法人化の判断

経済センサスで見る個人経営と会社の割合。業種別に売上規模で比べた

結論

令和3年経済センサス‐活動調査では、企業等368万4049のうち個人経営は161万8565(43.9%)ですが、売上は全体の1.5%です。個人経営が過半の業種(中分類)12のうち11は、企業の真ん中が売上3,000万円未満の帯にいます。個人経営の1企業当たり「売上−費用」が判定ツールの損益分岐(事業所得1,243万円)を超える業種はなく、最大の医療業でも1,064万円でした(当サイト集計)。

  • 個人経営の1企業当たり売上は1,627万円、会社企業は8億3,800万円。個人経営の売上−費用(専従者給与・青色申告特別控除の前)は全産業で374万円
  • 個人経営を売上の小さい順に積み上げると、32業種中21が売上1,000万〜3,000万円の帯で尽きる。実際の個人経営の売上はその仮定の1.1〜10.7倍で、上の帯にも散らばる
  • 売上3,000万円以上の企業が5割を超える9業種では、医療業を除き個人経営は3割未満。会社企業のうち合同会社は4万3317で2.4%

業種ごとに、個人経営と会社はどのくらいの割合で、どのくらいの売上規模なのか。総務省統計局と経済産業省の経済センサス‐活動調査は、全国の事業所・企業を対象にした全数調査で、経営組織別の企業数と売上を業種ごとに出しています。

当サイトでは、令和3年調査(2021年6月1日現在、売上などは2020年1年間)のExcelから必要な項目を取り出し、業種別・売上の階級別に再集計しました。判定ツールの計算エンジンが出す損益分岐とも並べています。

数字を読む前に:「売上−費用」は確定申告の何に当たるか

経済センサスの「個人経営」は、法人組織になっていない事業のことで、共同経営も含みます。法人は「会社企業」(株式会社・合同会社など)と「会社以外の法人」に分かれます。調査票の説明では、医療法人・学校法人・社団法人・協同組合などが会社以外の法人です。

個人経営の売上と費用は、確定申告書類から書き写せる形になっています。調査票の記入のしかた(産業共通)8ページの対応表では、青色申告(一般用)の場合、次のとおりです。

調査票の項目青色申告決算書(一般用)の科目
売上(収入)金額① 売上(収入)金額
費用総額(売上原価+経費計)⑥ 差引原価 + ㉜ 経費の計
給料賃金⑳ 給料賃金(専従者給与を除く)

つまり統計の「売上−費用総額」は、決算書の**差引金額(㉝)**に当たります。専従者給与(㊳)と青色申告特別控除は、まだ引かれていません。一方で個人事業税は租税公課(⑧)として経費に入っており、引かれた後の数字です。

判定ツールの事業所得(売上−経費、青色申告特別控除の前)とは、専従者給与のぶん統計が高く、個人事業税のぶん統計が低く出ます。同じ読み替えの問題は個人企業経済調査の業種別営業利益でも扱いました。あちらは抽出調査で、病院・診療所を対象から外しています。経済センサスは全数調査で、診療所も入っています。

個人経営は企業数の44%、売上は1.5%

まず大分類で、個人経営の割合と1企業当たりの売上を並べます。

産業(大分類)個人経営の割合(企業数)個人経営の売上シェア個人経営の1企業当たり売上会社企業の1企業当たり売上個人経営の売上−費用(1企業当たり)
生活関連サービス業・娯楽業80.5%4.7%563万円42,965万円149万円
宿泊業・飲食サービス業78.2%13.8%936万円21,202万円177万円
教育・学習支援業69.6%2.0%479万円17,774万円97万円
医療・福祉52.1%3.0%3,525万円15,205万円1,051万円
学術研究・専門・技術サービス業45.1%4.3%2,230万円40,977万円713万円
卸売業・小売業43.8%1.8%2,786万円116,021万円450万円
不動産業・物品賃貸業31.8%1.4%848万円26,882万円270万円
製造業28.5%0.3%1,221万円165,857万円304万円
建設業26.2%1.5%1,723万円39,096万円410万円
サービス業(他に分類されないもの)15.2%1.0%1,229万円43,041万円304万円
運輸業・郵便業13.9%0.1%840万円110,968万円173万円
金融業・保険業11.9%0.0%1,338万円382,306万円429万円
鉱業・採石業・砂利採取業6.6%0.2%3,812万円126,567万円466万円
情報通信業3.7%0.0%781万円148,887万円222万円
電気・ガス・熱供給・水道業2.2%0.0%697万円724,013万円211万円
(全産業)44.0%1.5%1,627万円83,800万円374万円

