社会保険
大分市の国民健康保険税(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,276万円
結論
大分市の令和8年度の国民健康保険税は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年72万5,019円で、東京23区(65万6,379円)より6.9万円高く、収録63市区の中で14番目に高い水準です。平成24年度から維持してきた税率を令和8年度に改定し、均等割を中心に引き上げたため、同じ所得を令和7年度の税率で計算した68万7,298円より3万7,721円増えます。市は令和10年度まで段階的に改定する予定です。単身・40歳未満なら、法人化の損益分岐は売上−経費1,276万円です。
- 40歳未満の税率は所得割11.67%・均等割41,400円(18歳以上の100円を含む)・平等割33,600円。医療分は事業所得751万円で上限に届く
- 前年度より単身・600万円で3.8万円、夫婦と子2人・500万円で5.2万円増える。増加の半分は新設の子ども分
- 協会けんぽ大分支部の健康保険料率は10.08%で、法人化の損益分岐は1,276万円。令和7年度の税率なら1,298万円だった
このテーマの全体像 国民健康保険料の自治体別比較
大分市の国保は、九州の県庁所在市7市の中ではちょうど真ん中(4番目)ですが、東京23区よりは高い水準です。所得割の合計が11.67%と東京23区より1ポイント以上高く、そのうえ令和8年度は、平成24年度から14年間据え置いてきた税率を改定しました。市は令和10年度まで段階的に改定する予定としており、令和8年度はその1年目です。
以下は、大分市の令和8年度の公表税率を当サイトの計算エンジンに入れた結果です。他の自治体との比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。
令和8年度の税率と、前年度からの変化
| 区分 | 所得割 | 均等割(1人) | 平等割(1世帯) | 課税限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 8.68%(8.65%) | 30,600円(26,500円) | 25,400円(25,700円) | 67万円(66万円) |
| 支援分 | 2.68%(2.49%) | 9,700円(7,700円) | 7,500円(6,900円) | 26万円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.48%(2.50%) | 10,100円(8,700円) | 6,000円(5,900円) | 17万円 |
| 子ども分(新設) | 0.31% | 1,000円+18歳以上100円 | 700円 | 3万円 |
※ 大分市 令和8年度国民健康保険税の税率を改定します/国保税の税率と税額の求め方。カッコ内は令和7年度。子ども分は「子ども子育て分」
40歳未満の3区分を合わせると、所得割11.67%、均等割は大人1人41,400円、平等割は1世帯33,600円です。改定の中心は均等割で、医療分は1人4,100円、支援分は2,000円上がりました。所得割は医療分が0.03ポイント、支援分が0.19ポイントの引き上げにとどまり、介護分はわずかに下がっています。
単身・事業所得600万円で年72.5万円
旧ただし書所得は600万円−43万円=557万円です。
| 区分 | 所得割 | 均等割 | 平等割 | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 483,476円 | 30,600円 | 25,400円 | 539,476円 |
| 支援分 | 149,276円 | 9,700円 | 7,500円 | 166,476円 |
| 子ども分 | 17,267円 | 1,100円 | 700円 | 19,067円 |
| 合計 | 725,019円 |
年72万5,019円です。東京23区(65万6,379円)より6万8,640円高くなります。国民年金(年21万5,040円)を足すと94万59円です。40〜64歳なら介護分15万4,236円が加わり、87万9,255円になります。
前年度の税率より3.8万円増える
同じ所得の人を、令和7年度と令和8年度の税率で計算し直しました。
| 事業所得 | 令和7年度 | 令和8年度 | 増加 | うち子ども分 |
|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 24.2万円 | 25.8万円 | +1.7万円 | 0.7万円 |
| 300万円 | 35.3万円 | 37.5万円 | +2.2万円 | 1.0万円 |
| 500万円 | 57.6万円 | 60.8万円 | +3.2万円 | 1.6万円 |
| 600万円 | 68.7万円 | 72.5万円 | +3.8万円 | 1.9万円 |
| 700万円 | 79.9万円 | 84.2万円 | +4.3万円 | 2.2万円 |
| 800万円 | 86.3万円 | 91.5万円 | +5.2万円 | 2.5万円 |
| 900万円 | 88.8万円 | 94.5万円 | +5.7万円 | 2.8万円 |
| 1,000万円 | 91.3万円 | 96.0万円 | +4.7万円 | 3.0万円 |
※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。所得が低く法定軽減(7割・5割・2割)に当たる世帯は、この表より安くなる
事業所得600万円の増加3.8万円のうち、1.9万円が新設の子ども分で、残りの1.9万円が税率の改定によるものです。増え方が最も大きいのは事業所得900万円前後で、支援分の所得割の引き上げと上限の引き上げ(医療分66万円→67万円、子ども分3万円の新設)が重なります。
家族がいると、均等割の引き上げが人数分効きます。夫婦と子2人(小学生)では、事業所得500万円で67.8万円から73.0万円へ5.2万円増えます。
市は「急激な変動を緩和するため令和8年度から令和10年度にかけて、段階的に行う予定」としています。令和9年度・令和10年度の税率はまだ公表されていません。
