設立の手続き

小さい会社の3月決算は15%だけ。決算月の分布を国税庁の統計で数えた

結論

国税庁の統計年報(令和6年度・年1回決算の普通法人300万2,815社)では、3月決算が17.8%で最も多く、9月11.0%、12月10.6%が続きます。ただし資本金1億円以上の会社は54.1%が3月決算なのに対し、資本金100万円以下の会社では3月は15.1%で、12月11.9%、9月10.7%と各月に分散しています。決算月別の黒字の事業年度の割合は34.8〜39.1%で、決算月による差はほとんどありません。

  • 小さい会社で3月の次に多いのは12月(11.9%)。個人事業の年(1〜12月)と同じ区切りを選ぶ会社が一定数ある
  • 資本金100万円以下の会社は、10月・11月・1月決算もそれぞれ4〜6%あり、大企業(各1.7%)より多い
  • 黒字の割合は3月決算が39.1%と最も高いが、最も低い4月(34.8%)との差は4.3ポイント

会社を作るとき、決算月は自由に決められます。「3月決算が普通」と思われがちですが、それは大企業の話です。国税庁の統計年報には、決算月(事業年度の終了月)別の法人数が資本金階級ごとに載っています。小さい会社が実際にどの月を選んでいるかを数えました。

決算月別の法人数

国税庁 統計年報(令和6年度)の法人税編「決算期別の普通法人数」から、年1回決算の法人を決算月別に並べました。

決算月申告法人数構成比資本金100万円以下構成比100万円超500万円以下構成比資本金1億円以上構成比黒字の事業年度の割合
1月110,3683.7%29,2054.3%44,3073.6%6221.7%35.5%
2月198,1616.6%46,3236.8%87,2277.0%1,3243.7%35.4%
3月535,06417.8%103,42915.1%188,87915.2%19,37554.1%39.1%
4月207,8926.9%44,0616.4%96,5197.8%5931.7%34.8%
5月247,0138.2%53,2787.8%109,4478.8%9542.7%35.8%
6月291,0679.7%63,4079.3%124,24910.0%1,6484.6%36.5%
7月229,7377.7%51,4607.5%101,0398.1%6791.9%35.7%
8月261,7988.7%58,0168.5%114,4519.2%9052.5%35.2%
9月329,24311.0%73,16410.7%136,18911.0%2,0965.9%36.7%
10月155,6625.2%43,8836.4%68,0035.5%6251.7%35.7%
11月119,6704.0%37,5325.5%49,3644.0%6011.7%36.6%
12月317,14010.6%81,35811.9%121,8179.8%6,39117.8%37.2%
計3,002,815100.0%685,116100.0%1,241,491100.0%35,813100.0%36.6%

※ 国税庁 統計年報 令和6年度 法人税 4-2(1)(令和6年4月〜令和7年3月に事業年度が終了した内国普通法人。年2回決算22,251社とその他533社を除く)。黒字の事業年度の割合は資本金階級を問わない全体の値。元データは data/official/kessanki-betsu-r06/、表は scripts/kessanki-betsu-hojinsu.mjs で再生成できる(月別の合計=計を全列で検算)

3月に集中するのは大企業だけ

資本金1億円以上の会社は54.1%が3月決算で、12月を合わせると7割を超えます。

一方、資本金100万円以下の会社では、3月決算は**15.1%**にとどまります。2番目は12月(11.9%)、3番目は9月(10.7%)で、6月(9.3%)、8月(8.5%)と続きます。10月・11月・1月もそれぞれ4〜6%あり、大企業(各1.7%)よりはっきり多くなっています。

小さい会社で12月決算が2番目に多いのは、個人事業と同じ1〜12月の区切りを選ぶ会社が一定数あるためと考えられます(この統計は設立の経緯を区別していないので、法人成りの会社に限った分布は分かりません)。設立月から逆算して1期目をなるべく長くとる会社が多ければ、決算月は設立月の前月に散らばります。小さい会社の分布が平らなのは、この選び方と整合します。

決算月で黒字かどうかはほとんど変わらない

決算月別の、利益が出た事業年度の割合は**34.8〜39.1%**です。3月決算が39.1%と最も高いのは、黒字の割合が高い大企業が3月に集まっているためとみられます。資本金の小さい会社に限った黒字の割合はこの表からは出せませんが、「この月にすると黒字になりやすい」という月はありません。

一人会社の決算月の決め方

決算月は、統計の多数派に合わせるより、自分の事業の事情で決めるほうが合理的です。判断材料は次のとおりです(法人の決算月の決め方)。

  • 繁忙期を決算・申告の時期から外す。決算から2か月以内に申告と納税がある
  • インボイス未登録なら1期目を長くとる。設立1〜2期の消費税の免税期間が長くなる(1期目が短い法人の3期目の消費税)
  • 役員報酬を決める時期。期首から3か月以内に決め、原則として1年間変えられない(役員報酬の最適額)

小さい会社の決算月が分散しているのは、こうした事情をそれぞれが考えた結果です。会社の作り方と設立時に決めることは会社設立を自分でする手順にまとめています。

まとめ

  • 年1回決算の普通法人では3月決算が17.8%、9月11.0%、12月10.6%
  • 資本金1億円以上は54.1%が3月決算だが、資本金100万円以下は15.1%
  • 小さい会社は12月(11.9%)、9月(10.7%)にも多く、10月・11月・1月も大企業より多い
  • 決算月別の黒字の割合は34.8〜39.1%で、決算月による差は小さい
  • 決算月は多数派ではなく、繁忙期・免税期間・役員報酬を決める時期で選ぶ

よくある質問

小さい会社の決算月で多いのは何月ですか。

国税庁の統計年報(令和6年度)では、資本金100万円以下の会社は3月決算が15.1%で最も多く、12月11.9%、9月10.7%、6月9.3%と続きます。大企業ほど3月に集中していません。

決算月によって黒字になりやすさは変わりますか。

統計上はほとんど変わりません。決算月別に利益が出た事業年度の割合を見ると34.8〜39.1%で、最も高い3月と最も低い4月の差は4.3ポイントです。資本金階級を問わない全体の値で、大企業の多い3月がやや高く出ています。

法人成りした会社は12月決算が多いのですか。

この統計は設立の経緯を区別していないため、法人成りした会社に限った分布は分かりません。ただ小さい会社で12月決算が2番目に多いことは、個人事業と同じ1〜12月の区切りを選ぶ会社が一定数あることと整合します。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。