税金の基礎

法人税100万円の還付加算金は180日で6,400円。10万円なら0円

結論

令和8年の還付加算金は年1.3%です。法人税100万円の還付について計算期間が180日なら6,400円ですが、10万円なら計算上641円となり、全額1,000円未満のため0円です。還付金本体は1万円未満を切り捨てて計算し、算出額は100円未満切捨て、全額1,000円未満なら支払われません。

  • 180日の設例では15万円まで0円、16万円で1,000円。還付額に単純に1.3%を掛けた額は入金されない
  • 減額更正等の過納金は原則として納付日の翌日が起算日だが、還付の原因ごとに起算日は異なる
  • 法人が受ける還付加算金は還付元本と分けて記録。消費税の課税売上割合の分母には算入しない

法人税を払い過ぎて100万円が戻るとき、税務署から「利息のようなもの」が一緒に入金されることがあります。これが還付加算金です。

令和8年の割合は年1.3%ですが、100万円×1.3%=1万3,000円がそのまま付くわけではありません。日割りし、3段階の端数処理を行います。少額の還付では計算値が出ても0円になるため、実額を見ます。

100万円を180日なら6,400円、10万円なら0円

令和8年中を年1.3%、計算期間を180日として、還付額別に計算しました。

還付金計算基礎端数処理前支払われる還付加算金
10万円10万円641円0円
15万円15万円961円0円
16万円16万円1,025円1,000円
50万円50万円3,205円3,200円
100万円100万円6,410円6,400円
500万円500万円3万2,054円3万2,000円

※ 令和8年の年1.3%、180日、単利。年の途中で割合が変わらない前提

10万円では641円まで計算できますが、還付加算金の全額が1,000円未満なので全額切り捨てです。15万円でも961円で0円、16万円になると1,025円から100円未満を切り捨てて1,000円が支払われます。

表は node scripts/kanpu-kasankin-houjin.mjs で再生成できます。実際の日数は、還付原因ごとの起算日から支払決定日または充当日までで決まります。

端数処理は3段階ある

国税通則法の端数処理を順番に当てます。

  1. 計算の基礎となる還付金は1万円未満を切り捨てる。還付金全額が1万円未満なら基礎は0円
  2. 「基礎額×年率×日数÷365日」で計算する
  3. 確定額の100円未満を切り捨てる。確定額全体が1,000円未満なら全額を切り捨てる

たとえば還付金1,009,999円でも、計算基礎は100万円です。180日なら6,410円、100円未満を切り捨てて6,400円になります。

割合だけを見て「100万円なら年1万3,000円」と資金繰りへ入れると、半年の設例では実額の約2倍になります。1.3%は年率で、さらに起算日と端数処理があるためです。

令和8年は年1.3%。毎年固定ではない

令和8年1月1日から12月31日までの還付加算金特例基準割合は年1.3%です。令和7年の年0.9%から上がりました。

この割合は、銀行の新規短期貸出約定平均金利をもとにした告示割合へ年0.5%を加えて決まるため、毎年確認が必要です。計算期間が年をまたぐ場合は、その年ごとの割合と日数に分けて計算します。

同じ年1.3%は利子税特例基準割合にも使われますが、還付加算金と利子税は逆方向の金銭です。還付加算金は国から法人へ加算して支払われ、利子税は申告期限延長などで法人が国へ納めます。

起算日は「更正の請求を出した日」とは限らない

還付加算金で難しいのは、割合より起算日です。還付原因によって違います。

税務署の更正・決定等で納付税額が減り、過納金が生じた一般的なケースでは、原則としてその国税を納付した日の翌日が起算日です。法定納期限前に納付していた場合は、法定納期限の翌日からになります。

一方、源泉所得税の誤納、年末調整、確定申告による還付などには別の起算規定があります。単に「会社口座から出金した日」をすべての還付へ当てはめることはできません。

法人税の更正の請求は、税額を払い過ぎた場合などに税務署へ減額更正を求める手続です。通常の請求期限は法定申告期限から5年以内ですが、この5年は還付加算金の日数ではありません。税務署の確認と減額更正を経て還付額・起算日が確定します。

