社会保険

長崎市の国民健康保険税(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,274万円

結論

長崎市の令和8年度の国民健康保険税は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年78万5,631円で、東京23区(65万6,379円)より12.9万円高く、収録63市区の中で大阪市・堺市に次いで3番目に高い水準です。40歳未満の所得割の合計12.92%は大阪市(12.84%)を上回り、収録63市区で最も高い率です。九州8市の中では最も高く、最も安い福岡市(56万1,999円)とは22.4万円の差があります。単身・40歳未満なら、法人化の損益分岐は売上−経費1,274万円です。

  • 40歳未満の税率は所得割12.92%・均等割38,580円(18歳以上の50円を含む)・平等割27,407円
  • 医療分は事業所得713万円、全区分は922万円で上限に届く。23区との差は712万円で最大の15.5万円
  • 協会けんぽ長崎支部の健康保険料率は10.06%で、法人化の損益分岐は1,274万円。分岐点の付近では国保の高さは効かない

長崎市の国保は、九州の中で最も高い水準にあります。所得割の率が高いのが理由で、40歳未満の3区分を合わせた12.92%は、府内統一料率の大阪市・堺市(12.84%)を上回り、当サイトが料率を収録している63市区で最も高い率です。

以下は、長崎市の令和8年度の公表税率を当サイトの計算エンジンに入れた結果です。他の自治体との比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。

令和8年度の税率

区分所得割均等割(1人)平等割(1世帯)課税限度額
基礎課税分(医療)9.3%27,700円19,800円67万円
後期高齢者支援金等分3.3%9,700円6,900円26万円
介護納付金分(40〜64歳)2.7%9,500円5,400円17万円
子ども分0.32%1,130円+18歳以上50円707円3万円

※ 長崎市 国民健康保険税(令和8年度)。子ども分は「子ども・子育て支援金分」

40歳未満の3区分を合わせると、所得割12.92%、均等割は大人1人38,580円、平等割は1世帯27,407円です。均等割と平等割は23区と比べて特に高くなく、高いのは所得割です。医療分9.3%は収録63市区で7番目(山口市と同率)の高さで、後期分3.3%も水戸市(3.50%)・北九州市(3.40%)に次ぐ高さです。

単身・事業所得600万円で年78.6万円

旧ただし書所得は600万円−43万円=557万円です。

区分所得割均等割平等割小計
基礎課税分518,010円27,700円19,800円565,510円
後期分183,810円9,700円6,900円200,410円
子ども分17,824円1,180円707円19,711円
合計785,631円

年78万5,631円です。東京23区(65万6,379円)より12万9,252円高くなります。国民年金(年21万5,040円)を足すと100万671円で、国保と国民年金だけで年100万円を超えます。40〜64歳なら介護分16万5,290円が加わり、95万921円です。

九州8市の中で最も高い

市事業所得300万円600万円夫婦+子2人・500万円
長崎市39.8万円78.6万円77.0万円
佐賀市39.4万円75.7万円75.9万円
北九州市38.0万円74.0万円72.0万円
宮崎市37.3万円73.4万円72.3万円
大分市37.5万円72.5万円73.0万円
鹿児島市37.5万円72.0万円70.0万円
熊本市31.6万円60.3万円63.4万円
福岡市29.2万円56.2万円—

※ 単身・40歳未満(夫婦+子2人は小学生・配偶者と子は無収入)・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。鹿児島市の家族は小学生以下の均等割を半額にする市独自の減額を入れた額(鹿児島市の国民健康保険税の計算)。福岡市は子どもの均等割の独自軽減があるため家族の額を載せていない

単身なら、長崎市は事業所得300万円でも600万円でも九州8市で最も高く、福岡市とは600万円で22.4万円の差です。長崎市と福岡市はどちらも平等割があり固定部分は近いのですが、所得割の合計が12.92%と9.00%で4ポイント近く違います。福岡市の内訳は福岡市の国民健康保険料にあります。

712万円で23区との差が最大

事業所得長崎市福岡市東京23区東京23区との差
200万円26.9万円20.2万円23.3万円+3.6万円
300万円39.8万円29.2万円33.9万円+5.9万円
500万円65.6万円47.2万円55.1万円+10.6万円
600万円78.6万円56.2万円65.6万円+12.9万円
700万円91.5万円65.2万円76.2万円+15.3万円
800万円95.6万円74.2万円86.8万円+8.8万円
900万円95.9万円80.3万円95.3万円+0.7万円
1,000万円96.0万円86.1万円95.8万円+0.2万円

