社会保険

松山市の国民健康保険料(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,273万円

結論

松山市の令和8年度の国民健康保険料は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年67万7,930円です。医療分の所得割が8.5%から7.6%に下がったため、同じ所得を令和7年度の料率で計算した71万2,530円より3万4,600円安くなります。ただし上限が92万円から96万円に上がったので、事業所得900万円以上の人は前年度より3万円ほど高くなります。単身・40歳未満なら、法人化の損益分岐は売上−経費1,273万円です。

  • 40歳未満の料率は所得割11.02%・均等割35,796円・平等割28,320円。東京23区より所得割は0.44ポイント高く、均等割は3万円ほど低い
  • 前年度より安くなるのは単身なら事業所得828万円の手前まで(最大は767万円で4.6万円安い)。子ども分の所得割が0.22%と低く、全区分の上限には1,335万円まで届かない
  • 協会けんぽ愛媛支部の健康保険料率は9.98%で、法人化の損益分岐は1,273万円。令和7年度の料率なら1,293万円だった

松山市の国保は、令和8年度に多くの人で前年度より安くなりました。医療分の所得割を8.5%から7.6%に0.9ポイント下げ、均等割を少し上げる組み替えをしたためです。新しく加わった子ども・子育て支援金分を足しても、単身なら事業所得828万円の手前までの人は前年度より安くなります。上がるのは上限に届く高所得の人です。

以下は、松山市の令和8年度の公表料率を当サイトの計算エンジンに入れた結果です。他の自治体との比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。

令和8年度の料率と、前年度からの変化

区分所得割均等割(1人)平等割(1世帯)最高限度額
医療分7.6%(8.5%)25,200円(24,120円)19,920円(20,040円)67万円(66万円)
支援分3.2%(3.2%)9,600円(9,120円)7,800円(7,560円)26万円(26万円)
介護分(40〜64歳)2.7%(2.7%)9,960円(9,480円)5,880円(5,880円)17万円(17万円)
子ども分(新設)0.22%996円(18〜74歳のみ)600円3万円

※ 松山市 令和8年度・令和7年度の松山市国保料。カッコ内は令和7年度。子ども分は「子ども・子育て支援金分」

40歳未満の3区分を合わせると、所得割11.02%、均等割は大人1人35,796円、平等割は1世帯28,320円です。東京23区(所得割10.58%・均等割67,073円・平等割なし)と比べると、所得割は0.44ポイント高く、均等割は3万円ほど低い作りです。

単身・事業所得600万円で年67.8万円

旧ただし書所得は600万円−43万円=557万円です。

区分所得割均等割平等割小計
医療分423,320円25,200円19,920円468,440円
支援分178,240円9,600円7,800円195,640円
子ども分12,254円996円600円13,850円
合計677,930円

年67万7,930円です。東京23区(65万6,379円)より2万1,551円高くなります。国民年金(年21万5,040円)を足すと89万2,970円です。40〜64歳なら介護分16万6,230円が加わり、84万4,160円になります。

前年度より安くなる人、高くなる人

同じ所得の人を、令和7年度と令和8年度の料率で計算し直しました。

事業所得令和7年度令和8年度増減うち子ども分
200万円24.5万円23.7万円−0.7万円0.5万円
300万円36.2万円34.7万円−1.4万円0.7万円
500万円59.6万円56.8万円−2.8万円1.2万円
600万円71.3万円67.8万円−3.5万円1.4万円
700万円83.0万円78.8万円−4.1万円1.6万円
800万円91.9万円89.8万円−2.1万円1.8万円
900万円92.0万円95.0万円+3.0万円2.0万円
1,000万円92.0万円95.3万円+3.3万円2.3万円
1,200万円92.0万円95.7万円+3.7万円2.7万円

※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。所得が低く法定軽減(7割・5割・2割)に当たる世帯は、この表より安くなる

最も下がるのは事業所得767万円で、4.6万円安くなります。令和7年度の料率で医療分が上限に届く所得がここです。所得割が0.9ポイント下がった効果は所得に比例して大きくなるため、上限に届く手前の層ほど恩恵があります。

逆に、令和7年度にすでに上限(医療66万円+支援26万円=92万円)に届いていた人には、所得割の引き下げは効きません。効くのは上限の引き上げ(医療分+1万円)と子ども分の追加だけなので、事業所得900万円以上では3万円以上高くなります。単身で前年度より高くなるのは事業所得828万円からです(子ども分を除いた料率の組み替えだけなら853万円から)。

