税金の基礎

法人県民税の均等割は35県で上乗せ。小さい会社は年2万〜2万2,200円

結論

総務省の令和8年度の税率一覧表では、法人道府県民税の均等割に35府県が超過課税をしています。資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の会社の道府県民税の均等割は、標準の2万円に対し、滋賀県が2万2,200円、岩手・宮城・兵庫など8県が2万2,000円、愛知・福岡など20県が2万1,000円です。標準のままなのは北海道・東京都・大阪府(小さい会社は軽減)など13都道府県です。

  • 令和2年度から令和8年度まで、35府県の超過税率は7年間1つも変わっていない
  • 令和2年度版に書かれた適用期限が令和8年3月31日までに来た26府県は、すべて延長されていた
  • 上乗せは最大で年2,200円。市町村民税の均等割(標準5万円)と合わせても、法人の均等割は年7万〜7万2,200円の範囲に収まる(市町村の超過課税がない場合)

法人住民税の均等割は「赤字でも年7万円」とよく言われます。7万円は、道府県民税2万円と市町村民税5万円の標準税率の合計です。実際には、多くの県がこの2万円に上乗せをしています。

上乗せの額そのものは小さいのですが、どの県が、いくら、いつまで上乗せしているかを並べた資料は少ないので、総務省の税率一覧表を7年度分読んで数えました。

35府県が、道府県民税の均等割に上乗せしている

総務省は毎年、法人住民税・法人事業税の税率一覧表を公表しています。その中の「法人道府県民税の均等割 税率等一覧表」から、資本金等1,000万円以下・従業者50人以下(いちばん小さい区分)の会社にかかる額を出しました。

道府県民税の均等割(年額)都道府県数都道府県
22,200円(標準×1.11)1滋賀県
22,000円(標準×1.10)8岩手県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、岐阜県、三重県、兵庫県
21,600円(標準×1.08)1秋田県
21,400円(標準×1.07)3栃木県、群馬県、愛媛県
21,000円(標準×1.05)20富山県、石川県、山梨県、長野県、静岡県、愛知県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
20,500円(一律500円上乗せ)1高知県
20,000円(標準)13北海道、青森県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、福井県、京都府、大阪府、徳島県、香川県、沖縄県

※ 総務省「令和8年度 法人住民税・法人事業税 税率一覧表」(令和8年4月1日現在の採用税率)から、資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の区分の額を出した ※ 富山県は資本金等の区分で倍率が違い、いちばん小さい区分は×1.05。大阪府は×2.00の超過課税だが、不均一課税で資本金等1,000万円以下は標準税率(1,000万円超1億円以下は標準×1.50) ※ 東京都の23区内は、都が市町村民税相当分もあわせて課税する(合計7万円) ※ 抽出は scripts/kenmin-kintouwari-chouka.py、元データは data/official/kenmin-kintouwari-chouka/

備考欄の名称を見ると、ほとんどが「森林環境税」「森づくり県民税」など、森林や水源の保全を目的にしたものです。大阪府だけは名称の記載がなく、資本金1,000万円以下の会社には上乗せをしていません。

7年間、税率は1つも変わっていない

同じ表を令和2年度版から令和8年度版まで7年度分並べると、35府県の倍率は1つも変わっていません。どの県も、上乗せを始めた平成13〜26年度から同じ率を続けています。

変わっているのは適用期限のほうです。

令和2年度版での適用期限府県数令和8年度版で延長されている
令和8年3月31日まで2626

※ 令和2年度版の「超過課税の適用事業年度」の終期を、令和8年度版と比べた。「○年を目途」「終期設定なし」の府県は除く ※ 府県別の終期の推移は data/official/kenmin-kintouwari-chouka/enddates.csv

令和2年度版に書かれた期限が令和8年3月31日までに来た26府県は、すべて延長されていました。岩手県・宮城県・福島県・静岡県・兵庫県などは、令和3年3月31日の期限を令和8年3月31日に、さらに令和13年3月31日へと、5年ずつ2回延ばしています。表に期限が書いてあっても、期限で終わる前提で見積もらないほうが実態に合います。

法人の均等割の合計はいくらになるか

法人住民税の均等割は、道府県民税と市町村民税の合計です。市町村民税のいちばん小さい区分は標準5万円で、市町村の側にも超過課税があります。市町村の6万円区分などは法人住民税の法人税割、市町村の46%は一人会社にも標準超えで数えました。

市町村が標準税率なら、法人の均等割の合計は次のようになります。

道府県の区分道府県民税市町村民税(標準)合計
滋賀県22,200円50,000円72,200円
岩手・兵庫など8県22,000円50,000円72,000円
愛知・福岡など20県21,000円50,000円71,000円
標準の13都道府県20,000円50,000円70,000円

当サイトの計算エンジンも、名古屋市(愛知県)を年7万1,000円、神戸市(兵庫県)を年7万2,000円として計算しています。主要市の実額は法人住民税の均等割は自治体で違うで比べています。

法人化の判定にどう効くか

上乗せは最大で年2,200円です。法人化の損益分岐を動かすのは、均等割そのもの(年7万円)のほうで、その仕組みは均等割7万円は法人化の損益分岐を70万円押し上げるで計算しました。県による上乗せの差は、その中では誤差の範囲です。

ただし均等割は赤字でも、会社がある限り毎年かかります。10年続ければ、上乗せ分だけで滋賀県なら2万2,000円、愛知県なら1万円です。そして上で見たとおり、期限が来ても延長され続けています。会社を置く限り続く固定費として、7万円台のどこに入るかを把握しておけば十分です。均等割全体の考え方は法人住民税の均等割は赤字でも年7万円にまとめています。

まとめ

  • 法人道府県民税の均等割は、総務省の令和8年度の税率一覧表で35府県が超過課税。小さい会社で年2万〜2万2,200円
  • 最高は滋賀県の2万2,200円、次いで岩手・宮城・兵庫など8県の2万2,000円。標準のままは北海道・東京都・大阪府など13都道府県
  • 令和2年度から令和8年度まで、倍率は1つも変わっていない。期限が来た26府県はすべて延長されている
  • 市町村民税が標準5万円なら、法人の均等割の合計は年7万〜7万2,200円
  • 上乗せは損益分岐の判定ではほぼ誤差。会社を置く限り続く固定費として、自分の県の額を確かめてください

よくある質問

自分の会社の均等割がいくらかは、どこで確かめればよいですか。

事務所のある都道府県と市町村の、法人住民税の案内ページか申告書の手引きで確認します。総務省の税率一覧表は毎年4月1日時点の採用税率で、確定申告の際は各都道府県・市町村に直接確認するよう注記しています。

超過課税の上乗せ分は、法人税の計算で損金になりますか。

法人住民税は均等割も含めて損金になりません。上乗せ分も同じ扱いです。

赤字でも上乗せ分はかかりますか。

かかります。均等割は所得に関係なく、事務所等を置いている限り毎年かかる定額の税で、超過課税の上乗せ分も同じです。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。