社会保険
仙台市の国民健康保険料(令和8年度)。個人事業主の法人化の分岐点は1,277万円
結論
仙台市の令和8年度の国民健康保険料は、単身・40歳未満・事業所得600万円で年70万2,361円で、東京23区より4.6万円高い水準です。ただし18歳到達年度末までの子どもの均等割を最大10割減免する市独自の子育て世帯減免があり、満額で減免されれば、夫婦と子2人・事業所得500万円の保険料は夫婦だけの世帯と同じ年62.9万円で、東京23区(74.8万円)より11.9万円安くなります。単身・40歳未満なら、法人化の損益分岐は売上−経費1,277万円です。
- 所得割の合計は11.23%、均等割は大人1人39,270円、平等割は1世帯37,580円。後期高齢者支援金分の所得割3.00%が高い
- 単身・40歳未満で医療分は817万円、支援金分は842万円で上限に達し、全区分の年96万円には1,084万円で届く
- 法人化の損益分岐は仙台市・協会けんぽ宮城支部で1,277万円。宮城支部の料率10.10%が東京支部より高い
このテーマの全体像 国民健康保険料の自治体別比較
仙台市の国保は、単身で比べると東京23区より高い側にあります。違いが出るのは子どもがいる世帯です。仙台市は18歳到達年度末までの子どもの均等割を最大10割減免していて、満額の減免なら、子どもが何人いても保険料は夫婦だけの世帯と変わりません。国保の「家族の人数に比例して重くなる」という性質が、子どもについては働かない市です。
以下は、仙台市の令和8年度の公表料率を当サイトの計算エンジンに入れた結果です。子育て世帯の減免は、子どもの均等割が10割減免される前提で計算しました。自治体ごとの比較は国民健康保険料が高い市・安い市を比較にあります。
令和8年度の料率
| 区分 | 所得割 | 均等割(1人) | 平等割(1世帯) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 7.96% | 27,850円 | 26,700円 | 67万円 |
| 支援分(後期高齢者支援金等) | 3.00% | 10,410円 | 9,980円 | 26万円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.44% | 9,440円 | 7,070円 | 17万円 |
| 子育て支援金分 | 0.27% | 940円+18歳以上1人70円 | 900円 | 3万円 |
※ 仙台市 保険料はいくら(令和8年度)。子育て支援金分は仙台市の表記で「子ども分」
40歳未満の3区分を合わせると、所得割11.23%、均等割は大人1人39,270円、平等割は1世帯37,580円です。東京23区(10.58%・67,073円・平等割なし)より所得割が0.65ポイント高く、固定部分は単身なら1万円ほど多くなります。後期高齢者支援金分の所得割3.00%は、収録63市区の中でも高い部類(宮崎市・山口市・徳島市と並んで13番目)です。
所得割は、前年の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた「基準総所得金額」に掛けます。配偶者控除・扶養控除・社会保険料控除などは入りません。個人事業主なら、青色申告特別控除を引いた後の事業所得が出発点です。
単身・事業所得600万円で年70.2万円
基準総所得金額は600万円−43万円=557万円です。
| 区分 | 所得割 | 均等割 | 平等割 | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 443,372円 | 27,850円 | 26,700円 | 497,922円 |
| 支援分 | 167,100円 | 10,410円 | 9,980円 | 187,490円 |
| 子ども分 | 15,039円 | 1,010円 | 900円 | 16,949円 |
| 合計 | 702,361円 |
年70万2,361円です。国民年金(年21万5,040円)を足すと91万7,401円になります。東京23区の同条件(65万6,379円)より年4万5,982円高い計算です。40〜64歳なら介護分が加わり85万4,779円になります。
所得別では、816万円で東京23区との差が最大
| 事業所得 | 仙台市 | 札幌市 | 東京23区 | 東京23区との差 |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 14.1万円 | 13.7万円 | 12.7万円 | +1.3万円 |
| 300万円 | 36.5万円 | 36.6万円 | 33.9万円 | +2.6万円 |
| 500万円 | 59.0万円 | 59.5万円 | 55.1万円 | +3.9万円 |
| 600万円 | 70.2万円 | 71.0万円 | 65.6万円 | +4.6万円 |
| 700万円 | 81.5万円 | 82.4万円 | 76.2万円 | +5.2万円 |
| 800万円 | 92.7万円 | 90.4万円 | 86.8万円 | +5.9万円 |
| 900万円 | 95.5万円 | 93.3万円 | 95.3万円 | +0.2万円 |
| 1,000万円 | 95.8万円 | 96.0万円 | 95.8万円 | +0.0万円 |
※ 単身・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準
単身なら、上限に届くまではどの所得でも東京23区より高く、差は事業所得816万円で最大の6.0万円です。収録63市区の中では、事業所得300万円・600万円とも20番目に高い水準です。
