社会保険

大津市の国民健康保険料(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,266万円

結論

大津市の令和8年度の国民健康保険料は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年61万8,882円で、東京23区より3.7万円安く、収録63市区で13番目に安い水準です。市は財政調整基金の全額(約2億4,500万円)と令和7年度の決算剰余1億円を投じ、滋賀県が示した標準保険料率より低い料率にしています。標準保険料率で計算すると同じ条件で64万4,090円なので、年2.5万円低く抑えた計算です。法人化の損益分岐(協会けんぽ滋賀支部)は1,266万円です。

  • 40歳未満の料率は所得割9.85%・均等割43,447円(18歳以上の42円を含む)・平等割26,791円
  • 県の標準保険料率は医療分7.34%・32,135円・20,089円など。市の料率は医療分7.1%・30,900円・19,200円
  • 前年度の料率と比べると、子ども分を除けば600万円で0.6万円下がり、子ども分を足して1.0万円の増加

国民健康保険の保険料率は、都道府県が市町村ごとに「標準保険料率」を示し、市町村がそれを参考に決めます。大津市は令和8年度、標準保険料率より低い料率にするため、国保会計の財政調整基金を全額使いました。

この記事では、市の協議会資料に載っている標準保険料率と実際の料率の両方で計算し、基金の投入でいくら抑えられたかを示します。他の自治体との比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。

令和8年度の料率

区分所得割均等割(1人)平等割(1世帯)最高限度額
医療分7.1%30,900円19,200円67万円
支援分2.5%11,400円6,900円26万円
介護分(40〜64歳)2.4%11,100円5,400円17万円
子ども分0.25%1,105円+18歳以上42円691円3万円

※ 大津市 国民健康保険料の算定について。支援分は後期高齢者支援金分、子ども分は子ども・子育て支援金分。子ども分の均等割1,105円は高校生世代まで免除

40歳未満の3区分を合わせると、所得割9.85%、均等割は大人1人43,447円、平等割は1世帯26,791円です。

基金を全額使い、標準保険料率より低くした

市の協議会資料(令和8年5月20日)によると、令和8年度の料率は次の財源を投じて決めています。

  • 国保会計の財政調整基金の全額:約2億4,500万円
  • 令和7年度の決算剰余見込みのうち活用できる額:1億円
  • 合計:約3億4,500万円
区分県が示した標準保険料率大津市の料率
医療分7.34%・32,135円・20,089円7.1%・30,900円・19,200円
支援分2.65%・11,707円・7,319円2.5%・11,400円・6,900円
介護分2.49%・11,554円・5,683円2.4%・11,100円・5,400円
子ども分0.26%・1,196円・719円0.25%・1,147円・691円

※ 所得割・均等割(子ども分は18歳以上均等割を含む)・平等割の順。大津市国民健康保険事業の運営に関する協議会 資料1

標準保険料率で計算した場合と比べると、次のようになります。

世帯事業所得300万円600万円800万円
単身・40歳未満(大津市の料率)32.3万円61.9万円81.6万円
単身・40歳未満(標準保険料率)33.7万円64.4万円84.9万円
単身・40〜64歳(大津市の料率)40.2万円76.9万円98.6万円
単身・40〜64歳(標準保険料率)41.8万円80.0万円101.9万円

※ 計算エンジンで医療・支援・介護・子ども分を標準保険料率に差し替えた比較。上限は令和8年度の値/2026年(令和8年)分 基準

単身・40歳未満・事業所得600万円では、基金の投入で年2.5万円(40〜64歳なら3.1万円)低く抑えられています。ただし基金は全額使い切ったので、同じ手は来年度以降は使えません。資料も、令和7年度と比べて保険料が増額になる原因として医療費の増加と子ども・子育て支援金制度の開始を挙げています。

単身・事業所得600万円で年61.9万円

旧ただし書所得は600万円−43万円=557万円です。

区分所得割均等割平等割小計
医療分395,469円30,900円19,200円445,569円
支援分139,250円11,400円6,900円157,550円
子ども分13,925円1,147円691円15,763円
合計618,882円