※ 令和3年経済センサス‐活動調査(2021年6月1日現在、経理事項は2020年1〜12月)企業等に関する集計。売上は原則消費税込み。第6表(売上など必要な事項が得られた企業等が対象) ※ 個人経営の割合は、会社企業・会社以外の法人(医療法人・社会福祉法人など)・個人経営の合計に対する割合。農林漁業は個人経営が調査対象外のため、複合サービス事業(郵便局・協同組合)は独立開業の業種でないため除いた。(全産業)の行はこれらも含む ※ 売上−費用は青色申告決算書の差引金額に当たる。専従者給与・青色申告特別控除・事業主本人の社会保険料を引く前

全産業では、個人経営は企業数の44.0%を占めますが、売上では1.5%です。個人経営の1企業当たり売上は1,627万円で、会社企業の8億3,800万円とは2桁違います。結果の概要の表Ⅱ-1でも、個人経営の売上高は25兆816億円、全企業等の1.5%とされています。

個人経営の割合が高いのは、生活関連サービス業・娯楽業(80.5%)と宿泊業・飲食サービス業(78.2%)です。どちらも個人経営の1企業当たり売上は1,000万円未満で、売上−費用は150万〜180万円前後にとどまります。

逆に1企業当たりの売上−費用が大きいのは、医療・福祉の1,051万円と、学術研究・専門・技術サービス業の713万円です。売上の大きさで並べると卸売業・小売業(2,786万円)が上位に来ますが、売上−費用は450万円で、物販は売上の割に手元に残りません。

個人経営は、どの売上の帯で尽きるか

本来知りたいのは「この業種では、売上がいくらを超えると会社が多数派になるか」です。ところが公表されている統計表には、経営組織と売上の階級を掛け合わせた表がありません。e-StatのExcelにもデータベースにも、両方の軸を持つ表は見当たりませんでした。

そこで当サイトでは、使える2つの表を組み合わせました。

  • 第6表:業種ごとの個人経営の企業数と売上合計
  • 第8-1表:業種ごとの売上の階級別の企業数(個人と法人の区別なし)

個人経営の企業数を、第8-1表の売上の小さい階級から積み上げます。個人経営の数に達した階級が「個人経営が尽きる帯」です。個人経営がすべて法人より売上が小さいと仮定した場合の、入れ替わりの目安になります。

仮定がどこまで外れているかも確かめました。この仮定で個人経営に割り当たる売上合計と、第6表の実際の売上合計を比べた倍率です。1倍に近いほど仮定どおりで、大きいほど個人経営が上の帯にも散らばっていることを示します。

