社会保険

法人成りでマイナ保険証はどうなる?国保から協会けんぽへの切替

結論

マイナンバーカードの健康保険証利用登録が済んでいれば、法人成りで国保から協会けんぽに移っても再登録は不要です。会社が資格取得届を出すと、協会けんぽから「資格情報のお知らせ」が届き、マイナ保険証を持たない人には資格確認書が交付されます。一方で国保の脱退は自動では行われず、住所地の区市町村へ14日以内に自分で届け出ます。

  • 加入直後で資格確認がうまくいかないときは、マイナンバーカードと資格情報のお知らせ(またはマイナポータルの資格情報画面)を一緒に見せれば、通常の自己負担で受診できる
  • 資格確認書は、マイナ保険証を持たない人に当分の間、申請によらず無償で交付される。有効期限は5年以内で保険者が設定
  • 国保の脱退届を出さないと国保料の請求が続く。事業所得635万円(東京23区・単身)なら国保料は年69万3,409円(当サイト試算)

法人化して社長自身が協会けんぽに入ると、これまでの国民健康保険から切り替わります。2025年12月に従来の健康保険証が使えなくなって以降、この切替は**マイナ保険証と、紙の「資格情報のお知らせ」「資格確認書」**で行うようになりました。

手続き自体は会社が出す届出で進みますが、国保をやめる手続きだけは自動では行われません。

マイナ保険証の再登録は要らない

厚生労働省は、マイナンバーカードの健康保険証利用登録が完了していれば、転職や退職、引越しなどで加入する保険者が変わっても再度の登録は必要ないとしています。法人成りで国保から協会けんぽに移る場合も同じです。

会社が年金事務所に被保険者資格取得届を出すと、協会けんぽに資格が登録され、次の書類が届きます。

書類誰に届くか何に使うか
資格情報のお知らせ新規加入者の全員加入している健康保険の確認。単体では受診できない
資格確認書マイナ保険証を持たない人、取得届で発行を希望した人などこれだけで受診できる

厚生労働省によると、資格確認書は当分の間、マイナ保険証を持たない人には申請によらず無償で交付されます。有効期限は5年以内で保険者が設定します。資格取得届の書き方は被保険者資格取得届の出し方で整理しました。

加入直後に受診するときは「お知らせ」をカードと一緒に

切替の直後は、協会けんぽの資格情報がオンライン資格確認のシステムに反映されるまで時間がかかることがあります。

その間に医療機関でマイナ保険証の確認がうまくいかなかった場合、厚生労働省は、マイナンバーカードと、マイナポータルの資格情報画面(ダウンロードしたPDFでも可)または資格情報のお知らせを一緒に提示すれば、これまでどおりの自己負担で保険診療を受けられるとしています。

資格情報のお知らせは単体では受診に使えません。マイナンバーカードとセットで持ち歩くものです。

国保の脱退は自分で14日以内に届け出る

協会けんぽに入っても、国保の資格は自動では消えません。横浜市などの区市町村は、職場の健康保険に加入したときは14日以内に国保の脱退を届け出るよう求めています。届出には、新しい健康保険の氏名・保険者名・資格取得日が分かる書類(資格確認書、資格情報のお知らせなど)を使います。世田谷区のように、電子申請で届け出られる自治体もあります。

脱退の届出が遅れると、国保料の請求が続きます。後から資格取得日に遡って精算されますが、それまでは国保料と協会けんぽの保険料(役員報酬から天引き)の両方を払う月が出ます。

事業所得(青色控除後)国保料(年・東京23区・単身・40歳未満)1か月あたり
435万円48万1,809円約4.0万円
635万円69万3,409円約5.8万円
835万円90万5,009円約7.5万円

※ 当サイトの計算エンジンによる試算(令和8年度の特別区の料率)。1か月あたりは年額を12で割った目安

国保料が何月分までかかり、協会けんぽの保険料が何月分から始まるかは法人成りで健康保険が切り替わる月で説明しています。

配偶者や子を扶養に入れるなら、その分の脱退届も出す

国保には扶養の仕組みがなく、家族も1人ずつ国保の加入者です。法人化して配偶者や子を協会けんぽの被扶養者にした場合、家族の国保の脱退届も必要です。被扶養者として認定されれば、家族のマイナ保険証にも協会けんぽの資格が反映されます。

被扶養者異動届は会社が年金事務所へ出す書類で、こちらも提出期限があります。被扶養者異動届は5日以内で整理しました。家族を扶養に入れたことで国保の均等割がなくなる効果は、法人化の損益分岐を大きく動かします。当サイトの判定ツールで、配偶者や扶養家族の条件を入れて確かめてください。

まとめ

  • マイナ保険証の利用登録が済んでいれば、法人成りで協会けんぽに移っても再登録は不要
  • 協会けんぽからは資格情報のお知らせが届き、マイナ保険証を持たない人には資格確認書が申請なしで交付される
  • 加入直後に資格確認ができないときは、マイナンバーカードと資格情報のお知らせ(またはマイナポータル画面)を一緒に提示する
  • 国保の脱退は自動で行われない。住所地の区市町村へ14日以内に自分で届け出る
  • 配偶者や子を被扶養者にしたら、家族の国保の脱退届も出す

よくある質問

法人成りした月に病院へ行ったら、国保と協会けんぽのどちらを使いますか?

協会けんぽの資格取得日(役員報酬の支払いが始まる日など)以降の受診は協会けんぽです。資格取得日より前の受診は国保です。資格取得日以降に国保の資格で受診した場合は、後で医療費の精算が必要になることがあります。

配偶者を被扶養者にした場合、配偶者のマイナ保険証も使えますか?

被扶養者として認定されれば、配偶者のマイナ保険証にも協会けんぽの資格が反映されます。配偶者の国保の脱退届も、本人分とあわせて区市町村へ出します。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。