年61万8,882円で、東京23区(65万6,379円)より3万7,497円安くなります。国民年金(年21万5,040円)を足すと83万3,922円です。40〜64歳なら介護分15万180円が加わり、76万9,062円になります。

前年度の料率(医療分7.1%・30,300円・19,800円、支援分2.6%・11,100円・7,500円)で同じ条件を計算すると60万8,989円で、令和8年度は1.0万円の増加です。子ども分(1万5,763円)を除けば0.6万円下がっています。

事業所得大津市京都市東京23区東京23区との差
300万円32.3万円34.6万円33.9万円−1.6万円
500万円52.0万円56.4万円55.1万円−3.0万円
700万円71.7万円78.1万円76.2万円−4.5万円
800万円81.6万円89.0万円86.8万円−5.2万円
900万円91.4万円94.0万円95.3万円−3.8万円
1,000万円95.3万円95.9万円95.8万円−0.4万円

※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。所得が低く法定軽減(7割・5割・2割)に当たる世帯は、この表より安くなる

どの所得でも23区より安く、差は事業所得871万円で最大の5.7万円です。隣の京都市よりも、どの所得でも安くなります(京都市の国民健康保険料)。医療分は917万円、全区分の合計96万円は1,170万円で上限に届きます。

家族が増えたときの増加は、配偶者(無収入)で年4.3万円、小学生の子1人で4.2万円、未就学児1人で2.1万円です(事業所得500万円)。

法人化の分岐点は1,266万円

条件損益分岐(売上−経費)
東京23区・協会けんぽ東京支部(単身)1,266万円
大津市・協会けんぽ滋賀支部(単身)1,266万円
大津市・配偶者(無収入)あり1,016万円
大津市・単身・40〜64歳1,245万円
参考:令和7年度の料率で計算した場合(単身)1,289万円

※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準

協会けんぽ滋賀支部の健康保険料率は9.88%で、東京支部(9.85%)とほぼ同じです。分岐点の付近(青色申告特別控除後で1,200万円前後)では大津市の国保も上限に近く、分岐点は23区と同じ1,266万円になります。

国保だけを令和7年度の料率に戻すと1,289万円でした。上限が医療分1万円と子ども分3万円で計4万円上がったぶん、分岐点は23万円下がっています。

まとめ

  • 大津市の令和8年度の国保料は、所得割9.85%・均等割43,447円・平等割26,791円(40歳未満)
  • 財政調整基金の全額など約3億4,500万円を投じ、県の標準保険料率より低い料率にした
  • 単身・事業所得600万円で年61万8,882円。標準保険料率より2.5万円、東京23区より3.7万円安い
  • 前年度より1.0万円増えたが、子ども分を除けば0.6万円下がった
  • 法人化の分岐点は1,266万円で、令和7年度の料率より23万円低い

大津市の料率は、基金を使い切って抑えた水準です。来年度以降は標準保険料率に近づく可能性があるので、法人化の判断は今年の数字だけでなく、自分の売上と経費で余裕を持って確かめてください。

よくある質問

大津市の子ども・子育て支援金分はいくらですか?

所得割0.25%、均等割1,105円(高校生世代までは免除)、18歳以上均等割42円、平等割691円、最高限度額3万円です。

大津市の国民健康保険料の最高限度額はいくらですか?

令和8年度は医療分67万円、後期高齢者支援金分26万円、介護分17万円、子ども・子育て支援金分3万円です。令和7年度は医療分が66万円でした。

大津市の料率は滋賀県の標準保険料率と同じですか?

同じではありません。令和8年度は、国保会計の財政調整基金の全額(約2億4,500万円)と令和7年度の決算剰余のうち1億円、合わせて約3億4,500万円を活用し、県が示した標準保険料率より低い料率にしています(市の協議会資料)。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。