家族がいても傾向は同じです。夫婦と子2人(小学生)なら、事業所得500万円で2.2万円安く、800万円以上では2.9万〜3.8万円高くなります。

子ども分の上限は1,335万円まで届かない

単身・40歳未満で区分ごとに上限に届く所得は次のとおりです。

  • 支援分(26万円):事業所得802万円
  • 医療分(67万円):866万円
  • 全区分の合計(96万円):1,335万円

医療分と支援分は900万円前に上限に届きますが、全区分の上限に届くのは1,335万円です。子ども分の所得割が0.22%と低いため、子ども分の上限3万円に届くまで時間がかかるからです。事業所得900万〜1,300万円の間では、医療分と支援分は頭打ちのまま、子ども分だけが所得に応じて少しずつ増えます。

40歳になると介護分が加わり、事業所得600万円で年16.6万円増えます(東京23区は15.3万円)。

高松市より、800万円までは安い

事業所得松山市高松市東京23区東京23区との差
200万円23.7万円27.0万円23.3万円+0.4万円
300万円34.7万円39.8万円33.9万円+0.8万円
500万円56.8万円65.3万円55.1万円+1.7万円
600万円67.8万円78.1万円65.6万円+2.2万円
700万円78.8万円87.6万円76.2万円+2.6万円
800万円89.8万円90.5万円86.8万円+3.0万円
900万円95.0万円93.4万円95.3万円−0.2万円
1,000万円95.3万円95.9万円95.8万円−0.5万円

※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準

四国の県庁所在市どうしで比べると、高松市は医療分の所得割が9.88%と高く、事業所得600万円で松山市より10.3万円高くなります。高松市の内訳は高松市の国民健康保険料にあります。東京23区とは事業所得801万円で差が最大の3.0万円になり、900万円を超えると23区のほうがわずかに高くなります。収録63市区の中では、単身・事業所得600万円で32番目(高い順)と、ちょうど真ん中です。

高知市は令和8年度に所得割を大きく下げ、事業所得857万円までは松山市より少し高い程度(差は1.6万円以内)まで近づきました(高知市の国民健康保険料)。徳島市は子ども分を市独自に半額にしています(徳島市の国民健康保険料)。

家族がいると、均等割が低いぶん23区より安くなります。夫婦と子2人(小学生)・事業所得500万円では年67.3万円で、23区(74.8万円)より7.5万円安い水準です。無収入の配偶者が加わったときの増加は、松山市が3.6万円、23区が6.7万円です。

法人化の分岐点は1,273万円

条件損益分岐(売上−経費)
東京23区・協会けんぽ東京支部(単身)1,266万円
松山市の国保のみ(協会けんぽは東京支部・単身)1,267万円
松山市・協会けんぽ愛媛支部(単身)1,273万円
松山市・配偶者(無収入)あり1,016万円
松山市・単身・40〜64歳1,250万円
参考:令和7年度の松山市の料率(愛媛支部・単身)1,293万円

※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準

多くの人で国保が安くなったのに、分岐点は令和7年度の料率より20万円下がっています。分岐点の付近(青色申告特別控除後で1,200万円前後)の人は、上限が92万円から96万円近くに上がったことで、前年度より負担が重くなる側にいるからです。法人化の判断に効くのは、所得割の引き下げではなく上限の引き上げです。

協会けんぽ愛媛支部の令和8年度の健康保険料率は9.98%で、東京支部(9.85%)より0.13ポイント高く、分岐点を6万円押し上げています。

まとめ

  • 松山市の令和8年度の国保料は、所得割11.02%・均等割35,796円・平等割28,320円(40歳未満)
  • 単身・事業所得600万円で年67万7,930円。医療分の所得割が8.5%→7.6%に下がり、前年度より3.5万円安い
  • 前年度より安くなるのは単身で事業所得828万円の手前まで。900万円以上は上限の引き上げで3万円以上高い
  • 子ども分の所得割が低く、全区分の上限には1,335万円まで届かない
  • 法人化の分岐点は1,273万円。令和7年度の料率なら1,293万円で、上限の引き上げが分岐点を下げた

松山市の国保は、中間の所得層には軽くなり、高所得層には重くなった年です。法人化の判断は、家族構成を入れたうえで自分の売上と経費で確かめてください。

よくある質問

松山市の子ども分の国保料は子どもにもかかりますか?

均等割は18歳から74歳の加入者だけにかかり、1人996円です。18歳になった年度の末までは子ども分の均等割はかかりません。所得割0.22%と平等割600円は世帯にかかります。

松山市の未就学児の均等割は減額されますか?

未就学児(年度末までに6歳になる子を含む)の均等割は、所得制限なしで一律5割軽減されます。手続きは不要です。低所得世帯の軽減を受けている場合は、軽減後の均等割額がさらに2分の1になります。

松山市の国保料の上限はいくらですか?

令和8年度は医療分67万円、支援分26万円、介護分17万円、子ども分3万円で、合計113万円です。令和7年度は医療分66万円で合計109万円でした。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。