社会保険
京都市の国民健康保険料(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,266万円
結論
京都市の令和8年度の国民健康保険料は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年67万2,396円です。所得割の合計は10.88%で東京23区(10.58%)より少し高く、差はどの所得でも年2.3万円以内です。大阪市(80万7,963円)とは13.6万円の差があります。法人化の損益分岐は京都市・協会けんぽ京都支部で1,266万円となり、東京23区と同じです。
- 均等割は大人1人41,610円、平等割は1世帯24,770円。配偶者が加わったときの増加は事業所得500万円で年4.2万円(東京23区は6.7万円)
- 単身・40歳未満で医療分は827万円、全区分は1,050万円で上限の年96万円に達する
- 協会けんぽ京都支部の健康保険料率は9.89%で東京支部(9.85%)とほぼ同じ。均等割も年7万円で、法人側の負担に差がない
このテーマの全体像 国民健康保険料の自治体別比較
京都市の国保は、隣の大阪市とはまったく違う水準にあります。単身・事業所得600万円で比べると、大阪市より13.6万円安く、東京23区との差は1.6万円しかありません。所得割の率が東京23区に近く、平等割も大阪市の半分ほどだからです。
以下は、京都市の令和8年度の公表料率を当サイトの計算エンジンに入れた結果です。自治体ごとの比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。
令和8年度の料率
| 区分 | 所得割 | 均等割(1人) | 平等割(1世帯) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 7.94% | 30,080円 | 17,930円 | 67万円 |
| 後期高齢者支援分 | 2.66% | 10,360円 | 6,180円 | 26万円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.51% | 11,090円 | 5,370円 | 17万円 |
| 子育て支援分 | 0.28% | 1,110円+18歳以上1人60円 | 660円 | 3万円 |
※ 京都市 令和8年度の保険料の計算方法について。子育て支援分は「子ども・子育て支援分」
40歳未満の3区分を合わせると、所得割10.88%、均等割は大人1人41,610円、平等割は1世帯24,770円です。
| 京都市 | 大阪市 | 東京23区 | |
|---|---|---|---|
| 所得割の合計 | 10.88% | 12.84% | 10.58% |
| 均等割(大人1人) | 41,610円 | 48,022円 | 67,073円 |
| 平等割(1世帯) | 24,770円 | 44,753円 | なし |
| 上限(40歳未満) | 96万円 | 95万円 | 96万円 |
※ 医療分+後期高齢者支援分+子ども・子育て支援分。介護分は除く/令和8年度
所得割は、世帯員それぞれの前年の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた額を合計し、率を掛けます。個人事業主なら青色申告特別控除を引いた後の事業所得が出発点です。
単身・事業所得600万円で年67.2万円
旧ただし書所得は600万円−43万円=557万円です。
| 区分 | 所得割 | 均等割 | 平等割 | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 442,258円 | 30,080円 | 17,930円 | 490,268円 |
| 後期高齢者支援分 | 148,162円 | 10,360円 | 6,180円 | 164,702円 |
| 子ども・子育て支援分 | 15,596円 | 1,170円 | 660円 | 17,426円 |
| 合計 | 672,396円 |
年67万2,396円です。国民年金(年21万5,040円)を足すと88万7,436円になります。東京23区(65万6,379円)より1万6,017円高く、大阪市(80万7,963円)より13万5,567円安い計算です。40〜64歳なら介護分が加わり82万8,663円になります。
所得別では、東京23区とほぼ同じ線を走る
| 事業所得 | 京都市 | 大阪市 | 東京23区 | 東京23区との差 |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 12.8万円 | 16.6万円 | 12.7万円 | +0.1万円 |
| 300万円 | 34.6万円 | 42.3万円 | 33.9万円 | +0.7万円 |
| 500万円 | 56.4万円 | 68.0万円 | 55.1万円 | +1.3万円 |
| 600万円 | 67.2万円 | 80.8万円 | 65.6万円 | +1.6万円 |
| 700万円 | 78.1万円 | 90.3万円 | 76.2万円 | +1.9万円 |
| 800万円 | 89.0万円 | 93.7万円 | 86.8万円 | +2.2万円 |
| 900万円 | 94.0万円 | 94.6万円 | 95.3万円 | −1.2万円 |
| 1,000万円 | 95.9万円 | 94.9万円 | 95.8万円 | +0.1万円 |
※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準