産業(中分類)個人経営の割合企業の真ん中(中央値)がいる売上の帯売上3,000万円以上の企業の割合個人経営が尽きる帯(小さい順と仮定)実際の個人経営の売上 ÷ 仮定上の売上
洗濯・理容・美容・浴場業88.2%300万〜1,000万円6.5%1,000万〜3,000万円1.2倍
飲食店81.4%300万〜1,000万円12.9%1,000万〜3,000万円1.2倍
その他の教育・学習支援業76.7%300万〜1,000万円9.4%300万〜1,000万円1.5倍
医療業69.0%3,000万〜1億円53.3%3,000万〜1億円1.4倍
飲食料品小売業67.5%1,000万〜3,000万円37.7%3,000万〜1億円3.6倍
織物・衣服・身の回り品小売業61.4%300万〜1,000万円20.6%1,000万〜3,000万円2.1倍
持ち帰り・配達飲食サービス業59.8%1,000万〜3,000万円36.0%1,000万〜3,000万円1.5倍
自動車整備業58.8%1,000万〜3,000万円31.7%1,000万〜3,000万円1.4倍
専門サービス業56.4%1,000万〜3,000万円31.5%1,000万〜3,000万円2.8倍
家具・装備品製造業52.8%1,000万〜3,000万円33.3%1,000万〜3,000万円1.4倍
その他の小売業52.1%1,000万〜3,000万円40.7%1,000万〜3,000万円2.1倍
その他の生活関連サービス業50.4%300万〜1,000万円25.6%300万〜1,000万円2.1倍
宿泊業49.0%1,000万〜3,000万円32.9%1,000万〜3,000万円1.7倍
機械器具小売業48.9%1,000万〜3,000万円48.7%1,000万〜3,000万円1.9倍
繊維工業45.4%1,000万〜3,000万円35.4%1,000万〜3,000万円2.1倍
機械等修理業43.1%1,000万〜3,000万円35.1%1,000万〜3,000万円2.0倍
その他の製造業42.9%1,000万〜3,000万円35.0%1,000万〜3,000万円1.9倍
道路旅客運送業40.7%1,000万〜3,000万円40.1%300万〜1,000万円1.1倍
娯楽業36.9%1,000万〜3,000万円42.4%300万〜1,000万円4.7倍
不動産賃貸業・管理業36.8%300万〜1,000万円22.1%300万〜1,000万円2.3倍
職別工事業(設備工事業を除く)36.0%1,000万〜3,000万円49.6%1,000万〜3,000万円1.6倍
技術サービス業31.8%1,000万〜3,000万円38.8%300万〜1,000万円2.9倍
食料品製造業28.0%3,000万〜1億円59.2%1,000万〜3,000万円2.3倍
金属製品製造業27.7%3,000万〜1億円56.6%1,000万〜3,000万円1.8倍
印刷・同関連業25.3%1,000万〜3,000万円46.3%300万〜1,000万円2.1倍
設備工事業21.5%3,000万〜1億円59.6%1,000万〜3,000万円1.9倍
総合工事業21.5%3,000万〜1億円67.1%1,000万〜3,000万円2.2倍
生産用機械器具製造業18.7%3,000万〜1億円61.5%1,000万〜3,000万円2.6倍
飲食料品卸売業17.3%3,000万〜1億円71.8%1,000万〜3,000万円4.2倍
その他の卸売業15.9%3,000万〜1億円62.2%300万〜1,000万円6.5倍
建築材料・鉱物・金属材料等卸売業13.8%1億〜3億円74.2%1,000万〜3,000万円5.4倍
不動産取引業12.0%1,000万〜3,000万円44.3%300万円未満10.7倍

※ 令和3年経済センサス‐活動調査(2021年6月1日現在、経理事項は2020年1〜12月)企業等に関する集計。売上は原則消費税込み。第6表(経営組織別)と第8-1表(売上階級別)から当サイトで再集計。個人経営の企業数が5,000未満の中分類と、農林漁業・複合サービス事業は除いた ※ 「個人経営が尽きる帯」は、個人経営の企業数を売上の小さい階級から積み上げたとき、個人経営の数に達する階級。公表表に経営組織×売上階級のクロスがないための目安で、個人経営がすべて法人より売上が小さいと仮定した場合の交代点 ※ 最右列は、その仮定で個人経営に割り当たる売上合計(尽きる階級は企業数で按分)に対する、実際の個人経営の売上合計の倍率。1倍に近いほど仮定どおり、大きいほど個人経営が上の帯にも散らばっている

個人経営が尽きる帯中分類の数例
300万円未満1不動産取引業
300万〜1,000万円8その他の教育・学習支援業、その他の生活関連サービス業、道路旅客運送業、娯楽業
1,000万〜3,000万円21洗濯・理容・美容・浴場業、飲食店、織物・衣服・身の回り品小売業、持ち帰り・配達飲食サービス業
3,000万〜1億円2医療業、飲食料品小売業

32業種のうち21業種で、個人経営は売上1,000万〜3,000万円の帯で尽きます。この帯より上で、会社と会社以外の法人が多数派になる計算です。

ただし倍率は1.1〜10.7倍で、全産業では3.06倍でした。実際の個人経営の売上は、小さい順に並べた仮定の3倍あります。つまり個人経営は下の帯に固まっているわけではなく、売上3,000万円を超える帯にもかなりの数がいます。倍率が1倍台にとどまるのは、洗濯・理容・美容・浴場業や飲食店など、もともと売上の小さい業種です。不動産取引業(10.7倍)や建築材料・鉱物・金属材料等卸売業(5.4倍)のように倍率の高い業種では、売上の大きな個人経営が残っています。

業種を横に並べると、別の傾向も見えます。個人経営が過半の12業種のうち11業種は、企業の真ん中(中央値)が売上3,000万円未満の帯にいました。売上3,000万円以上の企業が5割を超える9業種では、医療業(69.0%)を除き、個人経営はすべて3割未満です。売上の大きい企業が多い業種ほど、会社が多数派になっています。