札幌市とはほぼ同じ水準で、275万円を境に順番が入れ替わります。800万円台では仙台市のほうが2万円あまり高くなります。札幌市は医療分の所得割が高く、先に医療分の上限に届くためです。札幌市の計算は札幌市の国民健康保険料にまとめています。
隣県の山形市は医療分の所得割が9.42%と高く、事業所得123万円より上では仙台市より高くなります。600万円で6.1万円の差です(山形市の国民健康保険税)。
北隣の盛岡市は均等割が低く、事業所得982万円までは仙台市より安くなります(盛岡市の国民健康保険税)。
子どもがいても保険料は夫婦と同じ
仙台市の「子育て世帯の減免」は、18歳到達後の最初の3月31日までの加入者がいる世帯について、その子どもの均等割額の最大10割相当分を減免する制度です。申請は要りません。法定軽減や未就学児の軽減と合わせても、減免の合計はその子の均等割額までです。子ども・子育て支援金分の均等割も、18歳年度末までの子どもは全額軽減されます。
子どもは通常、所得がないので所得割はかかりません。平等割は世帯に1回なので、子どもが増えても変わりません。そのため均等割が満額減免されると、子どもの分の保険料はゼロになります。
| 世帯 | 事業所得300万円 | 500万円 | 700万円 | 1,000万円 |
|---|---|---|---|---|
| 単身・40歳未満 | 36.5万円 | 59.0万円 | 81.5万円 | 95.8万円 |
| 夫婦・40歳未満 | 40.5万円 | 62.9万円 | 85.4万円 | 95.9万円 |
| 夫婦+子2人(小学生) | 40.5万円 | 62.9万円 | 85.4万円 | 95.9万円 |
| (参考)減免がない場合 | 48.1万円 | 70.6万円 | 93.0万円 | 95.9万円 |
| (参考)東京23区・夫婦+子2人 | 53.6万円 | 74.8万円 | 94.6万円 | 96.0万円 |
※ 仙台市・40歳未満・青色申告特別控除後の事業所得/2026年(令和8年)分 基準。夫婦+子2人は子どもの均等割を10割減免した場合
夫婦と子2人・事業所得500万円で年62.9万円。減免がなければ70.6万円なので、子ども2人で年7.7万円が減免されている計算です。東京23区の同じ世帯(74.8万円)より11.9万円安くなります。単身では東京23区より3.9万円高かったので、家族構成で大小が大きく入れ替わります。
配偶者は減免の対象ではありません。無収入の配偶者が加わると、事業所得500万円で年3.9万円増えます(東京23区は6.7万円)。
上限に達するのは単身で1,084万円
単身・40歳未満の場合、医療分は817万円、支援分は842万円で上限に達し、全区分の合計が年96万円に届くのは1,084万円です。ただし900万円の時点で95.5万円なので、実質的にはそこで頭打ちです。40〜64歳の上限は年113万円で、同じく1,084万円で届きます。
法人化の分岐点は1,277万円
| 条件 | 損益分岐(売上−経費) |
|---|---|
| 東京23区・協会けんぽ東京支部(単身) | 1,266万円 |
| 仙台市の国保のみ(協会けんぽは東京支部・単身) | 1,266万円 |
| 仙台市・協会けんぽ宮城支部(単身) | 1,277万円 |
| 仙台市・配偶者(無収入)あり | 1,016万円 |
| 仙台市・単身・40〜64歳 | 1,254万円 |
※ 40歳未満(注記以外)・経費200万円・青色申告(e-Tax)・インボイス登録済み・合同会社。損益分岐は青色申告特別控除の前の金額/2026年(令和8年)分 基準
国保の部分だけを仙台市に置き換えても、分岐点は東京23区と同じ1,266万円です。分岐点付近ではどちらの国保も上限にあるためです。11万円上がるのは、協会けんぽ宮城支部の令和8年度の健康保険料率が**10.10%**と、東京支部(9.85%)より0.25ポイント高いからです。
子どもがいる世帯について、法人化すれば子どもは社会保険の扶養に入り、保険料はかかりません。ただ仙台市では、国保のままでも子どもの均等割が減免されるので、「法人化すると子どもの国保がなくなる」という効果が他の市より小さくなります。法人化で家族の保険料がどう変わるかは配偶者がいると法人化の分岐点は250万円下がるで扱っています。
まとめ
- 仙台市の令和8年度の国保は、所得割11.23%・均等割39,270円・平等割37,580円(40歳未満)
- 単身・事業所得600万円で年70万2,361円。東京23区より4.6万円高い
- 18歳到達年度末までの子どもの均等割を最大10割減免。満額なら子どもがいても保険料は夫婦と同じ
- 夫婦と子2人・事業所得500万円は年62.9万円で、東京23区より11.9万円安い
- 法人化の分岐点は1,277万円。協会けんぽ宮城支部の料率10.10%が効く
子どもがいる世帯は、仙台市では国保の負担が軽くなります。法人化の判断は、家族構成と宮城の料率を入れて、自分の売上と経費で確かめてください。
よくある質問
仙台市の子育て世帯の減免は申請が必要ですか?
申請は不要です。18歳到達後の最初の3月31日までの加入者がいる世帯に、その加入者の均等割額の最大10割相当分が減免されます。法定軽減や未就学児の軽減と合わせても、減免の合計は対象者の均等割額(10割分)までです。
子育て世帯の減免に所得制限はありますか?
仙台市の減免の案内には所得要件の記載がありません。ただし減免されるのは均等割だけで、所得割と平等割は減りません。
所得が低い世帯の仙台市独自の減免はありますか?
あります。法定の7割・5割軽減に当たらない世帯のうち、2割軽減の基準に当たる世帯や、所得が基準未満(加入者1人なら127万円など)の世帯は、均等割・平等割の2割相当がさらに減免されます。申請は不要です。
出典
本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。