社会保険

札幌市の国民健康保険料(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,284万円

結論

札幌市の令和8年度の国民健康保険料は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年70万9,852円です。世帯ごとの平等割が4万3,550円と大きく、加入者1人ごとの均等割は2万7,980円と小さいため、単身では東京23区より5.3万円高い一方、夫婦と子2人・事業所得500万円では年67.7万円で東京23区より7.1万円安くなります。単身・40歳未満なら、法人化の損益分岐は売上−経費1,284万円です。

  • 家族が1人増えたときの増加は事業所得500万円で年2.8万円。東京23区(6.7万円)の半分以下
  • 単身・40歳未満で医療分は760万円、全区分は1,006万円で上限の年96万円に達する
  • 法人化の損益分岐は札幌市・協会けんぽ北海道支部で1,284万円。北海道支部の健康保険料率10.28%が効き、収録63市区で3番目に高い

札幌市の国保は、世帯ごとにかかる平等割が大きく、加入者1人ごとの均等割が小さいという形をしています。この形だと、単身の人は1人で平等割を丸ごと負うので重くなり、家族が多い世帯は1人あたりで見ると軽くなります。同じ所得でも、単身か家族持ちかで東京23区との大小が入れ替わります。

以下は、札幌市の令和8年度の公表料率を当サイトの計算エンジンに入れた結果です。ほかの市区と横に並べた比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。

令和8年度の料率

区分所得割均等割(1人)平等割(1世帯)賦課限度額
医療分8.61%20,550円32,540円67万円
後期高齢者支援金分2.56%6,330円10,010円26万円
介護分(40〜64歳)2.33%6,020円7,550円17万円
子育て支援金分0.29%1,100円(18歳以上)1,000円3万円

※ 札幌市 国民健康保険料の計算。子育て支援金分は「子ども・子育て支援金分」(札幌市の表記は子ども支援分)

40歳未満の3区分を合わせると、所得割11.46%、均等割は大人1人27,980円、平等割は1世帯43,550円です。東京23区(所得割10.58%・均等割67,073円・平等割なし)と比べると、均等割は4万円近く安く、その代わりに東京23区にない平等割が4.4万円あります。

所得割は、前年(令和7年)の所得から基礎控除43万円を引いた額に掛けます。個人事業主なら青色申告特別控除を引いた後の事業所得が出発点です。配偶者控除や扶養控除は入りません。

単身・事業所得600万円で年71.0万円

旧ただし書所得は600万円−43万円=557万円です。

区分所得割均等割平等割小計
医療分479,577円20,550円32,540円532,667円
後期高齢者支援金分142,592円6,330円10,010円158,932円
子ども・子育て支援金分16,152円1,100円1,000円18,253円
合計709,852円

※ 1円単位で計算。札幌市の通知は区分ごとに10円未満を切り捨てるため、数十円の違いが出ることがあります

年70万9,852円です。国民年金(年21万5,040円)を足すと92万4,892円になります。東京23区の同条件は65万6,379円なので、年5万3,473円高い計算です。40〜64歳になると介護分(均等割と平等割もある)が加わり、85万3,203円になります。

所得別では、759万円で東京23区との差が最大

事業所得札幌市仙台市東京23区東京23区との差
100万円13.7万円14.1万円12.7万円+0.9万円
300万円36.6万円36.5万円33.9万円+2.7万円
500万円59.5万円59.0万円55.1万円+4.5万円
600万円71.0万円70.2万円65.6万円+5.3万円
700万円82.4万円81.5万円76.2万円+6.2万円
800万円90.4万円92.7万円86.8万円+3.6万円
900万円93.3万円95.5万円95.3万円−2.0万円
1,000万円96.0万円95.8万円95.8万円+0.2万円

※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準

単身なら、収録63市区の中で事業所得300万円では19番目、600万円では18番目に高い水準です(600万円で最も高いのは大阪市・堺市)。東京23区との差は759万円で最大の6.7万円になり、847万円を超えると逆転します。札幌市は医療分の所得割8.61%が東京23区(7.51%)より高く、医療分が上限の67万円に760万円で届くからです。東京23区の医療分が上限に届くのは872万円なので、その間は東京23区だけが増え続けます。

同じ東北・北海道の政令市である仙台市とは、事業所得275万円までは札幌市が安く、それを超えると札幌市のほうが高くなります。差は600万円で0.8万円と小さく、800万〜900万円では札幌市が先に医療分の上限に届くため、逆に仙台市のほうが2万円あまり高くなります。