※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。所得が低く法定軽減(7割・5割・2割)に当たる世帯は、この表より安くなる

所得割が高いので、23区との差は所得に比例して開き、事業所得712万円で最大の15.5万円になります。単身・40歳未満で区分ごとに上限に届く所得は次のとおりです。

  • 基礎課税分(67万円):事業所得713万円
  • 後期分(26万円):781万円
  • 全区分の合計(96万円):922万円

上限に届いたあとは23区が追いつき、900万円を超えると差は1万円以内になります。収録63市区の中では、単身・事業所得600万円で3番目(高い順)です。

40歳になると介護分が加わり、事業所得600万円で年16.5万円増えます(23区は15.3万円)。介護分は上限17万円に早く届き、700万円では23区と同じ17万円の増加です。

家族の増え方は23区より小さい

世帯(40歳未満)長崎市東京23区東京23区との差
夫婦・事業所得500万円69.5万円61.8万円+7.7万円
夫婦+子2人(小学生)・300万円51.1万円53.6万円−2.5万円
夫婦+子2人(小学生)・500万円77.0万円74.8万円+2.2万円
夫婦+子2人(小学生)・700万円95.4万円94.6万円+0.8万円

※ 配偶者・子は無収入。青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準

均等割が23区より2.8万円ほど低いので、無収入の配偶者が加わったときの増加は年3.9万円です(23区は6.7万円)。家族が多いほど23区との差は縮み、夫婦と子2人なら事業所得300万円で23区より安くなります。夫婦と子2人の世帯は、基礎課税分と後期分が693万円で上限に届きます。

法人化の分岐点は1,274万円

条件損益分岐(売上−経費)
東京23区・協会けんぽ東京支部(単身)1,266万円
長崎市の国保のみ(協会けんぽは東京支部・単身)1,266万円
長崎市・協会けんぽ長崎支部(単身)1,274万円
長崎市・配偶者(無収入)あり1,016万円
長崎市・単身・40〜64歳1,252万円

※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準

長崎市の国保は事業所得500万〜800万円で23区より10万〜15万円高いのに、分岐点はほとんど変わりません。長崎市は全区分の上限に922万円で届くので、分岐点の付近(青色申告特別控除後で1,200万円前後)では23区と同じ年96万円だからです。協会けんぽ長崎支部の健康保険料率10.06%(東京支部9.85%)で8万円上がり、1,274万円になります。

長崎市で国保の重さが響くのは、上限に届かない事業所得500万〜900万円の層です。この所得帯は、法人化しても手取りが増えにくい所得帯でもあります。国保の所得割は前年の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた額に掛かり、社会保険料控除や小規模企業共済等掛金控除などの所得控除は反映されません。法人化した場合の社会保険料の全体像は一人社長の社会保険料で計算しています。

まとめ

  • 長崎市の令和8年度の国保税は、所得割12.92%・均等割38,580円・平等割27,407円(40歳未満)
  • 所得割の合計は収録63市区で最も高く、単身・600万円で年78万5,631円(23区より12.9万円高い、63市区で3番目)
  • 九州8市で最も高く、福岡市とは600万円で22.4万円の差
  • 基礎課税分は713万円、全区分は922万円で上限に届き、23区との差は712万円で最大の15.5万円
  • 法人化の分岐点は1,274万円。分岐点の付近では国保の高さは効かない

長崎市の国保は、事業所得500万〜900万円の個人事業主にとって重い作りです。法人化の判断は、家族構成を入れたうえで自分の売上と経費で確かめてください。

よくある質問

長崎市の子ども・子育て支援金分の税率はいくらですか?

所得割0.32%、均等割1人1,130円、18歳以上均等割1人50円、平等割1世帯707円で、課税限度額は3万円です。18歳未満のかたの均等割額は全額軽減されます。

長崎市の未就学児の均等割は減額されますか?

未就学児の均等割額は5割減額されます。所得が一定以下の世帯に対する減額が適用される世帯では、その減額後に残った均等割額の5割が減額されます。

長崎市の国保税の課税限度額はいくらですか?

令和8年度は基礎課税分67万円、後期高齢者医療支援分26万円、介護納付金分17万円、子ども・子育て支援金分3万円で、合計113万円です。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。