個人経営の平均が損益分岐に届く業種はない

個人経営の1企業当たり「売上−費用」が大きい業種を、上から10並べました。

産業(中分類)個人経営の企業数個人経営の1企業当たり売上売上−費用(1企業当たり)損益分岐(1,243万円)に対する割合個人経営の割合
医療業146,7063,550万円1,064万円86%69.0%
専門サービス業68,5842,543万円818万円66%56.4%
飲食料品小売業108,3544,510万円701万円56%67.5%
建築材料・鉱物・金属材料等卸売業6,6233,729万円516万円42%13.8%
機械器具卸売業4,1723,124万円507万円41%9.4%
飲食料品卸売業7,4173,899万円499万円40%17.3%
保険業(保険媒介代理業・保険サービス業を含む)2,9701,341万円450万円36%13.8%
設備工事業21,7151,586万円447万円36%21.5%
プラスチック製品製造業3,2131,861万円445万円36%19.5%
総合工事業37,7932,096万円428万円34%21.5%

※ 令和3年経済センサス‐活動調査(2021年6月1日現在、経理事項は2020年1〜12月)企業等に関する集計。売上は原則消費税込み。第6表。個人経営の企業数が1,000以上の中分類 ※ 損益分岐は判定ツールの計算エンジンで、事業所得(売上−経費、青色申告特別控除の前)1,243万円(経費200万円・東京23区・40〜64歳・独身・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社/2026年(令和8年)分基準。3年目以降の定常状態) ※ 損益分岐を超える中分類: なし

最も大きい医療業でも1,064万円で、損益分岐の86%です。次の専門サービス業(法律事務所や税理士などの士業、デザイン業、経営コンサルタント業などが入る中分類72)は818万円で66%でした。配偶者(収入なし)がいる場合の損益分岐は865万円まで下がります。それでも、専門サービス業の平均はわずかに届きません。

医療業は個人経営が69.0%と多く、法人の8割(5万2709)は会社以外の法人でした。医療業の中分類には、一般診療所・歯科診療所のほか、あん摩マッサージ・柔道整復などの療術業も入っています。開業医が法人にするなら株式会社や合同会社ではなく医療法人になり、社会保険診療報酬の概算経費(措法26条)という別の論点もあります。その扱いは開業医の概算経費は医療法人化で消えるのかで計算しています。

統計の平均像をそのまま事業所得として、判定ツールの計算エンジンに通しました。

想定事業所得(青色控除前)個人のまま法人化(最適報酬)最適な役員報酬実質差額(年)
全産業の個人経営374万円277.7万円253.1万円月26万円−44.5万円
医療業の個人経営1,064万円685.0万円695.8万円月48万円−9.2万円
専門サービス業の個人経営818万円539.2万円541.3万円月45万円−17.9万円
飲食料品小売業の個人経営701万円473.8万円467.7万円月45万円−26.1万円
学術研究・専門・技術サービス業の個人経営713万円480.5万円475.3万円月45万円−25.2万円

※ 個人経営の売上−費用(専従者給与を含む=本人の取り分より高め)をそのまま事業所得として入れた。万円未満は四捨五入 ※ 経費200万円・東京23区・40〜64歳・独身・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社/2026年(令和8年)分基準。実質差額は税理士報酬の差と法人住民税の均等割を引いた3年目以降の定常状態

5つの想定はすべてマイナスでした。医療業の平均(1,064万円)は、税理士報酬の差を引く前なら法人化がわずかに上回ります。ただ、引いた後は年−9.2万円で、判定は僅差の帯です。しかも医療業の行は合同会社として計算しているため、医療法人の実際とは一致しません。

統計の売上−費用は専従者給与を引く前なので、家族に給与を払っている事業主の取り分はこれより小さくなります。業種の平均で見る限り、法人化が有利になる業種は見当たりません。

法人化した会社のうち、合同会社は2.4%

第1表では、会社企業をさらに株式会社(有限会社・相互会社を含む)・合名会社・合資会社・合同会社に分けています。

産業(大分類)個人経営の割合(第1表)合同会社の数会社企業に占める合同会社の割合
電気・ガス・熱供給・水道業2.1%1,33625.7%
医療・福祉51.9%6,63813.0%
教育・学習支援業69.4%1,0885.9%
金融業・保険業11.9%1,2505.0%
学術研究・専門・技術サービス業45.0%4,9804.7%
情報通信業3.7%2,0663.9%
宿泊業・飲食サービス業77.9%3,5083.8%
生活関連サービス業・娯楽業79.8%2,0233.2%
不動産業・物品賃貸業31.7%6,9573.2%
サービス業(他に分類されないもの)15.1%2,0342.1%
卸売業・小売業43.5%6,2191.5%
運輸業・郵便業13.9%4440.8%
建設業26.0%2,4750.8%
製造業28.4%1,3290.6%
鉱業・採石業・砂利採取業6.5%30.2%
(全産業)43.9%43,3172.4%

