

高知市の令和8年度の改定は、中所得の個人事業主の負担を軽くする一方、上限に届く高所得層の負担を増やしました。法人化の判断は、自分の売上と経費で確かめてください。

よくある質問

高知市の子ども・子育て支援金分はいくらですか?

所得割0.28%、均等割1,560円、18歳以上均等割72円、限度額3万円で、平等割はありません。均等割と18歳以上均等割は18歳未満の被保険者には賦課されません。

高知市の国保料は何回に分けて払いますか?

普通徴収の場合、4月から翌年3月までの1年間の国保料を、6月から翌年3月までの10回で納めます。

高知市に母子家庭や障がい者向けの国保料の独自減額はありますか?

市のページには、母子家庭や障がいの有無により国保料を減額することはできないと書かれています。所得の低い世帯の7・5・2割減額、未就学児の均等割軽減などの全国共通の制度は使えます。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。