北九州市とほぼ同じ、九州の県庁所在市では真ん中
| 事業所得 | 大分市 | 北九州市 | 東京23区 | 東京23区との差 |
|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 25.8万円 | 26.1万円 | 23.3万円 | +2.5万円 |
| 300万円 | 37.5万円 | 38.0万円 | 33.9万円 | +3.6万円 |
| 500万円 | 60.8万円 | 62.0万円 | 55.1万円 | +5.8万円 |
| 600万円 | 72.5万円 | 74.0万円 | 65.6万円 | +6.9万円 |
| 700万円 | 84.2万円 | 86.0万円 | 76.2万円 | +8.0万円 |
| 800万円 | 91.5万円 | 95.3万円 | 86.8万円 | +4.7万円 |
| 900万円 | 94.5万円 | 95.6万円 | 95.3万円 | −0.7万円 |
| 1,000万円 | 96.0万円 | 95.9万円 | 95.8万円 | +0.2万円 |
※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準
東京23区との差は事業所得750万円で最大の8.5万円になります。医療分の所得割が8.68%と高く、医療分の上限67万円に751万円で届くためです。その先は23区も上限に近づいて差が縮み、863万円から900万円台の一部では23区のほうがわずかに高くなります。
九州の他の市と単身・事業所得600万円で比べると、長崎市78.6万円、佐賀市75.7万円、北九州市74.0万円、宮崎市73.4万円、大分市72.5万円、鹿児島市72.0万円、熊本市60.3万円、福岡市56.2万円です。大分市は北九州市とほぼ同じ高さで、福岡市より16.3万円高くなります。北九州市の内訳は北九州市の国民健康保険料にあります。
収録63市区の中では、単身・事業所得300万円で13番目、600万円で14番目に高い水準です。
家族の増え方は23区より小さい
| 世帯 | 事業所得300万円 | 500万円 | 700万円 | 1,000万円 |
|---|---|---|---|---|
| 単身・40歳未満 | 37.5万円 | 60.8万円 | 84.2万円 | 96.0万円 |
| 夫婦・40歳未満 | 41.6万円 | 65.0万円 | 88.3万円 | 96.0万円 |
| 夫婦+子2人(小学生) | 49.7万円 | 73.0万円 | 91.6万円 | 96.0万円 |
| 単身・40〜64歳 | 45.5万円 | 73.8万円 | 101.2万円 | 113.0万円 |
※ 大分市・配偶者と子は無収入。青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。介護分は本人のみ
無収入の配偶者が加わると年4.1万円増えます(東京23区は6.7万円)。夫婦と子2人・事業所得500万円では73.0万円で、23区(74.8万円)より1.8万円安くなります。単身では23区より5.8万円高かったのが、家族4人では逆転します。均等割が23区より2.5万円ほど低いためです。
40歳になると介護分が加わり、事業所得600万円で年15.4万円増えます(23区は15.3万円)。
法人化の分岐点は1,276万円
| 条件 | 損益分岐(売上−経費) |
|---|---|
| 東京23区・協会けんぽ東京支部(単身) | 1,266万円 |
| 大分市の国保のみ(協会けんぽは東京支部・単身) | 1,266万円 |
| 大分市・協会けんぽ大分支部(単身) | 1,276万円 |
| 大分市・配偶者(無収入)あり | 1,016万円 |
| 大分市・単身・40〜64歳 | 1,252万円 |
| 参考:令和7年度の大分市の税率(大分支部・単身) | 1,298万円 |
※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準
大分市の国保は全区分の上限に953万円で届くので、分岐点の付近(青色申告特別控除後で1,200万円前後)では23区と同じ年96万円です。国保だけを置き換えても分岐点は1,266万円のままで、協会けんぽ大分支部の健康保険料率10.08%(東京支部9.85%)が分岐点を10万円押し上げています。
令和7年度の税率なら分岐点は1,298万円でした。上限が医療66万円+支援26万円=92万円から96万円に上がり、分岐点の付近の人の負担が年4万円増えたことで、22万円下がっています。
まとめ
- 大分市の令和8年度の国保税は、所得割11.67%・均等割41,400円・平等割33,600円(40歳未満)
- 単身・事業所得600万円で年72万5,019円。東京23区より6.9万円高く、収録63市区で14番目
- 平成24年度以来の改定で、前年度の税率より単身・600万円で3.8万円、家族4人・500万円で5.2万円増える
- 市は令和10年度まで段階的に改定する予定。令和9年度以降の税率は未公表
- 法人化の分岐点は1,276万円(令和7年度の税率なら1,298万円)
大分市の国保は、令和10年度まで段階的な改定が予定されています。法人化の判断は、家族構成を入れたうえで自分の売上と経費で確かめてください。
よくある質問
大分市の国民健康保険税はなぜ令和8年度に上がったのですか?
市は、平成24年度以来税率を維持してきたが、被保険者数の減少と1人あたり医療費の増加で保険税収入が不足し、赤字を補ってきた繰越金も減っているためと説明しています。急な変動を避けるため、令和8年度から令和10年度にかけて段階的に改定する予定です。
大分市の子ども子育て分は子どもにもかかりますか?
18歳未満(令和8年度は平成20年4月2日以後生まれ)の被保険者は、子ども子育て分の均等割が全額軽減されます。18歳以上均等割100円は18歳以上の被保険者だけにかかります。
大分市の未就学児の均等割は軽減されますか?
義務教育就学前の子どもの均等割額は5割軽減されます。7割・5割・2割軽減の対象世帯の子どもは、その軽減後の均等割額がさらに5割軽減されます。
出典
本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。