設立の手続き
会社設立が多いのは10月と4月。2025年の登記統計を月別に数えた
結論
2025年の株式会社と合同会社の設立は14万5,326社で、月別では10月の1万4,747社が最多、4月の1万3,687社、7月の1万3,192社が続きます。法務局の開庁日1日当たりにすると、1月(670.9社)と10月(670.3社)が多く、12月(514.4社)と11月(529.0社)が少なくなります。年平均を100とすると85〜111の幅で、季節による差は2割程度です。
- 1年の開庁日241日に対して1日平均603社。4月は651.8社で年平均の108、8月は558.4社で93
- 合同会社の割合はどの月も29〜33%で、設立の多い月と少ない月で大きくは変わらない
- 会社は設立の登記をした日に成立する(会社法第49条・第579条)。設立日は決算月・消費税の免税期間・均等割の月数・社会保険の加入月を同時に決める
このテーマの全体像 会社設立の手続き(自分でやる手順と届出)
法人成りを決めたら、次に決めるのは「いつ会社を作るか」です。会社は設立の登記をした日に成立し、その日から決算月、消費税の免税期間、均等割の月数、社会保険の加入月が決まっていきます。では、実際にはどの月に会社が作られているのでしょうか。法務省の登記統計を月別に数えました。
2025年の会社設立は14万5,326社。10月が最多
使ったのは、法務省の登記統計(商業・法人)月報の各月の表です。2025年1月から12月まで、株式会社と合同会社の「設立」の件数を数えました。12か月の合計は年報の数字(株式会社10万165社、合同会社4万5,161社)と一致しています。
| 月 | 株式会社 | 合同会社 | 合計 | 開庁日 | 開庁日1日当たり | 年平均を100とした指数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 8,914 | 3,834 | 12,748 | 19日 | 670.9社 | 111 |
| 2月 | 7,032 | 3,332 | 10,364 | 18日 | 575.8社 | 95 |
| 3月 | 8,626 | 3,899 | 12,525 | 20日 | 626.3社 | 104 |
| 4月 | 9,531 | 4,156 | 13,687 | 21日 | 651.8社 | 108 |
| 5月 | 8,784 | 3,998 | 12,782 | 20日 | 639.1社 | 106 |
| 6月 | 8,254 | 3,702 | 11,956 | 21日 | 569.3社 | 94 |
| 7月 | 9,311 | 3,881 | 13,192 | 22日 | 599.6社 | 99 |
| 8月 | 7,591 | 3,577 | 11,168 | 20日 | 558.4社 | 93 |
| 9月 | 8,254 | 4,093 | 12,347 | 20日 | 617.4社 | 102 |
| 10月 | 10,212 | 4,535 | 14,747 | 22日 | 670.3社 | 111 |
| 11月 | 6,600 | 2,922 | 9,522 | 18日 | 529.0社 | 88 |
| 12月 | 7,056 | 3,232 | 10,288 | 20日 | 514.4社 | 85 |
| 合計 | 100,165 | 45,161 | 145,326 | 241日 | 603.0社 | 100 |
※ 組織変更・合併などによる設立を含まない。開庁日は土日・国民の祝日・12月29日〜1月3日を除いた日数
件数で見ると、10月の1万4,747社が最多で、4月の1万3,687社、7月の1万3,192社が続きます。少ないのは11月の9,522社と12月の1万288社です。
ただ、月によって法務局の開いている日数が違います。会社は設立の登記をした日に成立するので(会社法第49条・第579条)、この統計の2025年は、設立日にできるのが法務局の開庁日だけでした。土日・祝日と、行政機関の休日である12月29日〜1月3日は除かれます。なお令和8年2月2日からは、直前の開庁日に申請すれば行政機関の休日を設立日に指定できる特例が始まっています(法務省)。
開庁日1日当たりでは、1月と10月が多い
