設立の手続き

会社設立の資本金は300万円未満が6割。登記統計で2025年の分布を数えた

結論

法務省の登記統計によると、2025年に設立された株式会社10万165社のうち資本金300万円未満は58.1%(100万円未満19.5%、100万円以上300万円未満38.7%)、合同会社4万5,161社では78.6%(100万円未満48.1%)でした。資本金1,000万円以上は株式会社で5.9%、合同会社で0.7%にとどまり、ほとんどの会社が消費税の免税や均等割7万円の区分に収まる1,000万円未満で設立されています。

  • 1,000万円未満の会社に限った平均資本金は、株式会社235.1万円、合同会社144.1万円(2025年の設立)
  • 合同会社の設立は2017年の2万7,270社から2025年の4万5,161社へ65.6%増え、株式会社と合同会社の設立に占める割合は23.0%から31.1%に上がった
  • 合同会社の資本金500万円以上1,000万円未満の設立は、2020年の2,979社から2025年の6,435社へ2.2倍に増えた

会社を作るとき、資本金をいくらにするかは最初に決めることの1つです。法務省の登記統計には、設立された会社の資本金を階級別に数えた表があります。2025年の数字を見ると、株式会社でも6割、合同会社では8割近くが資本金300万円未満でした。

2025年に設立された株式会社の58%は300万円未満

使ったのは、法務省の登記統計(商業・法人)2025年の第33表「登記の種類別・資本金階級別 会社の資本金の額の変動の件数及び金額」です。このうち「設立」の件数を、株式会社と合同会社に分けて数えました(組織変更や合併による設立は含めていません)。

株式会社の設立:資本金階級別の件数と割合

資本金2017年2020年2025年
100万円未満15,294(16.7%)14,392(16.8%)19,498(19.5%)
100万円以上300万円未満32,331(35.4%)32,835(38.3%)38,744(38.7%)
300万円以上500万円未満16,082(17.6%)14,289(16.7%)12,167(12.1%)
500万円以上1,000万円未満21,975(24.0%)19,420(22.7%)23,868(23.8%)
1,000万円以上2,000万円未満3,538(3.9%)2,934(3.4%)3,818(3.8%)
2,000万円以上5,000万円未満1,407(1.5%)1,156(1.3%)1,367(1.4%)
5,000万円以上1億円未満470(0.5%)415(0.5%)443(0.4%)
1億円以上282(0.3%)247(0.3%)260(0.3%)
合計91,37985,688100,165

2025年に設立された株式会社は10万165社で、**資本金300万円未満が58.1%**です。最も多いのは100万円以上300万円未満の38.7%で、100万円未満も19.5%あります。

500万円以上1,000万円未満も23.8%と厚い層です。一方、**1,000万円以上は合計5,888社、5.9%**しかありません。1,000万円未満の会社に限ると、平均の資本金は235.1万円です。

8年間の変化では、300万円以上500万円未満が17.6%から12.1%に減り、100万円未満が16.7%から19.5%に増えました。少ない資本金で始める会社が増えています。

合同会社は79%が300万円未満

合同会社の設立:資本金階級別の件数と割合

資本金2017年2020年2025年
100万円未満14,031(51.5%)16,925(50.9%)21,740(48.1%)
100万円以上300万円未満7,782(28.5%)10,574(31.8%)13,755(30.5%)
300万円以上500万円未満1,966(7.2%)2,537(7.6%)2,908(6.4%)
500万円以上1,000万円未満3,322(12.2%)2,979(9.0%)6,435(14.2%)
1,000万円以上169(0.6%)221(0.7%)323(0.7%)
合計27,27033,23645,161

※ 1,000万円以上は原表の4区分以上を合算

合同会社は資本金がさらに小さく、2025年は**100万円未満が48.1%、300万円未満では78.6%**です。1,000万円以上は323社(0.7%)だけで、1,000万円未満の会社に限った平均資本金は144.1万円でした。