家族が1人増えても年2.8万円しか増えない

世帯事業所得300万円500万円700万円1,000万円
単身・40歳未満36.6万円59.5万円82.4万円96.0万円
夫婦・40歳未満39.4万円62.3万円85.2万円96.0万円
夫婦+子2人(小学生)44.8万円67.7万円89.6万円96.0万円
夫婦+子2人(未就学児)42.1万円65.0万円87.9万円96.0万円
単身・40〜64歳44.0万円71.5万円99.1万円113.0万円

※ 札幌市・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。介護分は本人のみで計算

無収入の配偶者が加わったときの増加は、事業所得500万円で年2.8万円です。東京23区では6.7万円増えます。子どもは小学生で1人2.7万円、未就学児なら均等割が5割軽減されて1.3万円です。

その結果、夫婦と子2人・事業所得500万円では年67.7万円となり、東京23区の74.8万円より7.1万円安くなります。単身では東京23区より4.5万円高かったので、家族の人数で大小が逆転します。

平等割は世帯に1回かかる定額なので、国保に入る人数で割ると単身世帯がいちばん重くなります。札幌市で単身・事業所得300万円なら、保険料36.6万円のうち4.4万円が平等割です。

上限に達するのは単身で事業所得1,006万円

単身・40歳未満の場合、医療分は760万円、後期高齢者支援金分は995万円で上限に達し、全区分の合計が年96万円に届くのは1,006万円です。40〜64歳は介護分17万円が加わり、上限は年113万円です。夫婦と子2人の世帯では、医療分と支援金分が921万円で両方とも上限になります。

法人化の分岐点は収録63市区で3番目に高い1,284万円

条件損益分岐(売上−経費)
東京23区・協会けんぽ東京支部1,266万円
札幌市の国保のみ(協会けんぽは東京支部)1,266万円
札幌市・協会けんぽ北海道支部1,284万円
札幌市・配偶者(無収入)あり1,016万円
札幌市・単身・40〜64歳1,262万円

※ 単身・40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準

国保の部分だけを札幌市に置き換えても、分岐点は東京23区と同じ1,266万円です。分岐点の付近では、どちらも国保が上限に張り付いているからです。

18万円上がる原因は、法人化した後に払う健康保険料にあります。協会けんぽ北海道支部の令和8年度の健康保険料率は**10.28%**で、東京支部(9.85%)より0.43ポイント高く、収録63市区のある都道府県の中では佐賀支部(10.55%)に次いで高い水準です。法人化すると役員報酬にこの料率がかかり、会社負担分と本人負担分の両方が増えます。都道府県別の料率は協会けんぽの健康保険料率、都道府県で年9万円違うにまとめています。

配偶者がいる場合は1,016万円まで下がります。配偶者の国民年金と国保の均等割が、法人化で社会保険の扶養に入ることで消えるためです。ただし札幌市は均等割が小さいので、家族の国保が消える効果は東京より小さくなります。

まとめ

  • 札幌市の令和8年度の国保は、所得割11.46%・均等割27,980円・平等割43,550円(40歳未満)
  • 単身・事業所得600万円で年70万9,852円。東京23区より5.3万円高く、収録63市区で18番目
  • 家族1人の増加は年2.8万円。夫婦と子2人・事業所得500万円では東京23区より7.1万円安い
  • 上限の年96万円に届くのは単身で1,006万円
  • 法人化の分岐点は1,284万円で収録63市区で3番目に高い(上は佐賀市・徳島市)。原因は国保ではなく協会けんぽ北海道支部の料率

国保が高いかどうかは、家族の人数で答えが変わります。法人化の判断は、家族構成と北海道の料率を入れて、自分の売上と経費で確かめてください。

よくある質問

札幌市の国保は区によって違いますか?

違いません。料率は市内10区で共通です。手続きや納付の相談は住んでいる区の区役所保険年金課で行います。

年度の途中で国保に入った・やめた場合はどうなりますか?

札幌市の保険料は加入していた月数で月割り計算します。年度途中に40歳・65歳・75歳になる人も月割りで区分が変わります。法人成りで社会保険に移った場合も、国保をやめた月の前月分までの計算に直されます。

子ども・子育て支援金分の均等割はいくらですか?

均等割1,000円に18歳以上の加入者1人100円を加えた1,100円を、18歳以上の加入者数に掛けます。これとは別に平等割が1世帯1,000円かかります。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。