社会保険
相模原市の国民健康保険税(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,269万円
結論
相模原市の令和8年度の国民健康保険税は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年61万4,077円です。所得割の合計9.81%は神奈川県の3政令市で最も低く、横浜市(68万4,873円)より7.1万円、川崎市(69万9,188円)より8.5万円安くなります。ただし令和8年度は税率が上がり、同じ所得を令和7年度の税率で計算した56.9万円より4.5万円高くなっています。単身・40歳未満なら、法人化の損益分岐は売上−経費1,269万円です。
- 均等割は大人1人41,860円、平等割は1世帯25,800円。介護分と子ども支援分にも平等割がある
- 横浜市・川崎市にある「16歳未満の子1人33万円」の所得割の減額は相模原市の案内にない。それでも夫婦と子2人・事業所得500万円なら横浜市より2.3万円安い
- 法人化の損益分岐は相模原市・協会けんぽ神奈川支部で1,269万円。横浜市・川崎市とほぼ同じ
このテーマの全体像 国民健康保険料の自治体別比較
相模原市の国保は、神奈川県の3つの政令市の中で最も低い水準です。単身・事業所得600万円で比べると、横浜市より7.1万円、川崎市より8.5万円安くなります。東京23区と比べても4.2万円安く、収録63市区の中では54番目(安いほうから10番目)です。
以下は、相模原市の令和8年度の税率を当サイトの計算エンジンに入れた結果です。前年度との比較は、同じ公式ページに並記されている令和7年度の税率で、同じ所得を計算し直したものです。自治体ごとの比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。
令和8年度の税率と前年度からの変化
| 区分 | 所得割 | 均等割(1人) | 平等割(1世帯) | 課税限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 6.75%(6.4%) | 29,000円(27,000円) | 18,000円(17,000円) | 67万円(66万円) |
| 後期支援分 | 2.78%(2.7%) | 11,500円(11,000円) | 7,000円(同) | 26万円(同) |
| 介護分(40〜64歳) | 2.32%(同) | 12,000円(11,500円) | 6,000円(同) | 17万円(同) |
| 子ども支援分 | 0.28%(なし) | 1,300円+18歳以上1人60円(なし) | 800円(なし) | 3万円(なし) |
※ 相模原市 令和8年度 国民健康保険税の税率等について。かっこ内は令和7年度。子ども支援分は「子ども・子育て支援金分」(令和8年度に新設)
40歳未満の3区分を合わせると、所得割9.81%、均等割は大人1人41,860円、平等割は1世帯25,800円です。
| 相模原市 | 横浜市 | 川崎市 | |
|---|---|---|---|
| 呼び方 | 国保税 | 国保料 | 国保料 |
| 所得割の合計 | 9.81% | 11.29% | 11.47% |
| 均等割(大人1人) | 41,860円 | 56,020円 | 60,309円 |
| 平等割(1世帯) | 25,800円 | なし | なし |
※ 医療分+後期支援分+子ども支援分。介護分は除く/令和8年度
所得割は横浜市より1.48ポイント低く、所得が増えるほど差が開きます。均等割と平等割を足した単身の固定部分は67,660円で、横浜市の56,020円より多いので、所得がごく低いうちだけは横浜市のほうが安くなります(事業所得122万円まで)。
所得割は、前年の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた額に掛けます。個人事業主なら、青色申告特別控除を引いた後の事業所得が出発点です。
単身・事業所得600万円で年61.4万円
所得割の基礎は600万円−43万円=557万円です。
| 区分 | 所得割 | 均等割 | 平等割 | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 375,975円 | 29,000円 | 18,000円 | 422,975円 |
| 後期支援分 | 154,846円 | 11,500円 | 7,000円 | 173,346円 |
| 子ども支援分 | 15,596円 | 1,360円 | 800円 | 17,756円 |
| 合計 | 614,077円 |
年61万4,077円です。国民年金(年21万5,040円)を足すと82万9,117円になります。東京23区(65万6,379円)より4万2,302円、横浜市(68万4,873円)より7万796円安い計算です。40〜64歳なら介護分が加わり76万1,301円になります。
前年度の税率と比べると4.5万円の増加
| 事業所得 | 令和7年度の税率 | 令和8年度の税率 | 増加 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 29.6万円 | 32.0万円 | +2.4万円 |
| 500万円 | 47.8万円 | 51.6万円 | +3.8万円 |
| 600万円 | 56.9万円 | 61.4万円 | +4.5万円 |
| 800万円 | 75.1万円 | 81.0万円 | +5.9万円 |
| 900万円 | 84.2万円 | 90.8万円 | +6.7万円 |
| 1,000万円 | 91.6万円 | 95.9万円 | +4.2万円 |
※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得。同じ所得を両年度の税率で計算/2026年(令和8年)分 基準
