設立の手続き

会社をたたむ件数は年2.8万件。合同会社の解散は10年で2.3倍(登記統計)

結論

法務省の登記統計(2025年)では、株式会社の解散登記が22,248件、合同会社が5,903件で、合わせて年2.8万件の会社が解散しています。設立に対する解散の割合は株式会社で22.2%、合同会社で13.1%です。合同会社の解散は2016年の2,598件から2.27倍に増え、設立の伸び(1.90倍)を上回りました。合同会社から株式会社などへ移る組織変更等による解散も657件から2,154件へ3.3倍になっています。

  • 清算の結了は株式会社19,643件・合同会社4,582件(2025年)。解散した会社の多くが1年以内に清算を終えて登記を閉じている
  • 解散した株式会社が事業を再開する「会社の継続」は2020年以降、年2,000件前後
  • 設立と解散は別々の会社の件数で、同じ年に設立した会社の何%が解散したかという生存率ではない

法人化を考えるとき、会社を「やめるとき」のことまでは考えにくいものです。しかし、法人は個人事業のように廃業届1枚では終わりません。解散と清算の登記が必要で、毎年どれだけの会社がこの手続きを通っているかは、法務省の登記統計で確かめられます。

株式会社:解散は年2.2万件、設立の約2割

法務省の登記統計(商業・法人 年報)の第16表から、株式会社の本店の登記件数を10年分並べました。

年設立解散清算の結了会社の継続破産・民事再生に関する登記解散÷設立
2016年90,40518,45415,4749729,32120.4%
2017年91,37918,55916,1301,0239,46520.3%
2018年86,99318,61415,9361,2709,08621.4%
2019年87,87119,61816,5811,5279,22422.3%
2020年85,68817,79416,5502,4319,05920.8%
2021年95,22218,06516,6502,1507,59919.0%
2022年92,37117,73716,1722,1597,18719.2%
2023年100,66920,74318,1822,1249,32420.6%
2024年98,67120,79518,7172,00711,16421.1%
2025年100,16522,24819,6432,11312,06022.2%
10年計929,434192,627170,03517,77693,48920.7%

※ 法務省 登記統計 商業・法人(年報)2025年 第16表(本店の件数)。「解散」には合併・組織変更による解散を含まない。表は scripts/kaisha-kaisan-touki-suii.mjs で元のExcel(data/official/touki-tokei-2025/)から再生成できる

株式会社は10年で約93万件設立され、約19万件が解散しました。設立に対する解散の割合は毎年20%前後で安定しています。破産・民事再生に関する登記は2022年の7,187件から2025年は12,060件まで増えています。

合同会社:解散が設立より速く増えている

同じく第20表から、合同会社の件数です。

年設立解散清算の結了会社の継続破産・民事再生に関する登記解散÷設立
2016年23,7872,5982,1601415010.9%
2017年27,2702,4312,103161928.9%
2018年29,0762,6362,024202229.1%
2019年30,5663,1132,5331633710.2%
2020年33,2363,0572,560333879.2%
2021年37,0723,2882,784304058.9%
2022年37,1273,8303,0652545310.3%
2023年40,7514,6363,8192264611.4%
2024年41,7745,2794,3262387312.6%
2025年45,1615,9034,5822993713.1%
10年計345,82036,77129,9562284,60210.6%

※ 法務省 登記統計 商業・法人(年報)2025年 第20表(本店の件数)

合同会社の設立は10年で1.90倍になりましたが、解散は2,598件から5,903件へ2.27倍です。設立に対する解散の割合も、2021年の8.9%から2025年は13.1%まで上がりました。合同会社が急増したのは2010年代後半からなので、その頃に作られた会社が数年たって閉じる段階に入った、と読めます(合同会社は9年で3.3倍に増えた)。

株式会社より割合が低いのは、合同会社の多くがまだ設立から日が浅く、「閉じる側」の母数が小さいためです。

合同会社から別の会社へ移る件数も3.3倍

第20表には、解散とは別に「合併又は組織変更若しくは種類変更による解散」の行があります。合同会社が株式会社へ組織変更したり、合資会社などへ種類を変えたり、合併で消えたりした件数です。

年2016年2018年2020年2022年2024年2025年
合併・組織変更・種類変更による解散657件883件1,057件1,483件1,961件2,154件

10年で3.3倍です。合同会社で法人化し、取引先や採用の事情で後から株式会社に変える会社が増えていることがうかがえます。この表では組織変更と合併を分けられませんが、組織変更の手続きと費用は合同会社から株式会社への組織変更の費用にまとめています。

「解散÷設立」は生存率ではない

注意したいのは、この割合が「設立した会社の何%が潰れるか」ではないことです。ある年の解散は、その年より前のさまざまな年に設立された会社の件数です。設立年ごとの生存率は、この登記統計からは計算できません。

また、休眠会社の整理で登記官が職権で行う「みなし解散」の登記が、この表の「解散」に含まれるかは、表の注記からは読み取れません(休眠会社のみなし解散)。株式会社の「会社の継続」が2020年に前年の1,527件から2,431件へ増えたように、解散後に事業を再開する会社も一定数あります。

法人化するなら、やめるときの手続きも費用に入る

会社をたたむには、解散と清算人の登記、官報での債権者への公告(2か月以上)、清算結了の登記が必要です。合同会社なら登録免許税だけで4万1,000円かかり、官報公告や税務申告の費用は別です(法人の解散・清算の費用)。解散の年と清算の年にはそれぞれ確定申告が必要で、税理士に頼めばその費用も加わります。

年間2.8万件の会社がこの手続きを通っています。法人化の損益を見積もるときは、設立費用(会社設立を自分でする手順と費用)と毎年の固定費に加えて、売上が落ちて個人に戻るときの出口のコストも頭に入れておくと判断がぶれにくくなります(個人成りの目安)。自分の売上と経費で、法人化が続けて見合う水準かを確かめてください。

まとめ

  • 2025年の解散登記は株式会社22,248件・合同会社5,903件。清算の結了は合わせて約2.4万件
  • 株式会社の解散÷設立は10年間ずっと20%前後
  • 合同会社の解散は10年で2.27倍と、設立(1.90倍)より速く増え、割合は13.1%に上がった
  • 合同会社から株式会社などへの組織変更・合併等による解散は657件から2,154件へ3.3倍
  • 解散÷設立は生存率ではない。やめるときの手続きと費用も法人化の見積もりに入れる

よくある質問

会社の解散と清算の結了は何が違いますか。

解散は会社の事業をやめることを決めた段階の登記で、清算の結了は財産の整理と分配を終えて会社が消える段階の登記です。解散から清算結了までには、債権者への公告(2か月以上)などがあるため、最短でも2か月を超えます。

解散÷設立の割合は、会社が潰れる確率ですか。

違います。同じ年に登記された設立と解散の件数の比で、解散したのは過去に設立された様々な年の会社です。設立した会社の何%が何年で解散するかという生存率は、この表からは出せません。

解散した会社は元に戻せますか。

清算が結了するまでの間なら、株主総会(合同会社は社員の同意)の決議で会社を継続できます。株式会社の「会社の継続」の登記は2025年に2,113件ありました。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。