合同会社の設立件数は2017年の2万7,270社から2025年の4万5,161社へ65.6%増えました。株式会社と合同会社の設立を合わせた中で、合同会社の割合は23.0%から31.1%に上がっています。合同会社が増えている流れは、国税庁の統計でも確かめています(合同会社は9年で3.3倍に増えた)。

目立つのは、資本金500万円以上1,000万円未満の合同会社が、2020年の2,979社から2025年の6,435社へ2.2倍になったことです。統計からは理由を区別できませんが、在留資格「経営・管理」の基準が令和7年10月16日の改正前は資本金等500万円だったことが、この帯の設立を押し上げていた可能性があります。

資本金1,000万円の線で、税と費用が変わる

ほとんどの会社が資本金1,000万円未満で設立されているのは、この線を境に税と費用が変わるからです。

項目資本金1,000万円未満資本金1,000万円以上
消費税の新設法人の免税(設立1〜2期)使える(インボイス未登録などの条件あり)使えない
法人住民税の均等割(従業者50人以下)年7万円(資本金等1,000万円以下)年18万円(資本金等1,000万円超)
設立の登録免許税(株式会社)最低15万円(資本金約2,143万円まで)同左
設立の登録免許税(合同会社)最低6万円(資本金約857万円まで)資本金の0.7%

※ 均等割は資本金等の額で判定し、1,000万円「超」で上がる。消費税の免税は資本金1,000万円「以上」で使えない。境目の向きが違う点に注意

消費税の免税は、資本金1,000万円以上で設立すると使えません。均等割は資本金等1,000万円超で上がります。資本金をちょうど1,000万円にすると、均等割は7万円のままでも消費税の免税は失うことになります。3つの線の比べ方は法人化の資本金は1,000万円未満?3つの境目を比較、免税を失った場合の試算は資本金1,000万円で株式会社を作った写真スタジオの試算事例にあります。

均等割が18万円になると、法人化の損益分岐点は単身で事業所得107万円上がります(均等割7万円は法人化の損益分岐を70万円押し上げる)。資本金を大きくしたい場合に資本準備金を使う方法は資本準備金で資本金を999万円にで扱っています。

資本金は「いくらにすべきか」ではなく「何に使うか」

統計が示すのは、多くの会社が資本金を小さく始めているということです。ただし資本金は、設立直後の家賃や仕入れ、役員報酬の支払いに使う運転資金でもあります。少なすぎると、売上が入るまでの間に社長が会社にお金を貸すことになり、役員借入金が積み上がります。

会社の設立手続きと実費の全体は会社設立を自分でやる手順にまとめています。法人化そのものが有利かどうかは、資本金とは別に、自分の売上と経費で判定ツールを使って確かめてください。

まとめ

  • 2025年に設立された株式会社10万165社のうち、資本金300万円未満は58.1%、1,000万円以上は5.9%
  • 合同会社4万5,161社では300万円未満が78.6%、100万円未満だけで48.1%。1,000万円以上は0.7%
  • 1,000万円未満の会社の平均資本金は、株式会社235.1万円、合同会社144.1万円
  • 合同会社の設立は2017年から65.6%増え、500万円以上1,000万円未満の帯は2020年から2.2倍
  • 資本金1,000万円以上で消費税の新設法人の免税がなくなり、資本金等1,000万円超で均等割が年18万円に上がる

よくある質問

資本金1円でも会社は作れますか。

作れます。会社法に最低資本金の定めはなく、統計でも2025年に設立された合同会社の48.1%、株式会社の19.5%は資本金100万円未満でした。ただし資本金は設立直後の運転資金になるので、少なすぎると事業の立ち上げで困ることがあります。

資本金を1,000万円以上にすると何が変わりますか。

資本金1,000万円以上で設立すると、設立1〜2期の消費税の免税(新設法人の特例)が使えません。また法人住民税の均等割は、資本金等1,000万円超で年7万円から18万円(従業者50人以下の場合)に上がります。

資本金で登録免許税は変わりますか。

設立の登録免許税は資本金の0.7%ですが、株式会社は最低15万円、合同会社は最低6万円です。株式会社なら資本金約2,143万円、合同会社なら約857万円までは最低額のままです。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。