医療分の所得割が0.35ポイント、後期支援分が0.08ポイント上がり、子ども支援分も加わりました。上がり幅は事業所得900万円で最大の6.7万円です。相模原市は、国保財政に19億円の収支不足が見込まれるため税率を改定し、基金からの繰入れなどで改定率を抑えたと説明しています。夫婦と子2人・事業所得500万円では、59.2万円から63.9万円へ4.7万円増えます。
所得別では、871万円で東京23区との差が最大
| 事業所得 | 相模原市 | 横浜市 | 東京23区 | 東京23区との差 |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 12.4万円 | 12.0万円 | 12.7万円 | −0.4万円 |
| 300万円 | 32.0万円 | 34.6万円 | 33.9万円 | −1.9万円 |
| 500万円 | 51.6万円 | 57.2万円 | 55.1万円 | −3.5万円 |
| 600万円 | 61.4万円 | 68.5万円 | 65.6万円 | −4.2万円 |
| 700万円 | 71.2万円 | 79.8万円 | 76.2万円 | −5.0万円 |
| 800万円 | 81.0万円 | 90.9万円 | 86.8万円 | −5.8万円 |
| 900万円 | 90.8万円 | 93.8万円 | 95.3万円 | −4.4万円 |
| 1,000万円 | 95.9万円 | 96.0万円 | 95.8万円 | +0.1万円 |
※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準
東京23区との差は事業所得871万円で最大の6.3万円です。横浜市との差は800万円で9.9万円まで開き、医療分の上限に横浜市が先に届く900万円以降で縮みます。
子どもがいる世帯でも、横浜市より安い
| 世帯 | 事業所得300万円 | 500万円 | 700万円 | 1,000万円 |
|---|---|---|---|---|
| 単身・40歳未満 | 32.0万円 | 51.6万円 | 71.2万円 | 95.9万円 |
| 夫婦・40歳未満 | 36.2万円 | 55.8万円 | 75.4万円 | 96.0万円 |
| 夫婦+子2人(小学生) | 44.3万円 | 63.9万円 | 83.5万円 | 96.0万円 |
| 単身・40〜64歳 | 39.7万円 | 64.0万円 | 88.2万円 | 112.9万円 |
※ 相模原市・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。介護分は本人のみで計算
無収入の配偶者が加わると、事業所得500万円で年4.2万円増えます(東京23区は6.7万円)。子どもは小学生なら1人4.0万円、未就学児なら均等割が5割減額されて2.0万円です。
横浜市と川崎市には、16歳未満の子1人につき33万円を所得割の基礎から差し引く減額があります。相模原市の案内には同じ制度は載っていません。それでも、減額込みで比べた夫婦と子2人・事業所得500万円の保険料は、横浜市66.2万円、川崎市68.6万円に対して相模原市は63.9万円で、神奈川の3政令市の中で最も低いままです。所得割の率の差が、子どもの減額を上回っています。横浜市の減額の計算は横浜市の国民健康保険料の計算方法に載せています。
上限に達するのは単身で1,038万円
単身・40歳未満の場合、後期支援分は912万円、医療分は966万円で上限に達し、全区分の合計が年96万円に届くのは1,038万円です。40〜64歳の上限は年113万円です。
法人化の分岐点は1,269万円
| 条件 | 損益分岐(売上−経費) |
|---|---|
| 東京23区・協会けんぽ東京支部(単身) | 1,266万円 |
| 相模原市の国保のみ(協会けんぽは東京支部・単身) | 1,266万円 |
| 相模原市・協会けんぽ神奈川支部(単身) | 1,269万円 |
| 相模原市・配偶者(無収入)あり | 1,016万円 |
| 相模原市・単身・40〜64歳 | 1,245万円 |
※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準
国保税が横浜市より7万円安くても、法人化の分岐点はほとんど変わりません。分岐点の付近(青色申告特別控除後で1,200万円前後)では、相模原市も横浜市も上限に届いているからです。3万円上がるのは、協会けんぽ神奈川支部の令和8年度の健康保険料率(9.92%)が東京支部(9.85%)より高いことによります。横浜市の分岐点は、横浜みどり税の均等割を加えて1,272万円です。
隣の八王子市は所得割10.57%・均等割62,200円で、事業所得600万円なら相模原市より年3.7万円高くなります(八王子市の国民健康保険税)。
まとめ
- 相模原市は国民健康保険税。令和8年度は所得割9.81%・均等割41,860円・平等割25,800円(40歳未満)
- 単身・事業所得600万円で年61万4,077円。横浜市より7.1万円、川崎市より8.5万円安く、神奈川3市で最も低い
- 同じ所得を令和7年度の税率で計算した額より600万円で4.5万円、900万円で6.7万円高い
- 子どもの所得割の減額はないが、夫婦と子2人でも横浜市・川崎市より安い
- 法人化の分岐点は1,269万円。分岐点付近では国保税が上限にあり、横浜市・川崎市とほぼ同じ
同じ県の中でも、国保の負担は市で年7万円以上違います。法人化の判断は、住む市と自分の売上・経費を入れて確かめてください。
よくある質問
相模原市の国保は「税」と「料」のどちらですか?
国民健康保険税です。横浜市と川崎市は国民健康保険料なので、同じ神奈川県でも呼び方と根拠の法律が違います。所得割・均等割・平等割・限度額で計算する仕組みは同じです。
相模原市の国保税は区で違いますか?
違いません。税率は緑区・中央区・南区で共通です。
子ども支援分の均等割はいくらですか?
1人1,300円に、18歳以上の加入者1人60円を加えた額です。18歳未満(高校生世代まで)の加入者は、子ども支援分の均等割が全額免除されます。これとは別に平等割が1世帯800円かかります。
出典
本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。