税金の基礎
法人税の中間申告は20万円超から?正確な境界は200,004円
12か月決算の法人税中間申告は「前期法人税20万円超」が目安ですが、先に12で割って端数を切り捨てるため正確な境界は200,004円です。期限、予定申告、仮決算も整理します。
法人税の中間申告は「前期の法人税が20万円を超えたら必要」と説明されます。12か月決算・6か月の中間期間ならよい目安ですが、1円単位の正確な境界ではありません。
国税庁が示す予定税額は、前期法人税額を前期の月数で割り、円未満を切り捨ててから、中間期間の月数を掛ける順序です。そのため、前期法人税額200,001〜200,003円でも予定税額は99,996円となり、中間申告は不要です。200,004円で初めて100,002円となり、10万円を超えます。
12か月決算なら200,004円が最初の「必要」
node scripts/houjinzei-chukan-shinkoku.mjs で公式の計算順序を再現しました。
| 前期の確定法人税額 | 予定税額 | 中間申告 |
|---|---|---|
| 190,000円 | 94,998円 | 不要 |
| 200,000円 | 99,996円 | 不要 |
| 200,001円 | 99,996円 | 不要 |
| 200,003円 | 99,996円 | 不要 |
| 200,004円 | 100,002円 | 必要 |
| 500,000円 | 249,996円 | 必要 |
| 1,000,000円 | 499,998円 | 必要 |
予定税額が10万円以下または0円なら、中間申告書を提出する必要はありません。「20万円超」という言い方は半額で考えた近似で、前期の月数や中間期間が6か月でない場合はそのまま使えません。
期限は上半期終了後2か月以内
事業年度が6か月を超える普通法人は、原則として事業年度開始から6か月を経過した日から2か月以内に中間申告・納付をします。
3月決算法人なら、4月1日から9月30日までが中間期間で、通常の期限は11月30日です。申告書だけでなく、納付も同じ期限です。休日に当たる場合は翌開庁日になります。
これは法人税の確定申告期限とは別に、期中へ1回増える資金流出です。前期法人税100万円なら、11月末に約50万円を用意します。
予定申告と仮決算の2つがある
中間申告には二つの方法があります。
| 方法 | 計算の基礎 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 予定申告 | 前期の確定法人税額 | 今期も前期と同程度、事務を増やしたくない |
| 仮決算 | 今期上半期6か月の実績 | 今期の利益が大きく落ちた、赤字になった |
仮決算は単なる売上予測ではありません。上半期を一つの事業年度とみなし、決算整理と税額計算をして期限内に申告します。予定税額より仮決算税額が大きい場合は仮決算による申告を選べないなど、提出条件もあります。
税額差が小さいと、会計・税務の作業コストの方が高くなることがあります。資金繰りと申告コストを並べて選びます。
提出しないと予定申告をしたものとみなされる
中間申告が必要な法人が期限までに申告書を出さなかった場合、期限日に予定申告をしたものとみなされます。無申告にすれば納付が消えるわけではありません。
納付が遅れれば延滞税の対象になり得ます。e-Taxのメッセージや税務署からの案内を待つだけでなく、前期申告書の「法人税額」と事業年度を使って自社で判定します。
消費税の48万円基準とは別
消費税の中間申告は、直前課税期間の確定消費税額(地方消費税を除く)が48万円を超えるかで回数が分かれます。法人税の10万円以下という予定税額基準とは別制度です。
法人住民税や法人事業税にも中間申告があります。国税の法人税だけを計算して、地方税分の資金を忘れないようにします。納付先と申告書も国税・都道府県・市町村で分かれます。
中間納付は追加税ではない
中間で納めた法人税は、年度末の確定法人税から差し引きます。年税額が80万円で中間納付が50万円なら、確定時の差額は30万円です。最終税額が中間納付を下回れば還付の対象になります。
したがって、税負担が年50万円増える制度ではなく、納税時期が前倒しになる制度です。ただし、売上入金より前に納期限が来る会社では資金拘束が重くなります。
まとめ
- 12か月決算・6か月中間なら「前期法人税20万円超」が目安
- 先に12で割って円未満を切り捨てるため、正確には200,004円から必要
- 予定税額10万円以下なら中間申告は不要
- 期限は原則、事業年度開始から6か月経過後の2か月以内
- 今期上半期の利益が落ちたときは仮決算による中間申告を検討する
- 中間納付額は確定税額から控除され、追加の税ではない
よくある質問
前期の法人税が20万円ちょうどなら中間申告は必要ですか?
12か月決算で通常の6か月中間期間なら不要です。予定税額が10万円以下のためです。計算上、200,004円から10万円を超えます。
設立1期目にも中間申告がありますか?
前事業年度がなく前期実績による予定税額がないため、通常はありません。初年度が短期の場合など、事業年度の長さも確認します。
赤字になりそうでも予定納税しますか?
前期実績の予定申告の代わりに、上半期を一事業年度とみなす仮決算による中間申告を選べます。ただし作成コストと提出条件があります。
出典
本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。