開庁日1日当たりに直すと、順位が少し変わります。**1月(670.9社)と10月(670.3社)**が並んで多く、4月(651.8社)、5月(639.1社)が続きます。1月は年始の休みで開庁日が19日と少ないのに、件数は12,748社と多いためです。
少ないのは**12月(514.4社)、11月(529.0社)、8月(558.4社)**です。年平均を100とした指数では85〜111の幅に収まっていて、季節による差は2割程度です。会社はどの月にも、おおむね均等に作られていると言えます。
合同会社の割合は、どの月も29〜33%でした。設立の多い月と少ない月で、株式会社と合同会社の選び方が変わるわけではありません。
なぜ4月・10月・1月が多いのか
統計からは理由までは分かりません。ただ、4月と10月は年度・半期の始まりで、1月は暦年の始まりです。取引先との契約や、個人事業の区切り(1月は前年分の確定申告と区切りが合う)を合わせやすい月に設立が集まる、と考えると説明がつきます。
設立月で決まる4つのこと
設立日をいつにするかで、次の4つが同時に決まります。法人成りで設立月を選ぶときは、件数の多い月かどうかより、こちらのほうが判断に効きます。
| 決まること | 設立日・設立月で変わる内容 |
|---|---|
| 1期目の長さ | 決算月をどこに置くかで、1期目は1か月〜12か月になる |
| 消費税の免税期間 | 資本金1,000万円未満なら原則として設立1〜2期は免税。1期目が短いと免税の期間も短くなる |
| 税の月割 | 法人住民税の定額部分(均等割)は月数で按分。法人税15%の年800万円の枠と法人事業税の区分も月割 |
| 社会保険の加入月 | 社会保険料は資格を取得した月から。月末に設立するとその月の分がかかる |
1期目の長さと消費税の免税の組み合わせは法人の決算月の決め方、年度の途中で法人化する場合の考え方は法人化のタイミングと決算期の決め方で扱っています。1期目が短いと法人事業税の区分も月割になる点は法人事業税は所得400万円まで3.5%で計算しました。
社会保険の加入月は、設立が月末か月初かで1か月分の保険料が変わります。資格取得日が月末なら、その月の分の健康保険・厚生年金保険料がかかり、同じ月の国民健康保険・国民年金と重なることもあります(法人成りの月の保険料は国保か社保か)。
設立手続きの順番と実費は会社設立を自分でやる手順にまとめています。設立月を決める前に、法人化そのものが有利かを自分の売上と経費で確かめてください。
まとめ
- 2025年の株式会社・合同会社の設立は14万5,326社。月別の最多は10月の1万4,747社で、4月・7月が続く
- 法務局の開庁日1日当たりでは、1月670.9社・10月670.3社が多く、12月514.4社・11月529.0社が少ない
- 年平均を100とした指数は85〜111で、季節による差は2割程度。合同会社の割合はどの月も29〜33%
- 会社は設立の登記をした日に成立し、設立日にできるのは法務局の開庁日だけ
- 設立月は、1期目の長さ・消費税の免税期間・均等割や軽減税率の月割・社会保険の加入月を同時に決める
よくある質問
会社の設立日はいつになりますか。
会社法第49条(株式会社)・第579条(合同会社などの持分会社)により、本店所在地で設立の登記をした日に会社が成立します。法務局に申請した日が設立日になるため、法務局の開いていない土日・祝日・12月29日〜1月3日は設立日にできません。
4月1日や10月1日に設立する人が多いのはなぜですか。
統計からは理由までは分かりませんが、4月と10月は年度や半期の始まりで、取引先の契約や決算期を区切りのよい月に合わせやすい時期です。法人成りでは、個人事業の区切りや決算月の置き方で設立月を選ぶことが多くなります。
年末に設立すると不利になりますか。
不利とは限りません。ただし決算月を早く置くと1期目が短くなり、消費税の免税期間や法人税の軽減税率の枠(年800万円)が月割で小さくなります。設立日と決算月は組み合わせで考える必要があります。
出典
本記事は2026年(令和8年)分 基準の制度にもとづく一般的な解説であり、税務上の助言ではありません。 制度は毎年改正されます。実際の判断は最新の一次情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。 内容に誤りを見つけられた場合は お問い合わせ よりご指摘ください。