東京23区との差は、事業所得826万円で最大の2.3万円です。所得割の差が0.30ポイントしかないので、所得が増えても差はゆっくりとしか開きません。857万円を超えると東京23区のほうが一時的に高くなります。京都市の医療分が827万円で上限に届き、東京23区の医療分はその後も872万円まで伸びるためです。
大阪市との差は事業所得600万円で13.6万円と大きく、921万円で逆転するまで京都市のほうが安い状態が続きます。同じ関西でも、京都府と大阪府では国保の水準がまるで違います。大阪市の事情は大阪市の国民健康保険料はなぜ高いのかにまとめています。
収録63市区の中では、単身・事業所得300万円・600万円とも34番目(高い順)と、ほぼ真ん中です。
隣の大津市は所得割の合計が9.85%と低く、どの所得でも京都市より安くなります。600万円で5.3万円の差です(大津市の国民健康保険料)。
家族が増えたときの伸びは東京23区の6割
| 世帯 | 事業所得300万円 | 500万円 | 700万円 | 1,000万円 |
|---|---|---|---|---|
| 単身・40歳未満 | 34.6万円 | 56.4万円 | 78.1万円 | 95.9万円 |
| 夫婦・40歳未満 | 38.8万円 | 60.5万円 | 82.3万円 | 96.0万円 |
| 夫婦+子2人(小学生) | 46.8万円 | 68.6万円 | 90.4万円 | 96.0万円 |
| 単身・40〜64歳 | 42.7万円 | 69.5万円 | 95.1万円 | 112.9万円 |
※ 京都市・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。介護分は本人のみで計算
無収入の配偶者が加わると、事業所得500万円で年4.2万円増えます。東京23区は6.7万円なので、家族1人あたりの伸びは東京23区の6割ほどです。子どもは小学生なら1人4.0万円、未就学児は均等割が軽減されて2.0万円前後です。
その結果、夫婦と子2人・事業所得500万円では年68.6万円となり、東京23区(74.8万円)より6.2万円安くなります。単身では東京23区より1.3万円高かったので、家族がいると順序が入れ替わります。
京都市の料率ページでは、子どもや扶養家族を理由に所得割を減らす市独自の控除は案内されていません。軽減は、所得が低い世帯の均等割・平等割の法定減額(7割・5割・2割)と、未就学児の均等割の軽減、子ども・子育て支援分の子どもの均等割の全額減額です。
上限に達するのは単身で1,050万円
単身・40歳未満の場合、医療分は827万円、後期高齢者支援分は959万円で上限に達し、全区分の合計が年96万円に届くのは1,050万円です。40〜64歳の上限は年113万円で、同じ1,050万円で届きます。夫婦と子2人の世帯は842万円で医療分と支援分が両方上限になります。
法人化の分岐点は東京23区と同じ1,266万円
| 条件 | 損益分岐(売上−経費) |
|---|---|
| 東京23区・協会けんぽ東京支部(単身) | 1,266万円 |
| 京都市・協会けんぽ京都支部(単身) | 1,266万円 |
| 京都市・配偶者(無収入)あり | 1,016万円 |
| 京都市・単身・40〜64歳 | 1,245万円 |
※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準
収録63市区のうち、東京23区と分岐点が一致するのは京都市・八王子市・町田市・青森市・大津市です。八王子市と町田市は東京都にあるので同じ東京支部ですが、京都市は別の支部でありながら一致します。理由は2つあります。
1つ目は、分岐点の付近では、京都市も東京23区も国保が上限に張り付いていることです。個人のままの負担に差が残りません。
2つ目は、法人化した後の負担もほとんど同じことです。協会けんぽ京都支部の令和8年度の健康保険料率は9.89%で、東京支部の9.85%と0.04ポイントしか違いません。法人住民税の均等割も、京都府・京都市とも標準税率で年7万円です。大阪市(協会けんぽ大阪支部10.13%)の分岐点は1,283万円なので、京都市のほうが17万円低い所得から法人化の効果が出る計算です。
配偶者がいると分岐点は1,016万円まで下がります。配偶者の国民年金と国保の均等割が、法人化で社会保険の扶養に入ることで消えるためです。
まとめ
- 京都市の令和8年度の国保は、所得割10.88%・均等割41,610円・平等割24,770円(40歳未満)
- 単身・事業所得600万円で年67万2,396円。東京23区より1.6万円高く、大阪市より13.6万円安い
- 東京23区との差はどの所得でも2.3万円以内。家族が増えたときの伸びは東京23区の6割で、夫婦と子2人なら東京より安い
- 上限の年96万円に届くのは単身で1,050万円
- 法人化の分岐点は1,266万円で東京23区と同じ。協会けんぽ京都支部の料率が東京支部とほぼ同じため
京都と大阪のように隣り合う市でも、国保の水準と法人化の分岐点は変わります。自分の住む市と売上・経費を入れて確かめてください。
よくある質問
京都市の国保は区によって違いますか?
違いません。料率は市内11区で共通です。手続きは区役所・支所の市民総合窓口室保険年金担当で行います。
子ども・子育て支援分の18歳以上均等割とは何ですか?
子ども・子育て支援分の均等割1,110円に加えて、18歳以上の加入者(令和8年度は平成20年4月1日以前に生まれた人)に1人60円がかかる部分です。平成20年4月2日以降に生まれた子どもは、子ども・子育て支援分の均等割が全額減額されます。
京都市で所得が低いときの軽減はありますか?
世帯の所得が基準以下なら、平等割と均等割が7割・5割・2割減額されます(法定減額)。所得割は対象外で、申請は不要です。
出典
本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。