社会保険

法人化1年目の標準報酬月額はいつ決まる?資格取得時決定

結論

法人化1年目の標準報酬月額は、給与実績ではなく、資格取得日に定めた役員報酬などを基に決まります。1月〜5月の加入ならその年8月まで、6月〜12月の加入なら翌年8月までが原則の適用期間です。

  • 被保険者資格取得届は、資格取得日から5日以内に提出する
  • 月給制は資格取得日現在の報酬を基に報酬月額を算定する
  • 6月1日以後の資格取得は、原則として翌年8月まで同じ等級が続く

法人化直後には、4月・5月・6月の給与実績がありません。そこで社会保険は、通常の定時決定とは別に「資格取得時決定」で最初の標準報酬月額を決めます。

設立時の役員報酬は、会社の損金だけでなく、最初の社会保険料の等級にも直結します。後から実績に合わせて自動精算される仕組みではありません。

最初の等級は、資格取得日の報酬で決まる

月給で報酬を定めた場合は、資格取得日現在の報酬額を基に報酬月額を算定します。役員報酬が月30万円なら、通勤手当など社会保険上の報酬に含まれるものも加えた額を届けます。

標準報酬月額は実額ではなく、等級表の幅に当てはめた金額です。報酬が等級の境目を1円超えるだけでも、健康保険料と厚生年金保険料は一段上がります。等級の一覧は標準報酬月額の等級表で確認できます。

加入月によって、同じ等級が続く期間が変わる

資格取得日資格取得時決定の適用期間
1月1日〜5月31日資格取得月からその年8月まで
6月1日〜12月31日資格取得月から翌年8月まで

6月設立と5月設立では、最初の等級が続く期間に約1年の差が出る可能性があります。6月以後に加入した人は、その年の算定基礎届の対象外になるためです。

固定的賃金を変更し、その後3か月の平均で2等級以上の差が出るなど随時改定の要件を満たせば、定時決定を待たずに変わることがあります。ただし役員報酬は法人税上も期中変更に制限があります。

被保険者資格取得届は5日以内

会社は資格取得日から5日以内に、被保険者資格取得届を日本年金機構へ提出します。一人会社でも、法人事業所は事業主だけの場合を含めて社会保険の適用対象です。

届出では基本給だけでなく、通勤手当や住宅手当など労働の対償として支払うものを含めます。実費弁償の出張旅費など、報酬に当たらないものまで混ぜないようにします。

設立時は税と社会保険を同じ表で見る

確認項目設立時に効くこと
法人税役員報酬を損金にできる範囲
所得税・住民税社長個人の給与所得
社会保険資格取得時決定の等級と会社・本人の両負担

役員報酬はいくらが最適かで年間手取りを比べたうえで、選んだ月額がどの標準報酬等級に入るかを確認してください。

まとめ

  • 法人化1年目は、資格取得日現在の報酬から最初の標準報酬月額を決める
  • 被保険者資格取得届の提出期限は資格取得日から5日以内
  • 6月1日以後の資格取得では、原則として翌年8月まで同じ等級が続く
  • 等級の境目では会社負担と本人負担が同時に増えるため、設立前に年額で比べる

一般的な報酬額ではなく、自分の売上・経費と設立月を入れて年間手取りを確かめてください。

よくある質問

法人設立直後は、3か月分の役員報酬が出るまで標準報酬月額を決められませんか?

待ちません。資格取得日現在の役員報酬などを基に資格取得時決定を行い、被保険者資格取得届を5日以内に提出します。

6月に法人化すると、4月から6月の平均で決まりますか?

新たに資格取得した人は資格取得時決定が先です。6月1日以後の資格取得なら、その等級は原則として翌年8月まで適用されます。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。