更正の請求の期限と、必要経費・所得控除の漏れで戻る税額差は更正の請求は5年以内で扱っています。

予納した期間には付かない

予納ダイレクトで決算前に先払いし、確定税額より多かったため還付される場合、国税庁は予納していた期間に対応する還付加算金は発生しないと案内しています。

これは、早く多く納めれば年1.3%で運用できる制度ではないということです。予納額は確定予定の国税へ充てるための先払いであり、預金ではありません。

また、年末調整で会社が従業員へ還付する場合など、税務署長等以外の者が還付・充当するケースにも還付加算金は付きません。源泉所得税の会社側の回収は誤納額還付請求と充当届出で区別しています。

法人は元本と加算金を分けて記録する

税務署から100万6,400円が入金されても、全額が同じ性質ではありません。

  • 100万円:払い過ぎていた法人税等の還付元本
  • 6,400円:期間に応じて加算された還付加算金

還付元本の処理は、還付された税目と当初の経理によって変わります。還付加算金は元本と分け、雑収入等で記録します。法人税申告書の別表でも、還付法人税等と還付加算金は区別されています。

入金明細だけで合計を仕訳せず、国税還付金振込通知書等で内訳を確認します。未納国税へ充当された場合は銀行入金がないため、充当通知の元本・加算金・充当先をもとに記録します。

消費税の課税売上割合の分母に入れない

還付加算金は利息に似た計算でも、資産の譲渡等の対価ではありません。国税庁は消費税の課税対象外とし、課税売上割合の分母にも算入しないと示しています。

「雑収入だから課税売上」「利息に似ているから非課税売上」と機械的に判定しないことが重要です。会計上の雑収入という勘定科目と、消費税上の取引区分は別です。消費税申告の集計では対象外として区分します。

通知書で確認する5項目

還付を受けたら、次を確認します。

  1. 還付対象の税目・課税期間
  2. 還付元本
  3. 還付加算金
  4. 未納国税への充当額
  5. 実際の振込額

さらに自社計算では、適用年率、起算日、支払決定日までの日数、端数処理を突合します。100万円・180日の例で通知額が6,400円と大きく違うなら、日数や起算原因が違う可能性があります。

まとめ

  • 令和8年の還付加算金特例基準割合は年1.3%
  • 100万円を180日で計算すると6,400円、10万円なら1,000円未満のため0円
  • 180日の設例では15万円まで0円、16万円で1,000円になる
  • 計算基礎は1万円未満切捨て、確定額は100円未満切捨て、全額1,000円未満は0円
  • 起算日は還付の原因ごとに異なり、予納期間や会社が行う年末調整還付には付かない
  • 法人は還付元本と加算金を分け、加算金を消費税の課税売上割合の分母へ入れない

還付加算金は資金繰りを救うほど大きな金額ではありません。ただし、0円と6,400円の差を説明できるよう、割合だけでなく起算日と3段階の端数処理まで通知書と照合してください。

よくある質問

還付が遅いほど、必ず納付日から還付加算金が付きますか?

必ずではありません。減額更正で生じた過納金、確定申告による還付、源泉所得税の誤納など、還付の原因によって起算日が違います。通知書の税目・還付理由・計算期間を確認します。

予納ダイレクトで早く納めた期間にも1.3%が付きますか?

国税庁は、予納税額を還付する場合でも予納期間に対応する還付加算金は発生しないと案内しています。多めの予納で利息を得る制度ではありません。

還付加算金に消費税はかかりますか?

資産の譲渡等の対価ではないため消費税の課税対象外です。課税売上割合の計算でも分母に算入しません。

還付加算金と還付金本体を同じ勘定科目にしてよいですか?

税務上の性質が違うため分けて記録するのが安全です。還付通知書で元本と加算金を確認し、加算金は雑収入等として区分します。具体的な仕訳は還付された税目と当初の経理方法に合わせます。

出典

本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。