※ 令和3年経済センサス‐活動調査(2021年6月1日現在、経理事項は2020年1〜12月)企業等に関する集計。売上は原則消費税込み。第1表(企業等数の集計対象=全産業368万4049。第6表とは対象が違う)。農林漁業・複合サービス事業を除く

全産業の会社企業178万1323のうち、合同会社は4万3317で2.4%でした。割合が最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の25.7%、次いで医療・福祉の13.0%です。個人経営の多い宿泊業・飲食サービス業や生活関連サービス業・娯楽業では3%台にとどまりました。

国税庁の会社標本調査(令和6年度分)では、合同会社は法人数の7.2%でした(合同会社は9年で3.3倍に増えた)。経済センサスは2021年6月1日に事業を営んでいる企業を数える調査です。申告のあった法人を数える会社標本調査とは、時点も数え方も違います。2つの割合の差は、そのまま増え方の差とは読めません。

統計を読むときの注意

  • 2020年の数字。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた年で、宿泊業・飲食サービス業の売上はふだんの年より低い可能性がある
  • 売上は消費税込み。判定ツールは税抜きの売上で計算する。課税事業者なら、統計の売上は税抜きより1割前後高い
  • 集計対象が2種類ある。企業数の第1表(368万4049)と、売上などが得られた企業の第6表・第8-1表(350万7118)は対象が違う。割合はそれぞれの表の中で計算した
  • 農林漁業の個人経営は対象外。農業の法人化は農業の法人化は所得いくらから?で別に計算している
  • 令和8年調査は未公表。2026年6月1日現在で行われた令和8年経済センサス‐活動調査の結果が出たら、この記事の数字を差し替える

所得の側から見た統計では、国保に加入する自営業世帯の所得の中央値は180〜190万円の階級でした(国保加入世帯の自営業は17.8%)。売上の側から見ても、損益分岐に届く個人経営は一部にとどまるという点で、結論は同じ方向を向いています。

まとめ

  • 個人経営は企業数の43.9%(161万8565)だが、売上は全体の1.5%。1企業当たり売上は個人経営1,627万円、会社企業8億3,800万円
  • 公表表に経営組織×売上階級のクロスはない。個人経営を売上の小さい順に積み上げると、32業種中21が売上1,000万〜3,000万円の帯で尽きる
  • 実際の個人経営の売上はその仮定の1.1〜10.7倍で、個人経営は上の帯にも散らばっている
  • 個人経営の1企業当たり売上−費用が損益分岐(1,243万円)を超える業種はない。最大は医療業の1,064万円、次いで専門サービス業の818万円
  • 会社企業のうち合同会社は2.4%で、個人経営の多い業種ほど低い

業種の割合や平均は、あなたの事業の数字ではありません。同じ業種で個人経営が多数派でも、自分の売上と経費で判定ツールを動かすと結論が変わることがあります。

よくある質問

経済センサスの「個人経営」には、副業やフリーランスも入っていますか?

法人組織になっていない事業はすべて個人経営で、共同経営も含みます。ただし調査は事業所を単位に行う全数調査で、農業・林業・漁業の個人経営は調査の対象外です。売上などの経理事項は、数値が得られた企業等(全産業350万7118)について集計されています。

売上の数字は税込みですか、何年分ですか?

原則として2020年1〜12月の1年間の数字で、消費税込みです。税抜きで回答した企業の数字は、統計局が税込みに補正しています。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた年なので、飲食や宿泊の売上はふだんの年より低い可能性があります。

業種ごとに、個人経営と会社が何円の売上で入れ替わるかは分かりますか?

公表されている統計表には、経営組織と売上の階級を掛け合わせた表がないため、正確には分かりません。当サイトでは、個人経営が売上の小さい順に並ぶと仮定した目安を出しましたが、実際の個人経営の売上はその仮定の1.1〜10.7倍あり、個人経営は上の帯にも広く散らばっています。

もっと新しい経済センサスはありますか?

令和8年経済センサス‐活動調査が2026年6月1日現在で行われましたが、2026年10月9日時点で結果はまだ公表されていません。この記事は、公表済みで最新の令和3年調査を使っています。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。